草 取 り

 草取りが好きである。昔は几帳面に、端から陣取りのように、取った範囲を広めて行ったものだ。もう少し、あそこまでと、時間を忘れ日暮れまで・・・・・・「あぁ疲れた〜でもあそこまで」と、がんばってしまう。そして「あぁさっぱりした〜」なんて一人満足していたと思う。
今は違う。此処をとか、あそこまでとか決めつけないこと。気がついたとき、気がついた草を、ランダムに抜いている。抜いた草はいっぱいあっても、「何処を取ったの?」そんな具合だ。それで良しとしている。これも自己満足!
それともう一つ違うこと。それは「雑草さん、ゴメンネ」と思いながら草を抜いていること。雑草だって可愛い花をつけているのがいっぱいある。野原であれば可愛い花も、庭では雑草だ。彼女らにしてみれば「どうしてアタシタチ摘まれるの?何も悪いことしていないのに」と・・・・・「でもね、ゴメンネ、アナタタチ、オジャマ草なの。人間さま、いや私の勝手だけどね・・・・・」
狭い庭だけど、取っても取っても次から次へと、雑草は絶えない。可愛い小さな花をつけていても、やっぱりしぶとい雑草。
 牧野博士は言う。【雑草と言う名の植物はない】と・・・・・