ワシントンDCに在住し、ドキュメンタリー映画を制作しつつ、黒人文化とGO-GOミュージックを愛する素敵な日本人女性maikoさんによるリアルタイムな現地レポート。日本では分からない貴重な情報が満載です。
このレポートは、maikoさんのブログhttp://route295.exblog.jp/から転載させていただいています。
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Chuck Brownの近況報告
2009-03-25
Chuck師匠のマネジャーさんから師匠の近況についてご一報いただきました。師匠、この上なく大忙しのようです。
まず、
(1)「Theivery Corporation」というバンドと「The Numbers Game」という曲を作ったということ。これはTheivery Corporationのサイトの左側の「VIDEO」というところをクリックするとPVが観られます。爺さん、相変わらずシブいです。
(2)新しいアルバム制作中!!!うわ〜〜、楽しみだ!!!
(3)New Orleans Jazz Festival と、Tom Joyner Cruiseに出演予定
(4)師匠のホームページに行くと、「Music Skin」なるものが購入できるそうです。これは、PC、iPod、iPhoneのスキンらしいです。個人的にiPodとiPhoneはイマイチだけど、PCはシブいかも。
あと、また来日を実現したくて日本にいろいろさぐりを入れているそうですが、景気が悪いためか今のところ良いお返事はもらってないとのこと(残念!)。でも、Chuck氏は今まで以上に大忙しで頑張っているそうですよ。あの年齢ですごすぎます。
とにかくまたアルバム情報や来日情報が入り次第、連絡くれるそうですので、その際にはまたここで報告します。
Chuck is coming to JAPAN!!
2008-01-09
皆様、長らくお待たせいたしました。笑
マネジャーさんから嬉しいお知らせです。Chuck爺さんの来日がついに決定。
2月16、17日:東京 Billboard Live
2月20日:大阪 Billboard Live
時間やチケットなどの詳しい情報はまだゲッツしていないので、後ほど...
Chuck Brown's New Video --- The Party
Roll
2007-12-19
チャック爺さんのマネジャーさんから、ホリデーのご挨拶メールをいただきました。
「日本のファンの皆さんに、是非このビデオを観てほしいので伝えて下さい」とのメッセージ付き。
新しいPVはこちら。
はっきり言ってかなり爆笑。演出がシブすぎる!爺さん、シブすぎる!
後ろでJUJUも叩いてます。George
Clintonも出て来ます。最後の方でステージで踊ってるおじ(い)さんは、かの有名なDC元市長のMarion Barry氏(このページの「歴史」というところを参照)。
爺さん、頑張って長生きしてください。100歳までパフォームし続けて下さい。
というわけで、爺さんのマネジャーさんから、Happy Holidays!!ビデオをお楽しみください。
Chuck Brown "Block Party" Video
2007-07-23
Godfather of
Go-Goこと、チャック爺さんの最新ヒット曲、"Block Party"のビデオです。
さりげにE.U.のJUJUが後ろでドラムを叩いていたり、最後にSugar Bearが登場したりします。笑
今年の夏はまだゲトーのクックアウトに行ってないけど、きっとこの曲が流れまくっていることでしょう。
ビデオを観るにはここをクリック。
We're About the Business
2007-05-04
またまたChuckネタ、Go-Goネタです。すんません(汗)。
出ました、Chuck氏の新譜、「We're About the Business」。
ゲトーの服屋さんでアマゾンよりも安くCDを売っていたので、買いました。
かな〜りよいです。へビロテです。
毎日ゲトーを徘徊するたびに、通りすがりの車の中からこのCDが聴こえます(笑)。
やっぱりChuck氏は愛されてる、支持されているんだなぁと実感しているところ。
今年の夏は、ゲトーのクックアウト(バーベキュー)でChuck氏の「Block Party」がかかることは間違いない!
もうすぐ日本に行くようなので、日本の皆さんもサポートお願いしマース。
Chuck氏のマイスペはこちら。
Chuck Brown in NY
2007-04-10
Godfather of Go-GoことChuck
Brown氏のマネジャーさんからライブ情報のメールをいただきました。
NY(もしくは近辺)在住の方は是非是非おでかけください。
最近Chuck氏はDC Lottery(宝くじ)のCMでも活躍中。彼のバックではJUJUもドラムを叩いています。笑
前回、Sugar Bear
(E.U.)に会いに行った時に、E.U.の前座をつとめていたのが、Lady Rhythmという女性のみで構成されるバンド。
実はこのバンドのキーボード、Sweet
Cherie嬢はE.U.のキーボードでもあり、Chuck
Brown氏のキーボードも務めているスーパーウーマン。
彼女達の演奏は初めて聴いたのだけど、R&B、Funk、Go-Goといろいろ幅広く演奏し、何よりもヴォーカリストのMiriamm Wright嬢の歌声は素晴らしかった。はっきり言ってビヨンセと競るのではないかぐらいの勢いで、彼女の歌声に酔いしれるオーディエンスも多かった。私も鳥肌がバシバシたつぐらいの彼女の迫力に圧倒され、ライブ後、彼女に話しかけたほど。この彼女、160センチあるかないかの小柄な女性なのだ。
「DC出身のミュージシャンは成功しない」とよく言われるが、彼女達にはオリジナリティを忘れずにガンガン飛ばして行ってもらいたいと思う。
Lady
RhythmのHPはこちら
Lady
RhythmのMySpaceはこちら
注:マイスペに彼女達のライブの様子が載っているけど、映像(音声)が悪いため、彼女達の良さがまったくわからないので、あしからず。ちなみにこのライブに私も行った。
昨晩もE.U.に会いに行って来た。
到着するなり、いきなりJUJUが「オレ、日本語喋れるんだよ。知らなかっただろ?」と胸を張って言ってくるので、「ほんとに?じゃ、話してみて。」と言うと...
「あいうえお、かきくけこ、さしすせそ、たちつてと、なにぬねの...」
と、めちゃくちゃ早口言葉で「ら」行まで。笑
「日本大好きなんだよねぇ」と言いながら、日本で小錦に会った、とか、日本のドラム関連雑誌に載ったことがある、とか、思い出話をしてくれた。
「いつかまた日本でライブをする可能性は?」と聞くと、「I hope so. (いつかできるといいなぁ)」と笑顔。
ほんっとーに、いつか実現するといいなぁ....
話は変わって、Go-Goがどんなビートかわからないという人は、「gogoradio.com」というサイトに行くといろんなGo-Goが聴けるので是非!
gogoradio.comへはこちら!
ページ真ん中の左側にある「Click to listen now」というところをクリック。もし音楽が聞こえない場合は、ブラウザーのCacheをすべて削除すると聴けるそうだ。
二日連続のGo-Goライブのおかげで、寝てる最中も頭の中でGo-Goが流れていた(笑)。シアワセなことだ。
Go-Goの有名バンド、言わばレジェンドのひとつ、E.U. (Experience Unlimited)のライブに先ほど行って来た。まだできたてほやほやのホットな情報!
前回のGo-Go Awardsでは演奏の撮影を禁止されていたので、生のライブを撮影できず、とってもフレンドリーなE.U.のSugar Bearにお願いしてライブを撮影させてもらうことになった。
E.U.は今でも毎週水曜日に「Meeting Place」という地元のバーでライブ活動をしている。ここでの彼らのライブには以前行った事があったのだが、その当時に比べてものすごい客の入りだった。知り合いでもある、Chuck Brownの元ドラマーの彼に聞いてみたところ、最近このスポットでのE.U.のライブはものすごい盛り上がりだとか。
とにかくバンドの皆さんに軽くご挨拶をし、皆がセッティングするのを眺めていた。特にあの有名なJUJUがドラムのセットアップをするのを眺めながら、「これが知る人ぞ知る、あのJUJU様なんだよなぁ」などと、ひとり感動していた。しかも彼もChuck氏に負けずとシブい!!
待ちに待ったパフォーマンス開始。まずはクリスマスに亡くなった、Godfather of Soul、ジェームズ・ブラウン氏に敬意を表す。「彼があってこそ、今の我々があるのだ。Rest In Peace」とSugar Bear。
そして最初はR&BのGo-Goリミックスというスローテンポなスタート。こないだSugarBearが言っていたけど、どんな曲でもGo-Goのビートに乗せると本当にその味が倍増する。
(写真:Sugar Bear)
だんだんと客も増え、バンドメンバーの間にまで踊りながら乱入するほど、フロアはごった返しになった。すごい熱気。
E.U.のバンドメンバー、とにかく皆それぞれがとても多才。そして、毎週やっているライブにも関わらず、本当に演奏を楽しんでいるのがわかる。
しかも、毎週やって慣れていることからか(?)、演奏中の彼らの余裕はすごかった。JUJUは片手でドラムをたたき、タバコを吸ったりハンバーガーを食べ、キーボードのCherie姐さんも演奏しながらチキンを食べていた。さすがの余裕。前回のここでのライブでも思ったけれど、本当に温かい所帯染みた感がある。お客さんとバンドが一体となって、一緒に演奏し、一緒に楽しんでいる、そんな雰囲気。だから、演奏途中にバンドメンバーに食べ物や飲みのもを運んできたり、話しかけたり、抱きついたり、そんなことも平気であるのだ。
(写真:タバコを吸いながらドラムを叩くJUJU)
ライブも中盤を迎え、だんだんとゲト〜〜〜なビートになっていく。Go-Goの曲の他にも、今日のライブで演奏されたGo-Goリミックスは(私が思い出せる限りで)、例えば、
50 Centの「In da club」
Snoop Doggの「Drop it like it's hot」
Jim Jonesの「We fly high」
Beyonceの「Irreplaceable」
Jay-Zの「Show me what you got」
Robin Thickeの「Lost without U」
どれもオリジナルよりかなりよかった(本音)。そして!やはりジェームズ・ブラウン氏追悼の意をこめて、彼の曲のメドレー。シブすぎる!!!
途中で輩が目の前で殴り合いの喧嘩を始めたり、サウンドシステムが落ちたりしたのだけど、そんな時でもSugar Bearは素敵に対応。喧嘩もすぐにおさまり、サウンドが落ちてる間は即興でいろんな演奏をしてくれた。さすがだよ、Sugar。
最後のしめはもちろんE.U.の「Um Bop Bop」。Sugar Bearが狂ったように雄叫びするところは何度聴いてもサイコー!
そして!!以前からど〜〜〜〜しても話したい!!と思っていたJUJU氏に接近。「日本では未だにあなたやあなたのバンド、音楽について熱く語っているファンがいるんですよ」と言うと、「そうなんだね。嬉しいよ。」 「オレは昔、SMAPやToshi Kubotaと一緒に演奏したことあるんだよ。」と言っていた。そんなこんなで話がはずみ、な、なんと彼の自宅&携帯の番号をいただいてしまった。「オレのナマエは、J・U・J・U(じゅーじゅー、とゆっくり発音)って言うんだよ」って....知ってますよ!神様みたいな存在なんだからっ!!!
というわけで、ライブ終了後、素敵に汗をかいた、ちょっと宇崎竜童似(笑)なシブいJUJU氏から日本のファンの皆さんにポーズ!
「Go-Goはナマで聴かなきゃGo-Goじゃない」と、Go-Go Awardsで誰かが言っていたけどその通り。このビートとノリと温度は、CDを聴いたり言葉で表現しても絶対に半分も伝わらない。
「どうもありがとう」と帰り際に御礼を言う私に投げキッスをしてくれたSugar Bear(名前通り超スウィート)。明日もE.U.のライブに撮影に行ってきます。
なんと!史上初のGo-Go Awards(11月19日開催)に行ってきました。
Go-Go誕生から30年近く経ってようやく初めてのアウォードが開催され、我々もさっそくメディア・パスをゲットして参加してきました。もっとかなり混沌とした状態かと想像していたのですが(失礼)、思ったよりもきちんとオーガナイズされていました。
この日はめちゃくちゃ気温が低く、凍える中、外でアーティストの皆さんをひたすら待っていると、なんだか遠くの方からオーラが...
そうです、あの方です。Godfather of Go-Go、Chuck Brown氏。しかもお隣にはあのTrouble FunkのRobert Reed氏もお揃いで。
(左:Robert Reed、右:Chuck Brown)
しかしお二人、眩しかったです(笑)。Chuck氏はこう見えても70歳を越えていて、体もがっちりしていて素敵な風貌でした。トークもとてもスムーズでファンの皆さんと和気あいあいと団らんしていました。この後、お二人とも快く我々のインタビューに応じてくれ、Go-Goの歴史についてなど貴重な情報をGURUから聞く事ができ、かなり感動しました。
そうしていると、どこかで見た事あるブラザが登場。ボクシング好きの方なら知っていると思いますが、我らがホームボーイのSharmba Mitchell(シャンベイ・ミッチェル)です。ボクシング狂の私はこの時点でますます興奮。Sharmba氏も快くインタビューに応じてくれました。ありがたいです。
(左:Chuck Brown、中央:Sugar Bear、右:Sharmba Mitchell)
このようにアーティストの中にはファミリー全員を連れてくる方も多かったです。ブラックならではのことですね(笑)。
恭しくレッドカーペットも敷かれ、皆さんこぞってドレスアップしたり、決め手のピカピカのスニーカーで登場したり、とにかく皆さんお洒落かつフレイバフルで、彼らのファッションを見ているだけでも楽しめました。
と、前回のハワード大学の学園祭でも遭遇したRaheem DeVaughn氏がここにも。思いっきりアプローチしてインタビューに応じてもらいました。ボブ・マーリーのネクタイがシブいですね。
そうしてレッドカーペットも終わり、ついにパフォーマンス&受賞です。パフォーマンスは...
ほんっとにヤバかったですっっ!!!
あ〜〜〜、やっぱりGo-Goってイイっっ!!!チョコレート・シティに住んでてヨカッタ〜〜〜!!!
E.U.のパフォーマンスの最中に、Sugar Bear氏が「What's the best part of the city?(この街で一番サイコーな場所は?)」とシャウトすると、観客全員大盛り上がりで「S.E.(サウスイースト)!!!」と答えるのでした。ゲトーなノリのGo-Goにふさわしく、DCでも最もゲトーなS.E.をレペゼンです。
今までにもChuck BrownとE.U.のパフォーマンスは生で聴いたことがあったのですが、この日の迫力はすごかった。後でE.U.の楽屋にずうずうしくおジャマしてイン タビューさせてもらったのですが、「やっぱりホームタウンでこれだけの人数のファンの前で演奏するのはすごく感慨深い。本当に今日という日が訪れてシアワセだ。」とSugar Bear氏が言っていました。
Go-Goが発祥してこれだけの年月が経っているのに、なぜHip Hopのようにもっと全国的、世界的にメインストリームになっていないのか?DCではこれだけ支持されていて、どこに行ってもGo-Goが流れ、流行のHip HopもかならずGo-Goリミックスがラジオで流れるほどなのに。
「It's long overdue.(Go-Go Awardsはもっとずっと前に開催されるべきだった)」
インタビューに応じてくださったGURU達(Chuck Brown、E.U.、Rare Essence、Trouble Funk)が皆口を揃えて言った言葉...
「But we're so blessed to be here(でも今日ここにこうして参加することができて本当に有り難いよ。」
“Go-Go(ゴーゴー)”と聞いて、日本人が連想するのは、おそらく“ゴーゴーダンス”だろうか?
“Go-Go”とは、30年ほど前にワシントンDCで生まれた音楽ジャンルの一つ。
ネットで調べたところ、“Go-Goとは、1970年代中頃〜後半にワシントンDCで生まれたファンク・ミュージックのサブジャンルで、Chuck BrownがGo-Goのゴッドファーザーとして知られている”と定義されていた。
“Chuck Brown”と聞いてピンとこない人でも、きっとブラック・ムービーをよく観る人なら、有名どころのGo-Goのビートは聴いたことがあるはず(例:Bustin' Loose - Chuck Brown、Pump Me Up - Trouble Funk)。
私がGo-Goに出会ったのは(映画やラジオなどで聴いた以外に)、このチョコレート・シティ(人口の80%近くを黒人が占めることから、ワシントンDCはチョコレート・シティと呼ばれている)に引っ越してきた夏。道行く車から鼓膜が破れそうな勢いではじけるパーカッション。第一印象は「何てゲトーなビートなんだろう?」(笑)。Go-Goを一言で表現するとしたら、「Raw(粗野な→イカした)」がぴったり。
Go-Goはまず、コンガなどのパーカッションが効いているのが特徴。想像できない方は、Amerieの「1Thing」、Beyonceの「Crazy in Love」、Jill Scottの「It's Love」のビートを思い出してみるとわかりやすいだろう。
世界を征服しそうな勢いを見せるHip Hopも、もちろんここでは莫大な人気を得ているが、いわゆるオールド・スクールなGo-Goは今でも根強く地元市民に浸透しているのが事実。
ワシントンDC(もしくはメリーランド州)のフッドに行けば、必ずどこかから聞こえてくるのがGo-Go。フッドのパーティーでは必ずGo-Goが流れ、Hip Hop(特に最近のもの)では首を立て振りにしているだけの人たちも、Go-Goが流れると途端に踊りだす。基本的にGo-Goは、“好き”な人と、“嫌い”な人に極端に分かれるらしいが、私はまぎれもなく“好き”な部類に当てはまっている(笑)。
2年ぐらい前の夏、キャピタル周辺を何となく歩いていると、どこかで聞き慣れた歌声とビートが...その出所をたどってみると、Godfather of Go-GoのChuck Brown氏が野外ライブをしているではないか!!通常、キャピタル周辺は白人の方が多いのだが(観光客が多いため)、ライブの観客は真っ黒+白ポツリポツリ+黄色ポツリ(=自分)。このイベントのために全身コーディネイトしてきた人もいれば、通りすがりの人、ホームレスの人たち、みんなが一丸となって踊って歌っていた。
不思議な縁で、Chuck Brown氏のバンドのドラマーと知り合いだった相方と私は、ちゃっかりバックステージに入れてもらって同氏とご対面。もうおそらく70歳近いと思われる同氏は、年齢を感じさせない引き締まった肉体美とセクシー度抜群。さすがゴッドファーザーと呼ばれるだけはある貫禄。
Go-Goのミュージシャンでひとつ気づいたことは、やけに庶民じみているところ。有名になったとたんにリム付きの高級車を乗り回し、ブリンを買い込むHip Hopアーティストと違って、Go-Goミュージシャンは、いつまでたっても“コミュニティの一員”。言わば、ステータスが変わったとしても、“隣のおじちゃん”的存在であることは変わらないのである。
Chuck Brown氏はもちろんのこと、他にもGo-Goバンドとして有名な、E.U.、Rare Essenceは、今でも地元のクラブやバーで定期的にライブを行っている。私が出向いたのは、E.U.(featuring Sugar Bear)のパフォーマンス。何の変哲もないフツーのバーで週一回演奏しているよう。この、とあるバーに行った夜まで、私は恥ずかしながらSugar Bear氏の顔を知らなかったのだが、隣のテーブルで口いっぱいにフライドチキンをほおばっていたおじさんが、汚れた手を拭き拭きしながらステージに上がった時にはぶったまげた。と同時に、なんだか温かいキモチになった。
もちろんそのバーの客も99.9999%が真っ黒だったのだが、Hip Hop主流の若者が大半を占めるクラブとはまたひと味違い、もっとディープな、例えてみると、「市民館のカラオケ大会」っぽい風情があった。というのも、皆さんん常連客のようで、お互い顔見知りなだけでなく、Sugar Bear氏とも知り合いのようだった。
Go-Goを聴いたことがある人ならわかると思うが、全体的にディープでダーティーでナスティな感が強い。それでも、私個人的には、ブリンやホアーやアスであふれかえっている近頃のラップよりも、Go-Goのダーティーさの方が愛着がわいてしまうのだ。
あのパーカッションを聴くと、自然と体温が上がる。私の一部に確実に組み込まれて切り離すことはできない。それが、私にとってのGo-Goミュージックである。