お馬さん豆知識

私は、牧場にお嫁に来るまでは、馬なんて全く興味もなく、ましてや競馬なんて見たこともありませんでした。 ここで生活するようになると、馬のこと覚えなくては、ならなくて、色々学びました。 結構感心するような事もたくさんあります。本来馬大好き人間ではない私が馬を好きになろうと 色々集めた興味深い事をここで紹介していこうかなと思います。 小野瀬牧場のホームページのお客様からも色々質問等がメールで送られてきます。 わかることは、すぐにお返事しています。 わからないことは、調べてお答えするようにしています。そんな中でも興味深い内容については、 このコーナーで紹介していきます。

お馬さんの洋服の話

馬は、毛皮を着ています。夏の暑い時期は、毛が短くて涼しそうな格好をしています。冬になると寒さをしのぐため 毛がムクムクになってきます。この毛を”冬毛”と呼びます。ちゃんと自分で毛皮を着替えるのです。 冬毛が伸びていると見かけが悪いので、毛が伸びないように馬服を着せてあげる場合もありますが、 たぶん寒さにも暑さにも強い体質を作るためにはあまり過保護にしない方がいいのです。 人間も、同じですよね。子供は風の子と言って、寒さにも慣らせば、風も引きにくい強い体質になるのです。 だから小野瀬牧場でも基本的には、馬の着替えは、馬自身に任せます。 ただし、内地の暖かい所から急に雪の北海道に来た馬は、冬毛の準備もしていませんから、かわいそうです。 そんな馬には、ちゃんと馬服を着せて暖かくしてあげます。 風を引いたらかわいそうですから・・・・。写真は、馬服を着て寒そうしているダイナマイトメール号(4歳)です。 1月18日の大雪は、十勝の観測史上まれにみる降雪量だったそうです。 17日に南関東から戻ったばかりのこの馬は、さすがに急激な温度の低下にこごえていました。 馬服を着せてやって雪の中放牧に出しましたが、寒そうでかわいそうでした。 寒さに慣れて、冬毛が伸びれば、馬服なしでも外に行けます。それまでは、過保護にしてあげます。

蹄鉄の話

6月のプレゼントコーナーで使用済みの蹄鉄をプレゼントしました。その時質問のメールが色々あって、 今まで詳しく考えていなかった蹄鉄のこともう一度勉強してしまったのです。

馬の足には、蹄があります。人の爪と一緒でのびます。ほうっておくとのびすぎて割れたり変形したり 困ったことになります。だいたい1月で0.5から2センチのびます。だから1月毎に爪を切ります (削蹄)。ペンチのようなものでパチンパチンと切って、後やすりをかけます。人の詰めきりと一緒です。
牧場にいる馬は、ほとんど裸足です。草や砂の上での生活が中心なのでそれでいいのです。 人も家の中では、裸足ですよね。でも外に行くときは、靴を履く。 アスファルトの上や石の多いところを生活する馬は、爪が自然にのびるより早く すり減ってしまうので靴(蹄鉄)をはきます。 また、レースにでる馬も靴(鉄)をはきます。地面を蹴る力を強める為の効果もあります。 ただし、少しでも早く走るには、重い靴ではこまるので、実は、鉄ではなくてアルミ製勝負鉄というものです。プレゼントした蹄鉄もアルミなので驚いた方がいらっしゃいました。
人の足も色々なサイズやデザインがあるように、馬の蹄鉄もサイズやデザインが色々です。 サイズは、鉄に数字が彫ってあります。 さらに4本足の馬は、前足と後ろ足で違ったものをはきます。

 
左後   右後
 
左前   右前
基本形の勝負鉄は、裏から見ると上の絵のようです。爪に当たる面は、平たくて、地面に当たる方は、溝があります。 これがないと、滑るし、地面にすいつくこともある。靴のうらの溝の役目です。 前足の鉄は、丸っこくて、鉄唇が、1個です。これは、鉄が蹄の先からはみ出さないような役目をします。 鉄尾は斜めにきれていて蹄の内側に入ります。走った時に他の足にぶつけて傷つく事がないようにです。
後ろは、2個の鉄唇が先端から少し離れてついています。これも鉄がずれないようにと、前足にぶつけた時に 傷つけないようになってます。
私も歩くの下手で時々反対の足を靴で蹴ってしまうのですが、痛いんですよね。あざになる。
後ろの鉄は、前のよりも細長い形です。後ろの鉄の先端は、外側に来る方が下へ折り曲げられていて小さい 突起になってます。反対に内側に来る方は、同じ高さでくさび状になっていてバランスを取っています。
鉄は、爪にあわせて選んではめると、釘で打ち付けます。釘の穴は、外側に4個、内側に3個です。 爪なので感覚は、ありませんが、あまり内側にしすぎると、感覚のある所に刺さって傷になるし、 外すぎてもはずれやすいので、鉄やさんは気を使いながら鉄を打ちます。
手元にある蹄鉄をもう一度良く見て下さい。4本のうちどの足の鉄でしたか?

そのほかにも、ゴムのクッションがはめてある鉄(接地性良い)や、足の裏全体をゴムで覆って保護する 鉄(足の裏に傷のある馬など)や、蹄の先の方だけの半月状の鉄(牧場で爪の弱い馬の足を保護するため)などなど 色々な鉄があります。 うちでも、足の裏を怪我した馬に、空き缶つぶしたものを当てて鉄をうち、傷を治した例もあります。(^O^)
蹄鉄の話でした。



馴致(ブレーキング)の話

競走馬は、生まれて次の年の秋頃になると人を乗せて走ることを教えます。馴致という言葉は、生まれてから 段階を踏んで教育していくことを指しますが、2歳の乗り馴らしの方法の一つをブレーキングと呼ぶようです。 まずはじめに、鞍を載せる下準備として、腹帯というものを胴に巻いて慣れさせます。 胴回りに何かをつけるということが、大丈夫になったら、その先は、2通りの方法があります。

ヨーロッパ式 馬に人がまたがる前に、ハミを教えてやる方法です。サイドレインという固定手綱を腹帯を通して つなぎ、2本のロングレインを使って、馬を円周馬場の中を回らせます。(ロンジング) 次に、人が、歩き回りながら、馬を操作して、停止させたり歩かせたりして、命令を聞くことをおしえます。(ドライビング) 騎乗前のこういった訓練は、馬の口向きと体力を養成します。上の写真は、ドライビングを行っているところです。

インディアン式 ハミより先にともかく人がまたがってしまう方法です。最初は、1人が下で押さえてもう1人が、馬に 乗ります。この方法は、乗り役の体力が必要です。始めて背中に人を乗せることをされる馬は、 たいていが、いやがって暴れます。これを無理矢理またがってしまうのですから想像して下さい。 中には、ロデオのようにはねる馬もいます。でも、こちらの方法が得意な乗り手もたくさんいます。

上記どちらの方法で乗りならすかは、馬の気性や、大きさ、乗り馴らしの時期によって考えます。 小野瀬牧場では、どちらの方法もやっています。馬によって、より良い方法で行います。

どちらの方法にせよ、この初期調教を失敗するとちゃんとした競走馬になれなくなります。 人間が、子供のうちの教育を誤ると、先で取り返しがつかないのと同じです。 非常に大切な事なのです。


順次おもしろい豆知識を載せますので、見て下さい。
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