ブザーが鳴った。出てみると門の外に、ニコニコした好青年が立っている。 (セールスかな?いや違う、懐かしそうな笑顔だ・・・) 「おばあさんいますか?」と彼。 「ここにはいないんですよ〜」(母を訪ねて来たのだ。私は???) この青年曰く「僕、学生時代、新聞配達をしていたんです。こちらのおばあさんに よく、ヤクルトをご馳走になりました。今日、こちらの方に来たので一寸寄ってみたんです」とのことだった。 「あぁ、そうだったの〜」私の知らないことだった。新聞少年が立派な社会人になり通りがかりにせよ、寄ってくれたとは・・・・・ 「有難う。母がいたら喜んだわ。よく話しておきますね。貴方も頑張ってね。」 なんとも嬉しいことだった。後日、母に話したら、更なるオマケを知ったのだ。 母曰く「そうよ、『貴方(新聞少年)ヤクルト持っていると、どこかで盗ってきたと思われてもいけないから、ここで飲んで行きなさい』と、その場で飲んで貰ったの」ですって・・・・・いかにも母らしいことだと思った。母はヤクルトが好きだった。 |