早 春 賦

「一寸そこまで行ってくるよ」
「どこへ?」
「『チョットコーイ、チョットコーイ』って呼んでいるから・・・・・」
「このところ、よーく鳴いてるものね〜いってらっしゃ〜い」

「『ケンケーン、ケンケーン』って、Mさんたち遊びに来ないかなぁ
雉が健ちゃんを呼んでいるって・・・・電話してみましょうか?」
「楽しい人達だよねー。」「そう、最高!」

「・・・・・鶯ってこの間、雨降ってても鳴いてるの・・・・」
「ホーホケキョ ケキョケキョ ホーホケキョ ケキョケキョ」

「春ーは名ーのみーの、風ーの寒さやー・・・・・・・・・・」
会話は早春賦の歌声に変わっていく。
「○山に登ったとき、よく歌ってたわね。私は息が切れて歌うどころじゃ
なかったけど・・・・・」「また行ってみるか?」「・・・・・先ず、駄目ね」
里は春光うららかに・・・・・が山道に入ったら別世界。積雪の道をを喘ぎあえぎ
頂上では雪が降り出したっけ・・・あの時のインスタントラーメン美味しかった〜
今の時期になると思い出す山。

『チョットコーイ、チョットコーイ』また小綬鶏が鳴いている。