4月6日(水)

3月18日、日本へ買い物紀行の旅にでた。
別にモスクワにいても、9年前ほど買い物に困るわけではない。
売っているものは色々うっている。

しか〜し!!なんだか、日本食がたくさんないとやるせない。
淋しく、空しい。
あびとのお弁当も日々の献立も同じようなものが並ぶ日が続いてしまう。
魚の種類もないのが、また心もとない。
それで・・つまり、贅沢の極みなのだが、日本へ日本食を買いに行くことにした。

いろいろな航空会社を調べてみると、アエロ・フロートは安いが、荷物の重量制限、たったの20キロ。それを超えると、きびしぃ〜く超過料金を徴収される。
次に安かったのがフィン・エア。たったのモスクワ・関空往復、たったの600ドル。でも制限重量40キロ。

さて、全日空様。モスクワ・関空往復900ドルではあるが、制限重量50キロというのは、名目なり。
いくらでも持って行ってもいいし、持って帰ることが出来る・・・と、全日空に勤めるロシア人のお姉さんに聞いた。

これは。これは。またとないチャンス。ヘンヘンの本を持って帰ることも、ドゥニャンのひ・み・つのお宝もごっそり荷物となる。

絶対に全日空だ。

いっぱい信じられないほどの荷物を積みこんで、スワッ!!シェレメーチェボ2へ。

パスポート・コントロールを越えると、全日空のカウンターあり。
そこで、重量が測られた。

「制限重量をかなり越えているんですけど・・・。」
と、日本人女性のか弱い言葉。
「いえ、チケットを買う時、いくら持って行っても大丈夫って、いわれました。あれは、一体嘘なんですか。」
すると、男性の全日空社員の方が出てきて、
「いや、いいんだよ。いいんだ。お通しして・・・。」
「そうでしょ。そうでしょ。じゃ、行って来ま〜す。」
「行ってらっしゃいませ。」


こうして、モスクワ=関空はうまく行った。





さて、帰りの荷物。事前に何キロの荷物があるか、知らせてくれれば、いくらでも持って行っていいとのこと。問題はモスクワの空港に入ってから、50キロ以上の荷物があると、そこでトラブるかもしれない。と、全日空のロシア人のおねえさんに教えてもらっていた。



でもぉ!!ドゥニャンはシェレメーチェボでのトラブルの予想にも関わらず、ぐっすりと買い込んだ。
カウンターで預ける荷物だけでも85キロある。(関空=モスクワ)
だから事前に日本で電話してみた。
「お預かり出来る制限重量は30キロということになっております。85キロはとても・・・。」

とても・・・のあとに、図々しいにも程があると、いう行間の言葉が滲んでいる。


「エッー。そんな馬鹿な!!モスクワでは、いくら荷物を持って行ってもいいって言われたのにぃ。そんなのだったら、フィン・エアにするんでしたよ。安いし、40キロの荷物が持てるんですよぉ。」
(ドゥニャンは交渉に関しては常に強気だ。)
「モスクワまで問い合わせまして、後程お答えいたしますので、どうぞお待ちください。」
「そうですか。モスクワで言われたことと、違っていちゃ困るんですよね。」
「はい。わかりました。」
電話の向こうでの微妙な力関係の交代が、手に取るように分かる。(へっへへ・・・)


後でかかって来た電話で、「今回」に限り85キロの荷物を認めるといわれた。


さて、4月1日当日。ドゥニャンの荷物は手荷物だけでも25キロに膨れ上がっていた。
関空の全日空カウンターで、荷物を預ける時、係りのお姉さんから、
「制限重量20キロなんですけど・・・。」
と、またぞろ言われた。
「おかしいなぁ。85キロはOKってことになっているんだけどなぁ。」
「お調べします。」



「吉田様ですね。はい。>今回<、お預かりする荷物は85キロとなっております。まだ、少しだけ余裕があるようですが・・・。」
「は!!」(頭の中にあわよくば、重い手荷物も・・・と、電光石火のごとく閃いてしまったのだ。)
「それじゃあ、この荷物は駄目かな。」
と、25キロの荷物を見せてみる。
「いえ、あのぉ・・・・。」
お姉さんは、言葉も出ないようだ。
「この大きさは手荷物としてはいけないものなんですけどぉ。」
「はぁ。・・・・・」


しばらくドゥニャンと係りのお姉さんの間に、緊迫した空気が漂った。
でも、こんなことでひるむドゥニャンではない!!
この荷物、どうしようもないと言われてしまったら、
「こまっちゃうなぁ。どうしようかなぁ。この荷物・・・。」
と、くらい言っちゃおうと、思っていた。




しばし顔を見合わせていたら・・・。
「今日は空いていることですし、手荷物としてお持ちいただけますか。」
と、きた。



ヤッター!!



後はモスクワの空港で・・・・。



ハア〜〜。気が重い。

どう言えばいいのだ。110キロもある荷物。
運を天に任せるか。交渉術を駆使するか・・・。



どうしよう・・・。


さすがのドゥニャンも気が重い。昨夜、寝る前からそのことしか考えていない。



なんとかなるかなぁ。それとも、いちいち多すぎる荷物を調べられてエライ目に会うのかなぁ。
ロシアの人は子どもに弱いから、子どもたちが病弱で、肉は食べられない・・・日本食は必需品なのだと、言ってみようか。それとも超過料金のお金を税金として払うか。
或いは、ゴネルか。
「人の荷物にイチャモンつけるのかぁ!!」
と、一喝しようか・・・。


それにしても・・・。恨めしい重い荷物・・。



パスポート・コントロールは、とっても長い時間かかった。周りの日本人に荷物の一部を持ち出してもらえないかと、お願いした。
一人の優しい日本女性が、承諾してくださった。


それでも、

荷物は80キロはある。


エエ〜イ!!ままよ。
仕方ない。どうしても持って帰ってやるぞ!!と、こころの中で一人息巻いていた。




鼻息も荒く、荷物チェックのところに持って行くと、
やる気のあまりなさそうなお姉さんが、
ほとんどチェックもせずに、すんなり。


最後の荷物など、キャリアーに乗ったまま。


お姉さんは途中でどこかに行ってしまった。


スワっとばかりに、その荷物を乗っけて空港からドロン。


モスクワの空は快晴で暑いくらいの陽気だった。



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