ボリショイ劇場 シルフィーダ


1999年5月16日(日)

配役
シルフィーダ:ナジェジュダ・グラチョーヴァ、アンナ:I.ドミトリエヴァ、ジェイムズ:エフゲニー・ケルン、エッフィ:アナスタシア・ヤツェンコ、メッジュ:S.ティグリョヴァ、ナンシー:N.ラピツカヤ、グルン:アレクサンドル・ペトゥホーフ

台本:A.ヌッリ、F.タリオン

指揮:フアット・マンスロフ

演出:アレグ・ヴィノグラードフ(ブルノンヴィル/ローゼン版)



一幕、スコットランドの農民のあばら屋。結婚式の前日、ジェイムスは椅子にすわってうたたねしていると、妖精シルフィーダの夢をみる。彼は妖精に触れようと後を追うが、逃げられてしまう。目をさましてもシルフィーダのことで頭がいっぱいのジェイムズの前に婚約者エッフィ、そして客たちが現れる。明るく楽しいダンス。若者に結婚式のマフラーがプレゼントされる。そこへ魔法使いメッジュが現れる。エッフィは自分たちの結婚が幸せになるか占ってもらうが、魔法使いはエッフィが結婚するのはグルンだと予言する。ジェイムズはメッジュを追い払いエッフィを安心させようとする。一人になったジェイムズのところへふたたびシルフィーダが出てくる。彼は翌日結婚するのだというと、シルフィーダはもし自分を愛してくれないと死ななければならないと告げる。彼は愛を約束する。 二人が親しくしているところをグルンは目撃する。そして他の客たちに自分がみたことを話し、シルフィーダがショールの影に隠れているというが、そこには何もなく、エッフィは怒り、他の客たちは嘲笑する。ジェイムズはシルフィーダのことで頭がいっぱいのままエッフィと踊る。ジェイムズ以外には目に見えないシルフィーダも踊りに参加し、結婚指輪を奪ってにげてしまう。ジェイムズも彼女のあとを追っ手でていってしまい、エッフィは当惑する。

二幕、魔法の森の中。シルフィーダの心をしっかりつかみ続けるため、ジェイムズはメッジュの魔法がかかったマフラーでシルフィーダをくるむ。するとシルフィーダの翼がもげ、それとともに命も失う。ジェイムズは絶望する。とおくにエッフィとグルンの婚礼の行列がみえる。

1832年3月12日初演の歴史あるだしもの。2幕、シルフィーダの仲間が現れ、さまざまなポーズをとり静止する場面がみどころなのでしょうか。とってもきれいなカメオのよう。時間が短く全体の話も単純だけど、バレエのハイドンというか、その後のバレエに拓かれる地平がつまっている。ジゼルやフォーキンのレ・シルフィードはもちろんシルフィーダなしにはありえない。当日のプリマ、グラチョーヴァはよく踊っていた。が、どうも妖精という雰囲気では全くなかった。テクニックだけの人じゃないのだけど、もうちょっと役にはいりこんで欲しい。役になりきれないほど個性が強い訳でもないのだから。


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