「テッペンカケタヨ!」


「テッペンカケタカ テッペンカケタカ」 このところ頻りにホトトギスが鳴いている。
彼らにも人間さまと同じで美声の持ち主がいるらしい。 昨日の鳴き声は気持ちよかった。
爽やかな青空に、ひときは冴え渡って響いていた。
「テッペンカケタカ テッペンカケタカ」 私は染め直したベルトに仕上げ剤をかけていた。
「テッペンカケタカ テッペンカケタカ」
「テッペンカケタヨ テッペンカケタヨ」と私は応える。
「テッペンカケタカ テッペンカケタカ」
「テッペンカケタヨ テッペンカケタヨ」掛け合いになり、愉快だった。 楽しかった。
「テッペンカケタカ テッペンカケタカ」
「テッペンカケタヨ 仕上げ剤もかけたよ!」と、そこまでは良かった。
「終った!よしよし!」仕上げ剤の蓋をす・・・アチャ〜・・・やってしまった。蓋に小出しして
使っていたのだ。少し残っていたのに容器へ戻さずしてそのまま蓋を被せるなんて・・・
一寸べたつく仕上げ剤だ。たまったものじゃない。こっちの始末に大変!メ∂σ(`´)
「テッペンカケタカ テッペンカケタカ」
私は応える。「テッペンカケタヨ 仕上げ剤こぼしちゃったよ!」
だが不思議?ドジをやってしまったわりには腹が立たない。笑って拭きとる。
「テッペンカケタカ テッペンカケタカ」
「テッペンカケタヨ テッペンカケタヨ 綺麗になったよ」

先週は今シーズン初めてカッコーの鳴き声を聞いたし、窓から入る風は爽やかだし、
いま、一番いい季節。外へ出かけなくても充分に季節の恵みを感じられる今日この頃だ。