スタニスラフスキー&ネミーロヴィチ=ダンチェンコ音楽劇場 ジゼル
1998年10月20日(日)
配役:ジゼル:ナタリヤ・レドフスカヤ、王子:ドミトリー・ザバブーリン ミルタ:K.アミーロヴァ、ガンス:A.ドマーシェフ
指揮:V.モイセーエフ
演出:M.プティパ、G.コラッリ、J.ペッロ
演出再現:T.レガート
一幕では、ジゼルは村人にやつした王子アルベルトと恋におちいるが、純粋で無垢なジゼルが王子との恋を楽しみ、その喜びを表現する。しかし、ジゼルを愛する狩人のハンスがアルベルトは実は王子であるということを王家の紋章のついた剣を示して、ジゼルに身分違いの実ることのない恋を悟らせようとする。ところが、それを信じたくないジゼル。そこへアルベルトの本当の婚約者が表われ、ジゼルは現実を知り、自分の恋が実らないことがわかり、気が狂って死んでしまう。
二幕では、死んでしまったジゼルは妖精となり、他の妖精とともに墓地で夜を徹して踊り明かす。真夜中にその妖精たちに出会った者は踊り疲れて、妖精たちにころされてしまう。
ジゼルを愛するハンスは殺されるが、王子アルベルトが悲しみのあまり、深夜墓地をもうでたとき、妖精の魔の手から、ジゼルはその深い愛ゆえに王子を守りきる。
一幕目のジゼルは村娘の陽気な初めての恋を恥ずかしげに楽しんでくれると思いきや、最初から神経質でひ弱な死に行くジゼルを予感させてしまうので、プリマの表現力を疑ってしまった。村娘にしてはか弱すぎるし、最初から悲しすぎる。
二幕目に入って、ジゼルと妖精たちの踊りが素晴らしく美しかった。特に妖精たちが長く真っ白なコスチュームを扇方に広げるように足を上げて舞う様には、ため息が出た。妖精になったジゼルもはかなげでしかも王子に対する強く深い愛情を感じられ、王子とのパ・ド・ドゥーでは、消え入るような軽やかさが悲しみと美しさを誘ってえもいえない境地へと導いてくれた。
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