電話078-303-5201 住所：神戸市中央区港島中町　6-10-1　ポートピアホテル31階
ランチ11:30〜14:00 (L.O.)、ディナー17:30〜21:00 (L.O.)　土日ディナーは17:00〜21:00　
定休日：なし

ポートピアホテルの31階

2010年7月

点数による評価はこちら

前回(1997年1月)の点数は＜６、２、２＝10点＞

2012年3月で閉店

食べたもの

◎根セロリのクレーム　鮪ムースのシガー　グリュイエールチーズのスティック

◎近海産アジのスモークとグリーンアスパラガス　トリュフ風味のヴィネグレット

◎ブレス産ホロホロ鳥胸肉とフォアグラ、腿肉のコンフィ　ローズマリー風味とサマーセップ茸

◎マコガレイのポワレ　鮎のフリット

◎チョコレートのクロカンにプラリネクリームとピーカンナッツのカラメリゼ

◎小菓子

• 2009年ボキューズ・ドール日本代表、佐々木康二が2008年よりシェフをつとめる。彼は上柿本シェフ時代にアラン・シャペルで研鑽を積み、長崎のエリタージュを経て料理長として「凱旋帰国」。 いわばこのレストランの起死回生のエース。

• 昼のコースは2つ。

  4800円(アミューズ、前菜、メイン1品、デザート、お茶)

  
  

  6000円(アミューズ、前菜2品、魚料理、肉料理、デザート、お茶)

  
  前菜は3種類、メインは魚2種類、肉2種類、デザートは6種類から選択できる。
  それぞれに税5%、サーヴィス料10%が加わる。

  昼に夜のコース、アラカルトを頼むこともできる。詳しくはお店のHPを参照。

  名シェフの登場とのことで期待していったが、まずはメニューをみてがっかり。メインの肉料理の選択肢は豚か牛。ランチメニューなので鳩やウサギとはいわないが、フランス料理店なのだから鴨か羊が載っていて欲しかった。豚料理はフォアグラとのパテなので魅力がないわけではないが、寂しすぎ。
  主な対象は「フランス料理の名店だから」訪れる客ではなく、「泊まったホテルのレストランがここだから」来るお客さんにシフトしてしまったみたい。それではシャペルの名が泣く。

  というようなことを言うと、厨房と相談してくれて、プラス2000円で羊料理に、プラス1400円でほろほろ鳥料理に替えられるとのこと。羊料理については詳細がわからないが、後者についてはアラカルトにあるものと同じとのことでそれを選択。詳細がわからない料理にプラス2000円とるってどうよというような不安は、料理がはじまるとすぐに消えた。

  アミューズは根セロリのエッセンスを十分な量のキャヴィアと共に味わうもの。マグロムース入りのシガーもどっしりとしており、「本場」を感じさせた。フランス料理はまず量に圧倒されるもの。

  前菜のアスパラ料理では、大地の食材の潜在力を存分に引き出すというシャペルの考えが味として再現されていた。量はたいしたことがないし、あまり手を加えているようにもみえないが、アスパラの甘さとオリーヴオイルとレモンのヴィネグレットが合わさり、とても色彩的な味わい。

  メインも同じく21世紀のシャペル料理。胸肉にフォアグラをたっぷりと詰め、ほろほろ鳥のジュで味わうシンプルなものと、腿肉をセップやごぼう、満願寺唐辛子などの「自然」の恵みと共に味わう趣向。

  デザートはアイスやフルーツスープ、マスカルポーネのクリームなど選択肢が多彩だが、敢えて一番重いものを選択。これも正解。見た目はほとんどプラリネクリームだけという感じだが、これがおいしく、またクロカンが十分に生きている。底には小さなスポンジケーキ、お皿の淵にはオレンジソース。二つか三つのデザートを食べたような食後感であった。
  さらに、ミニャルディーズが通常よりヴォリュームがあり、小さなケーキをいくつかいただいているような気分になれる。

  サーヴィスについて。支配人はフランス料理の現場にあまり慣れていないような感じ。メインの肉料理について上述のやりとりの際に、まずは「メイン1品のコースを魚料理として選び、さらに肉料理をアラカルトとして加えてはいかが」という量的にも値段的にも現実的とは思えない提案があった。だが、休日にはシェフについて食材生産者巡りをしているなど、一所懸命さが伝わってくる雰囲気。サブとして、一寸の隙もないけれど、暖かみを感じさせる長身の一流ホテルマンが控えている。

  以上のように一流の内容を備えているレストランに復活しつつあるように思えたが、客席はガラガラ。98席だが10%の入り。よい評判が広がり、名実共に復活して欲しい。

  会計は1人で6444円。内訳はコース料金(4800円)＋メイン追加料金(1400円)ーカード会員特典10%割引(620円)＋税5%(306円)＋サーヴィス料10%(558円)。

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