花   火


 日本一と言われる長岡の大花火に数回行っている。何回見ても好いものだ。
花火は信濃川にかかる大手橋と長生橋の間の中州で打ち上げられる。夕暮れ近く両岸の
ぼんぼりに灯がともる頃、人々はシート、ゴザ、座布団などそれぞれに抱えて集まってくる。
陣どった後はすぐ酒盛りが始まる。「今夜の花火に乾杯!」いや、何でもいいのだ。
あちこちでガヤガヤわいわい、賑やかにその時を待つ。この待っている時間が実に好い。
だんだん暗くなり、対岸のぼんぼりが一線になって川面にその灯がゆらぐ。
川風に吹かれて・・・・・あぁ、気持ちいい!昼間の暑さが嘘のよう。
そして7時半、「ドーン!」と一発!一斉に拍手だ。いよいよ打ち上げ開始。
大スターマイン91連発!。それは見事だ。点火と同時に「しゅるしゅるーっ」と火柱が
天に向かって上がり、それが2本、3本と次々に「パチパチッ!!!しゅるしゅるーっ・・・ドーン!
ドーン!」これでもか、これでもかと大輪の花が開いていく。その時その明るさで川面が現れ、
ゆらぐ灯、点火の様子まで見える。「スッポーン!」と筒からはじき出る音、飛び散る火花!
桟敷席からはよく見える。見上げる夜空からは大きく開いた花々が次々と頭上に覆いかぶさって
来る。歓声と拍手、そしてため息と共に元の真っ暗闇に戻る。もう最高!
最後は、仕掛け花火と三尺玉の打ち上げになる。この時はサイレンで合図、街中の人は手を休め、
それぞれの思いを抱き、何処かでこの夜空を見上げるに違いない。
長生橋に仕掛けられたナイヤガラ!それは見事だ。
そして・・・・・ズドーン!!!とお腹の底まで響く三尺玉の打ち上げ!見事成功!一斉に拍手だ。
・・・・私にとって、これで今年の夏は終り、真夏の夜の夢も終わる。
何回見ても飽きない夏の風物詩、花火が醸し出す情景、雰囲気、私は好きだ。



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