1996年4月9日、そうパソコン教室初日の日。それは素晴らしい日だった。
お堀の桜も北の丸公園の桜も満開！　「いよいよ今日からパソコンを習うんだ」
新たな希望と喜びに、私の目には見慣れた景色も、そして桜も、一際輝いて見えた。
桜を見上げるその上に真っ青な空、春の日差しは眩しいほど。もうルンルンだった。
その時、それと解る若者の集団と出会った。彼らは皆新しいスーツ姿に角封筒を抱え、
ニコニコと嬉しそうに、そして一寸恥ずかしそうに、足早にすれ違って行った。
皆揃って研修に行くのか、終わった帰りなのか、未だ身体に馴染まないスーツ姿が
微笑ましく、私はつい振り返ってしまった。彼らの背中にそして私の頭上に、桜は
それぞれの一年生を祝福してくれていた。
　お教室は北の丸公園という素晴らしい環境の中にあり、窓からの眺めは、パソコン
で疲れた目を癒すのに充分。都心にあってこれほど恵まれた環境の中で勉強が出来る
なんて･･･ほんとに嬉しかった。
こうして私は、桜に迎えられ、桜の中でのパソコン第一歩を踏み出した。


　 ★これは、後にペイントを覚えた時、先ず描いたその日の印象、ペイント第１号★