スタニスラフラフスキー&ネミーロヴィチ=ダンチェンコ音楽劇場 くるみ割人形


1999年2月12日(日)

配役:マーシャ:ナターリア・レドフスカヤ、王子:ヴィクトル・ディク、ドロッセルマイヤー:アントン・ダマーシェフ

指揮:ゲオルギー・ジェムチュージン

演出:ヴァシーリー・ヴァイノーネン

演出再現:ミハイル・クラピーヴィン




キーロフ劇場(現マリインスキー劇場)でのヴァイノーネン(1901−1964)演出をクラピーヴィンが95年にダンチェンコ劇場で再現して以来、よい評判なので、早く観たいと思っていた。全体的にはこの劇場特有の演劇的要素を多くとりいれたもので、ボリショイと違って、ストーリーに沿って劇を見ているようになっている。主人公のマーシャが、ねずみの王様を倒して、くるみ割り人形の王子と会うところから、やっと本物のプリマが出てくる。それまでは、子どものマーシャ役が、マーシャを演じている。

レドフスカヤのマーシャは、とても良かった。レドフスカヤが出てきた途端、舞台が引き締まり、オーケストラの音まで良くなった。大輪の花が花弁に露を伴って舞っていた。どのポーズもどの動きも洗練され、完成されきっている。
前回、ボリショイのアナニアシビリを見ただけに、これは、ちょっと気の毒かなとも、思ったのだが、とんでもない。大輪の花は、あでやかに華やかに舞ってくれた。そんなに出番の多くないマーシャだが、観客の目はマーシャに釘付けにされた。
軽やかでいて、誇り高い品格のある舞。それが、今回のレドフスカヤの踊りだった。 ダンチェンコのプリマここにあり!!と、見せてくれた。



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