或る招待状


 「ピンポ〜ン」   ドアを開けると自治会の班長さんだ。手には白い角封筒を持っている。
「役場からの招待状です」  「???何の???私、何か善いことでもしたの???」
「オメデトウゴザイマス。敬老会の・・・」若いママさん班長は申し訳ないような口調で差し出した。
咄嗟に言葉が出なかった。封筒を手にし、中を確かめたが間違いのない事実「イヤァ〜私っ・・・」
思えば年金を初めて手にしたとき、あの時もそうだった。嬉しいような、淋しいような、また、
遂にここまで来たのかと言う年月の重み、複雑な気持ちだった。
年金を貰う嬉しさ、自分で納めたお金だもの当たり前なのに、何もしないでいて振り込んでくる。
嬉しいわよ〜どうしよう? なんて言っていたのに、今では何やかんやと差し引かれ、だんだんと
減るばかり、年金生活も大変なのである。 元気で長生きして、積んだ年金取り戻さなくちゃぁ〜
勿論、祝賀会には出席した。