2000年10月16日月曜日 更新

2000’ スイスツアー

スイスツアーの模様をレポートします。


今回のレポートは嘉瀬さんにお願いしました。今までと違って詳細に書かれています。ツアーに参加された人もあそこは、○○ってエリアだったんだ!!と気付かれるかと思います。画像は後で追加します。

  2000年 eX スイス・ツアー

2000年6月29日〜7月8日 総勢24名による eX スイス・ツアーに参加した。私はスイス訪問7回目ということもあって、ナビゲーター、通訳、兼、添乗員でもあった。

6月29日(木) 晴
先発隊19名、16時成田集合 18時30分発 香港経由 チューリヒへ向かう。

6月30日(金) 晴
ランディング早朝 6時05分 チューリヒ着
6時40分 ベンツのレンタカーを連ねてアッペンツェルへ向かう。同所で昼食。
パラテック社オーナー Migg Lenz の迎えを受け、ヴェッサーアウエンの Hotel Bahnhofへチェックイン後、ロープウエイで、EbenAlp頂上駅(1644m)へ登る。
そこからさらに少し歩いて登ったところからテイクオフ。高度差700メートル。LDはホテルのそば。
サーマルが無く、殆どブットビでも13分飛んだ。全員無事テイクオフ。
マロニエの木陰でビールを飲んでから、もう1本。17分。
皆はブットビの中、島野さんは谷の反対側の壁にとりつき高く高く上げてソアリング、さすが!
久保田さんはその壁に低くとりつき、駄目かと思ったのに、やがてじりじりと上げ、最後には高くソアリング。ベテランの味を披露した。
尾崎さんがTOの吹き流しをなぎ倒した。曲げたパイプを皆で修理。
夜8時からホテルで会食。Migg Lenz も加わり、大いに呑む。スイスの「Dole」ワイン旨し。


7月1日(土) 晴/夜雷雨
湖畔のレストランで昼食朝、EbenAlp TO へ上ったが、フォローの風強くダメ。12時下山。
後発隊安田組5名も到着。
昼食は Seealpsee湖畔のレストランでとろうと、50分かけてハイキング。湖の色がなんとも美しい。
湖を見下ろすレストランのテーブルで、ビールとシュニッツェルとフレンチフライドポテト。なかなかの美味。
湖を1周後、山道を帰途につく。湖に反映る雪山、緑の牧草地、のんびりと草を食む牛の群・・・静かなスイスの山奥の風景を楽しみながら、帰りは1時間15分の山道に汗を流す。車2台はアッペンツエル村へ向かった。

左側にテイクオフ16時すぎ Santis 山(2503m)へロープウエーで上がり、T/O point見学。
高度差1500m。頂上の険しさにギョッ!! 下を覗くと思わず股間がひんやりとした。眼下にライン川を望み、その対岸はオーストリア、リヒテンシュタインである。T/Opointまでは鎖のついた岩場下りで、よくこんなところから飛び出すことを考えたものだとびっくりした。
風は良かったが1時間後には小雨が降り出したので、飛ばなくて良かった。夜中には強烈な雷雨と落雷。
今夜も宴会。

7月2日(日) 晴れ夜雷雨
パラテック社朝 Parateck本社訪問後、 Ebenalpより飛ぶ。少しサーマルあり回す。
しかしあまり上がらない。フェーン現象によるダウンバーストが急に強くなり、山浦さん、川島さん大分ショート。
しかし、スイスは嬉しい。麓の牧草地はすべてLDのようなものなので、ショートも全く問題なし。
中村さんがテイクオフの瞬間、サポートした安田さんの首にぶら下げたカメラが、中村さんのキャノピーに惚れ込んだのか、そのエアー・インテイクに入り込み、キャノピーは破れ、飛ばされたカメラは大破して、二人はしょんぼり。
この後の日程で中村さんは機体無しでは済まず、どうしようかと島野さんと安田さんの相談が続く。
(作者注:パラテックで新品を買うか、アドバンスで新品を買うか相談していました。)

佐々木さんが飛んでます


右側にランディングがあります。下降風がだんだん強くなったため Kronbergへ移動。
ロープウエーで頂上(1663m)まで上がるが、風の変化激しく、裏側から5人がテイクオフしたが2人はランディング Jakobsbad(869m)へ届かず、あえなく途中の牧草地に着地。残った者はあきらめてロープウエイで下山。
夜 Migg Lenzの彼女も加え、さようならパーティー。大いにビールとワインを飲む。この夜はサッカー・ユーロ最終戦。イタリア対フランスはロスタイムでフランスの逆転勝ち。フランスびいきのホテル主人は大喜び。


久保田さんは裏側からテイクオフ



7月3日(月) 雨のち曇り
宿の前で記念撮影雨の中、8時発 インターラ−ケンへ移動し12時着。雨は上がったが飛べそうにない。
13時にマイケル Micha Schultzeに会い、イカロス・ショップに案内してもらう。
LDを見て、TOの場所も聞く。中村さんの機体を見て、マイケルが修理可能だという。ほっとする。
丘の中腹のしゃれたマイケルの家を訪問し修理依頼。
夕方になり、飛べそうだと言うことで、マイケルを呼び出し、皆はTOへ。
私は志賀さんとインターラーケン・オスト駅へ。ユングフラウへの行き方をガイドし、お礼の夕食をご馳走になる。
TOへ上がった皆は風悪く、結局飛べず。


7月4日(火) 雨のち曇り
世界遺産の町、ベルン
7時半朝食。8時ホテル駐車場に集合。
天候不良のため10時ホテル発、アドヴァンス工場見学。設備と開発体制の良さにびっくり。
その後30分ドライブして、ベルン観光。強風の吹き荒れる橋の上から、世界遺産のベルン市全景を眺める。
美しい中世の街並みだ。旧市街のスーパーで昼食用にピッツァと水を買い、通りに面した階段に腰掛けて、道行く人々を眺めながら食べる。
14:30集合し、大聖堂の鐘楼に登る。長い長い螺旋階段はこわいこわいであった。
ベルン City Hall 、シンボルの熊を見学。帰途、シュピーツ城見学。ツーン湖の眺めが良く、花園が綺麗。


フォローでテイクオフ8時頃から風が入り、イカロス上部TOよりブットビ。14分。 1202m-->563m 夜8時まで飛ぶ。
そのあと、マイケルが予約してくれた近くのしゃれたレストランで会食。22時ホテルメトロポールに寄る。
久松新婚ご夫妻、中村さん、川島さん、山浦さん、高須さん6人は別行動。8時から19時まで、ブリエンツから登山鉄道でロートホルンに登り、スイス有数の景勝を楽しみ、グリンデルワールド、ラウターブルンネン・トゥリュメルバッハ滝、シュピーツ城、インターラーケン裏山ケーブルなどに乗り大いに楽しんだとのこと。


7月5日(水) 晴
タンデムでテイクオフ4時30分起床。5時出発。5時40分 ビルダーズビルよりシーニゲプラッテ登山鉄道の始発電車で SchynigePlatte駅へ。6時30分着。
この始発電車の切符は頂上レストランでの朝食込みで、地元でも好評とのこと。アイガー、メンヒ、ユングフラウが目の前に雪に覆われて輝き、ラウターブルンネンの滝が足下に小さく見える。
朝食後、20分あまり山道と線路を下る。鉄道の真っ暗なトンネル内ですべり、コールタールがフライトスーツの足にべったり。TOはすごい急傾斜。うっかりすると足がずるずるとすべり、キャノピーを押さえてもらわないとテイクオフ出来ない。

町中の公園がランディングホテル前ホーエマット公園まで約5km、ブットビ19分。1967m-->567m 高度差1400m 。公園上空でまだ700m もあったので街を通り越して、川とインターラーケン・ヴェスト駅の上を一周してからランディング。9時になって、空挺団降下部隊が練習開始。紅白模様のダイビング用パラでスパイラル急降下。まだ飛行中の中村さん、高須さんはあわてて街の手前に緊急ランディングしたが、なんとそこは空軍用空港内。それ以降二人は「空挺隊員」と呼ばれ、暫く話題の中心。志賀さんはスタ沈(テイクオフ失敗)で急斜面を転げ落ち、眼鏡がふっ飛び肘にすり傷。

アイガー北壁給油の後、ベンツの9人乗りレンタカー4台を連ねてグリンデルワールドに向かい、LDを確認後、フィルストへゴンドラで上がる。風が良いので時間は12時を回っていたが、昼食抜きで、直ちにテイクオフ開始。2,168m-->1,034m高度差1,100m。サーマルと雲の吸い上げ強く、ハーネスの揺れが大きい。翼端つぶしで雲の吸い上げを逃れ、アイガー北壁に取りつく。リッジの風で暫く飛ぶ。待望のアイガー北壁を飛べて大いに満足。ランディングまで29分。
全員フィルストより無事に飛びおわり、15時インターラーケン・オスト駅前COOPで昼食買い込み。ブリエンツ湖畔ピクニック・エリアの木陰で昼食。ビール旨し。




17時、ホテル帰着。皆はさらにイカロス上部TOへ。利佳ちゃんはタンデムでツーン湖対岸の壁に取り付き皆に羨ましがられる。
久保田さん、久松さんは2000m以上上げた。増川さんはクルクルとスピンするも無事。
皆は飛びに行ったが、私は若い者にはかなわない。
疲れたのでそれはパスして、レストラン・テラスでピアノ演奏を聴きながら夕食。
グリーンサラダ、ラクレット、キャンティ・クラシコ1本を呑んでいささか酔った。
(作者注、この日は3カ所でフライト)

7月6日(木) 快晴
万年雪をバックにフライト5時30分起床。志賀さんをユングフラウへ送り出し、6時半朝食。7時出発 Lenkへ向かう。
途中、ピカールのバルーンが飛んでいるのを見る。彼はバルーンでの世界一周で有名。その時もここから出発したとのこと。
LD確認後ゴンドラで Leiterli山頂へ。
TOは山頂駅のすぐ傍とマイケルは言っていたのに、重いキャノピーを担いで山道を20分余り歩く。
どうやら30分以内の歩きなら、「すぐ傍」と表現するらしい。テイクオフして少しサーマルで回したがあまり上がらずほとんどブットビ 17分。1943m-->1068m 高度差870m。
この渋いコンディションの中、佐藤社長一人が大きく上げた。マイケルも He dose GOOD JOB !!と褒めちぎっていた。
昼食後、反対側の西向き斜面山頂 Metschberg 1960mへゴンドラとリフトを乗り継いで上がり、マイケルとタンデム・フライト。初めは渋かったが、やがてサーマルを拾い、ぐんぐんと上昇し、高度3,000mを超える。山々が素晴らしい。アイガー、メンヒ、ユングフラウ、マッターホルン、モンブラン、ロープヘルナー、シーニゲプラッテ、ヴェッターホルン、シュレックホルンなどアルプスの峰峰を一望。
十分に景色を堪能した頃風が強くなり、翼端折りでやっとランディング。35分。高度差約900m。
他には、井上さん、松井さんが必死に翼端折りでランディング。TOでは飯野さんが強風にはまり、増川さんはまたクルクル・スピンでTOの吹き流しを撃破。他は諦めてまたゴンドラで下山。
これで井上さんのみ全エリアでの飛び達成。


最後のフライト
帰途イカロス上部TOに上がるが、風が垂れて足の遅い私にはテイクオフ無理。
他の殆どはテイクオフしたのに私は重い荷物を背負って山道を登り引き返した。途中でバテテいたら野下さんが荷物担ぎを代わってくれた。
久保田さんはインターラーケン中央のホーエマット公園まで飛んだ。すごい。うまい。
20時30分、マイケルのガールフレンドが働くピッツェリアでさよならパーティー。いろいろな種類のピッツァとパスタがおいしかった。ビール、トスカーナのカヴェルネ・ソーヴィニオン、グラッパーで杯を重ね大いに酔う。
ホテル帰着は深夜。島野さんはその後さらに友人(カッシー)と呑みに行き、ホテルの鍵を持参しなかったため、戻ってもホテルに入れず車で朝を迎えた。

スイスの風景の美しさは、山の上部の森林と麓の牧草地の緑のコントラストの美しさにある。500年前までは全土ほとんどが森林に覆われていたが、農民が樹木を切り、麓を牧草地にしたとのこと。従って森林は天然であって植林ではないそうだ。



7月7日(金) 曇り/雨
7時朝食。8時チーズ専門店でラクレットとアッペンツェル・チーズを土産として購入。
9時ホテル発。11時チューリヒ空港着。12時グループチェックイン。13時30分ゲートin。14時10分チューリヒ発



7月8日(土) 晴
7時50分香港着。乗り継いで、香港発9時5分成田着14時25分。
ご苦労様。怪我がないのがなによりでしたね。若い連中は丹那の風が良さそうなので、これから丹那に行こうと相談していた。
兎に角、飛ぶのが好きな連中だ。
17時30分帰宅。暫く振りの日本食。夜はまたワイン。よく遊び、よく飛び、よく飲んだ10日間であった。


 

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