見まわりオバサン 

 春になると、見まわりオバサンは忙しい。朝、昼、夕方、その間にも何回となく・・・・・
僅かばかりの我が家の庭にも春がやって来る。「昨日までなかったのに・・・」と、
今朝は何となく土が こんもりとしている。??指でそ〜っと・・・「出てきている!」又、
そっと土を被せる。そして翌日あたり「コンニチワ アカチャン!」と小さいいのちの誕生だ。
「出てきてくれて有難う。オリコウサンネ!」これが楽しみで一日何回となく、狭い庭を見回り、
しゃがみこんでは目をさらにして見ているのだ。 「たしかこの辺?」でも出てこない。と、
言うのもあるし、「あれっ!こんなところに?種が飛んだの?」と新しい誕生もある。
又、芽吹きも楽しみだ。同じ白樺でも、早いの遅いのがある。「おぉ〜出てきた。君が一番!」
なんて言ったりしている。日毎に開いてくる小さな葉!白い幹に若竹色の若葉はすがすがしくて
気持ちいい。あぁ、いいなぁ〜・・・・・! 
だがそれだけではない。招かれざる面々。雑草も出てくるし、こちら大きくなると厄介だ。
小さいうちにと即「ゴメンね、オイノチチョウダイ!」という具合。も一つイヤなのがアレ?
気がつけばもう、五ミリほどになっているケムシの集団! これにはもう、身震い!ドキッ!
即、殺虫剤だ。 しゃがみこんでは、小さないのちの誕生を愛で、一方「ゴメンネ」と言いながら
そのいのちを摘み取ったり、上を見上げて「君が一番!」なんて褒めたり、「キャ〜」殺虫剤を
噴射したりと、当分、見回りオバサンはお忙しい。・・・・・なのにオジサンは全く、興味なし。
うっかり踏んずけられたら大変!オジサンが庭に下りた時も要注意!!なのだ。
芽生え芽吹きの時期、見まわりオバサンはお忙しい。