TAICOCLUB'08

2008年6月7日(土)〜8日(日) 長野県木曽郡木祖村こだまの森


知名度大幅アップ

 2年連続での参加となるTAICOLUB。イベント自体は今年で3年目ですが、音楽ファンの間での知名度もかなり上がったようで、今年は前売りチケットが完売し、当日券は販売中止となりました。さらにフジロックみたいに「タープ禁止」もホームページで告知されていたので、去年よりも観客がかなり増えて、テントの場所を確保するのにも苦労しそうな予感がします。
 というわけで、今年は新潟を8時に出発し、5時間かけて長野の山奥へ。開場時間の13時前には駐車場に到着。すると、駐車場はすでにほぼ埋まっており、入口近くに駐車するはめになりました。
 去年までは「知る人ぞ知る」フェスで、ノンビリした雰囲気でしたが、今年はそうはいかないようですね。


 しかし、入場ゲートでは全く行列は無く、スムーズにチケットとリストバンドを交換。会場までは舗装された道路を1kmくらい歩くので、キャンプ用品はキャリーカートに積んでおくと非常に楽ですね。


 すると、キャンプ場入口の直前で行列が発生。しかし、これはボランティアがゴミ袋を配布していたためでした。このゴミ袋、お米のカスを再利用して作られたそうで、なんと煎餅のような香りがしてきます(笑)。
 そして、野外フェスで一番で一番重要なインフラが仮設トイレ。でも、去年よりも数が減っているような気がする。チケットの売れ行きから観客が増えるのは分かっているはずなのに、トイレを減らすとはどういうつもりですか!?
 案の定、去年は全く無かったトイレ行列が今年は発生。フジロックほどの行列ではないですが、フェスの快適度は確実に下がりましたね。


 開場直後に到着したはずなのに、テントサイトは結構な混み具合です。観客に360度囲まれて演奏するというボアダムズのスペシャルステージを横目に通路を進んで、一番奥のエリアにテントを張ることに決定。



まずはバーベキュー

 テントを張り終えたら、まずは炭火を起こしてバーベキューですよ。
 ホームページでは一応「飲食物の持ち込みはお断り」と告知されていましたが、やはりバーベキューこそ野外フェスの醍醐味(笑)。隣のテントなんて、中華鍋を持ってきてるし、コンロでカレー作ってるよ(笑)。これには負けた・・・。


 快晴ではないけれど、爽やかな緑の中で飲むビールと焼き肉は最高ですな。
 結局、ボアダムズの始まる17時までは、完全にキャンプ気分でまったりと過ごしてしまいました。


VOREDOMS(17:00〜18:00 Specialステージ)

 今年の目玉、観客のど真ん中で演奏するボアダムズ。去年のフジロックと同じく、ドラム3台と謎のギターの化け物での演奏。
 EYEの雄叫びとシンセのホワイトノイズが群衆の中心から発せられ、ドラマー3人が一斉にリズムの連打を重ねると、演奏は一気にトランス状態へ加速していく。
 円形ステージの周りに小型PAスピーカーを分散して配置しているので、低音がちょっと不足気味なのがもったいないところですが、やっぱりボアダムズの演奏は神懸かり的だ。特にドラムスティックや長い棒を持って、ギターの化け物に体ごと飛びかかるEYEには何かが乗り移っているとしか思えない。笑っちゃうくらいカッコいいです。
 演奏の間、ずっとギターの化け物のチューニングに追われ、EYEが倒さないように支え続けるスタッフは非常に大変そうでしたが(笑)。



野外音楽堂へ

 野外音楽堂への坂道には今年もジャンボ滑り台が健在。林の中のルートにはスダレみたいな装飾が施されていましたが、こんなところに手間とお金を使うなら、トイレをもっと増やしてくれ。



i-dep(18:30〜19:30 野外音楽堂)

 初めて知ったバンドでしたが、アップライト・ベースにサックス、ドラム、ギターとキーボードという編成でインストを演奏し始めたので、クラブ・ジャズのバンドなのかと思ったら、大間違い。女性ボーカルが登場した2曲目からは、いきなりJ-Pop風の曲に変わってビックリした。
 歌詞は全部英語で、クラブ・ミュージックのつもりなんだろうけど、振り付け付きで歌うアニメ声の女性ボーカルは、なんだかなぁ。中心人物はキーボードの人らしく、Perfumeでお馴染みのケロ声エフェクトをかけて、自らボーカルをとってもいましたが、若干空回り気味。
 後で調べてみたら、J-Popをボサノヴァ風にカバーする「SOTTE BOSSE」の人達なんですね。俺、CD持ってたわ(笑)。バンドとしての方向感にまとまりが無いのも当然か。




五平もちの親父健在

 今年も地元の屋台はしっかりと出店。五平もちを焼いていたのが去年と同じジイさんでホッとした(笑)。鮎の塩焼きも旨かった。自前でバーベキューをしたので、都会から来たフェス屋台の飯は全然食べなかったな。
 こういうイベントで、地元の人達にお金を落とすのは大事なことです。



THA BLUE HERB(20:00〜21:00 特設ステージ)

 メシ食いに特設ステージに来たのですが、鳴っている音楽がカッコよくて思わず聴き入ってしまった。観客も相当集まっている。俺は今年はボアダムズが目玉だと思っていたけれど、実はブルーハーブこそが今年のクライマックスだったのかも。
 北海道からやって来たこの2人は、最近テレビでよく見るようなお気楽なラッパーとは全く違う。シンプルだが太いビート、男気溢れるリリック。アジテーションとも言えるラップは、なんだか説教みたい(笑)ですが、心の奥に訴えかけてくる力が確実にある。



あふりらんぽ(21:00〜22:00 野外音楽堂)

 ライブを観るのは2005年のフジロック以来。キチガイ的な楽曲と破壊的なパフォーマンスは相変わらず。
 しかし、途中でギターの音が出なくなるトラブルが発生しても、取り乱すことなく2人でドラムを叩いて、アドリブの演奏でしっかりとステージを続けるあたり、意外とプロフェッショナルな仕事をしていると感じました。
 やっぱり、あの芸風はしっかりとした計算の上で演じているのでは?


rei harakami(22:00〜23:00 野外音楽堂)

 日本が誇るエレクトロニカの雄ですが、ライブを演る人だとは知らなかった。
 ステージ上でひたすらツマミの操作に没頭していたのは、おそらくMIDIコントローラーを操作していたのだと思いますが、ラップトップは無かったので、音源を何から出力していたのかは不明。
 自然に囲まれた夜空の下、純度の高いシンセ音のループが心地よい。
 しかし、MCになると、「ど〜も〜」と普通に話を始める(笑)。いやぁ、こういう電子音楽系のライブで普通にMCする人、初めて観たなぁ。「曲作らないでWiiばっかりやっている」とか「いいちこのお湯割りを飲みたい」とか、しょうもない話を延々とするんですが、こういう芸風もありなんですかね?



Jim O'Rourke(23:00〜0:00 特設ステージ)

 レイ・ハラカミと卓球の間の出番ですから、アバンギャルドな音響実験で攻めてくるのかと思ったら、ジムオさん、普通のギター弾き語りですよ。しかも、日本語のMC付き(笑)。いつの間にか日本に移住していたんですね。
 「曲を沢山作りたかったら、1曲だけ作ればいい。演奏するたびにチューニングが変わって違う曲になるよ。」う〜ん、やっぱり言うことはアバンギャルドだな(笑)。でも、演奏は、ひたすらギター弾き語りです。
 なんでこの時間帯にブッキングしてしまったんですかね・・・。



石野卓球(0:00〜2:00 野外音楽堂)

 2年連続で出場の卓球。フェスのピークの時間帯のはずですが、観客はそれほど多くはない。直前のジムオさんが盛り下げてしまったのが悪かったか?
 私もさすがに疲れてきたので、一旦テントに帰ってコンロでお湯を沸かし、カップラーメンを食べてきました。
 野外音楽堂に戻ってくると、なぜかサルサが鳴っている。なぜ、卓球が?と疑問に思っていると、次はサンバのバトゥカーダのリズムがキック4つ打ちとミックスされてきた。このパーカッション乱れ打ち攻撃は、なかなか盛り上がりましたね。卓球の新境地なんでしょうか?




INO hidefumi(2:00〜3:00 野外音楽堂)

 こちらも2年連続の出場。演奏曲は去年とほとんど同じだったと思うけど、ドラムとベースが柔らかく絡むようになってきて、去年よりも数段良い演奏だったと思う。
 「新作がやっと完成しました。“スパルタカス”なんて目じゃない曲を作りました。」と話していたけど、それなら、その新曲をライブで聴かせてくれよ。
 途中、雨がパラっと降ってきたので、後半はお客さんがガクッと減ってしまったのが不運ですな。




雨上がりの朝

 寝ている間には結構雨が降っていましたが、朝には止んでいました。雨の中でテントを片付けるのはツライので、一安心。
 朝7:30にトイレに行くと、なんと全て使用禁止中。途方に暮れて、特設ステージまで一周してくると、半分は使用可になっていました。しかし、半分のトイレは結局使用禁止のままでした。多分、汲み取りの経費削減のためだと思いますが、やっぱり節約する部分を間違っていると思うぞ。もう一度言うが、集客は増えているのだから、トイレ経費をケチってはいかんよ。


 入場の時にこんなフライヤーが配られていましたが、本当に秋にも開催するのでしょうか?
 テントとステージが近い理想的なフェスなので、秋ももちろん参加したいですが、次回はトイレ多めでお願いしますね(笑)。



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