馬籠峠の思い出

 どちらかと言うと、一人旅が好きだった。こんなことがあった。
友人3人と木曾へ行ったとき、途中で意見が別れた私は一人になってしまった。
それまでは分散して背負っていた荷物を、私は自分のだけにし、一人馬籠峠へ歩くことになった。
「どのくらいかかりますか?」土地の人三人に尋ねたところ「さぁね〜?」
みんなバラバラ・・・・・一時間程のばらつき。どれを信じていいのやら・・・・・
夏草の茂った一人が通れるだけの山道を歩く。やっと姿を現したアバラ家、そこで初めて人に出会う。聞けば峠の茶屋のおばさんで、これから行くとのこと。旅は道ずれ、
峠まで一緒に歩く。暑い、重たい!私もよく頑張った・・・・・峠で一休み。
店にいたオジサンに「この子、記念館(島崎藤村記念館)まで乗せてってや」おばさんは頼んでくれた。おかげで私は、時間内に記念館を見学できたのだ。
私は蜜豆の缶詰をおばさんに上げたのを覚えている。(私が食べたかったのよ〜〜〜)
そんなこんなで一日が終り、夜また宿で三人が一緒になる。
あれから何年経ったろうか。何十年後、夫の友人達と再度訪れた馬籠峠は・・・・・すっかり
様変わりしていてがっかり・・・・・・・