東京スカパラダイスオーケストラ

2000 TOUR “Gunslinger”

2000年9月28日 新潟フェイズ


FISHMANSの茂木欣一が参加

 昨年の青木達之自殺により、ドラマーを失ってしまったスカパラ。昨年のツアーとフジロック99はブランキー・ジェット・シティーの中村達也をゲストに迎えてその危機を乗り切りましたが、今年はFISHMANS茂木欣一が参加。FISHMANSもボーカルの佐藤伸治が病死してしまい、実質的に活動休止中なのが、不幸中の幸いというべきか・・・
 FISHMANSはダブ、レゲエをベースとしたバンドで、スカパラとバックグラウンドが近いので、中村達也に比べると音楽的に無理がない、というか、ベストな人材でしょう。青木達之に代われるのは彼しかいないと言っていい。
 しかし、FISHMANS好きの立場から言うと、茂木のドラミングの魅力は空間を生かした隙間を感じさせるプレイだと思うので、スカパラの分厚いサウンドの中では、ちょっと窮屈な感もありました。沖祐市のオルガンとドラムでジミヘンの曲を演奏する(すごい企画だ)コーナーがありましたが、そういう音数の少ない曲でのドラミングはまさに本領発揮。スネアの一発一発がビシッと決まる。
 スカパラに正式加入して欲しいという気持ちもありますが、やはり茂木にはFISHMANSのドラマーでいてほしいと思う。


どうした!? 冷牟田

 さてさて、ライブ全体としては、若干客の入りは寂しかったものの、相変わらず彼らは全力疾走。結成から10年以上経つのに、あのテンションの高いライブを続ける姿勢には本当に頭が下がる。
 冷牟田のMCによれば、「今回のツアーは日替わりメニューで同じ構成のライブは2度とやらない」そうで、確かに悲壮なまでの勢いがありました。
 それしても気になるのは冷牟田の動向。最近のステージではサックスを吹く場面が減って、ボーカル(というかアジテート)かギターを弾くことが多いのですが、今回はステージから引っ込んでいる時間が長い。全体の3分の1くらいしかステージにいなかったような気がします。2度目のアンコールは冷牟田抜きの演奏だったし。
 ホーンセクション無しで、ツインギターで爆音(ホントに爆音だった)を響かせる、というスカパラではないような演奏もありましたが、もしかすると、冷牟田はスカパラ本体とは距離を置き始めているのかな、という感じを受けました。DJプロデューサーとして、スカパラの中でも一番個人活動が盛んなだけに、もしかして、脱退を考えているのか!?なんて心配をしてしまいます。

 



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