「これ、あの時の」


      時々思い出す。「これ、あの時の・・・・・」と・・・・ 若い頃から旅へ出るのが好きだった。
     未だ車社会になる前の話。交通手段はすべて電車であった。何時に発車、何処そこで乗り換え
   待ち時間何分、あそこの駅弁は○○と、鉄道好きの私には、計画の初めからもう旅が始まる。
   そんなこんなで机上旅行に終ることもしばしば、それなりに楽しいものだ。
   そしてもう一つ、旅に出れば(此処に来た)と言う記念のお土産!これが又楽しい。
   若かりし頃はまづ、コケシに代表される所謂飾り物、それでもこだわりはあった。(例えば
   京都嵯峨野だったら祇王寺の白い祇王だるま、赤い祇女だるま。金沢だったら九谷焼のコケシ
   人形とか、しかしこれ等は、いつしかガラクタにならん・・・・と言うときにあの東日本大震災!
   祇女だるまを含み大方壊れてしまった。自分では処分出来なかった物、むしろさっぱりした感が
   しないでもない。助かった祇王の方も後に私の不注意から、あとを追うように消えたのである。
   カメラを携えての旅行に明け暮れていた頃は、撮ってきた写真そのものが記念のお土産。
   撮ってきた出来の良いのを引き伸ばし、額に入れて掛けたりしたもの。今、掛かっているのは
     木曾の檜の写真だ。
   今はぜ〜んぜん!その時点に、必要なものがそこにあったら買ってくる。どうせ買うのなら
     記念にここで買って行こう。そんな調子だ。
   旅の記念に買ったお土産、懐かしく買ったときの事、路地裏の小さなお店のことまで思い出す
     もの、又、現在の生活に結構役立っているものもある。  徒然なるままに・・・・・

   ☆ 鐙つき鞍のキーホルダー(北海道) 革製の鞍に真鍮の鐙が付いている。家の鍵を
       付けてある、失くしてはならない大事なものだ。
   ☆ 鍋敷き(京都龍安寺) 寺の蹲(吾唯足知)を模したもの。真ん中に口(くり貫きに
       なっている)上に五、右に隹、下に足、左に矢と彫った木製である。裏には龍安寺と
       浮き彫り、もう五十年使っている。
   ☆ 木製の長い靴べら(白川郷) 歳と共に、屈みこむのが大変、起ったままで使える長い
       靴べら、丁度探していたのでグッドタイミングだった。木製なので訪れた年月日と、
       白川郷にてと、彫って毎日使っている。鍋敷きと共に、利用度ナンバー1! 
     ☆ ガッチャン棒(東京ディズニーランド) 手の届かないところの物を「ガッチャン」と
    挟んで取る。 手元のバネを引くとドナルドダッグの目、手&足が動いて、実に楽しい。
    但し、挟めるのは軽いものだけ・・・・・
    ☆ 雲水の土人形(永平寺)&土鈴の鈴雛(京都東山) 共に手に乗る小さいものだが、
    私の初めての一人旅の思い出だ。共に震災を免れたのも嬉しい。
    ☆  ペーパーナイフ(ハワイ) 実は友人へのお土産に買ってきたのだが、何故は渡すチャンス
    を逸してしまい、自分で使ってしまう。これが非常に使い勝手がいいので自分の物になって
    しまった。・・・・・ペーパーナイフも好きな文具である。

         こうしてみると、結構旅の思い出が生活に馴染んでいるのも嬉しい。