大切な大好きな上越線

 「国境の長いトンネルを抜けると雪国である・・・・・」まさにその通りだ。
東京から新幹線で一時間足らず、そこはもう白一色の別世界。かつてはよく、長岡へ
日帰りをしたものだ。行きは新幹線でひとっ飛び。帰りは越後湯沢まで鈍行に揺られ、
雪景色を楽しむ。降りしきる雪で車窓からは、はっきり見えないけど、小出〜六日町
〜湯沢と、木々にま〜るく積もった雪、魚野川の流れ、ただ白一色の世界は哀しいほ
どに美しい。湯沢で途中下車、駅構内にある温泉(酒風呂)に入り、お肌もなんとなく
すべすべした感じ、いい気分になって再び車中の人となり、トンネルを抜けると・・・・
そこはもう、何事もなかったような夕焼けの空を遠くに見る。まるで夢の国へ行って
きたような一日。
 上越線って、私にとって大切な大好きな路線だった。それは、今は亡き年老いた母
(当時90歳後半)と私の間を走っていた路線。よく母に会いに行ったものだ。
母を思いながら乗った上越線。トンネルの向こうは今日も雪が降っていることだろう。
雪の日に母を思う。
          ・・・・・車窓よりの眺め・・・・・