通夜の写真


 最近やたらと訃報が多い。そういう年代になったと言うことだろうか。 夕べ、初めて、
自分より若い人を見送る通夜に出た。フラの生徒さんだった。体調悪くやめてから二年近く
にもなろうか?赤いパウスカートで真剣に踊っていたレッスンでの姿しか浮かばない。
祭壇に飾られた遺影、今夜の彼女は和服姿。淡いあずき色の襟元が凛としている。 またいい笑顔!
妻として、母親としての誇り、孫たちには優しいお祖母ちゃんの姿がそこにはあった。
いい、遺影だった。まだまだこれからというとき逝ってしまった彼女、余りにも早すぎる。
いつもレッスンの時には「踊るときはみ〜んなシングル! 家事のこと一切忘れて・・・青い空、
波の音を感じながら踊りましょう・・・・・笑顔!笑顔!」なんて言っている自分でも、帰りには
(さて、今晩は何にしよう?)と冷蔵庫の中を考えてしまう。
家庭にあっては主婦であり、家族を支え、家族に支えられながら、今、老後を楽しんでいる
そんな仲間達と、これからもずっと踊って行きたいものだ。
健康のために、若さを維持するために、元気でいれば踊れる・・・
             いや、踊っているから元気でいられるのかもしれない。