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真空管の収集

 1960年代ごろ、オーディオやアマチュア無線でよく使用されたなつかしい真空管を多数保存していつでも使用できるようにしております。
 その中から代表的なものをいくつか紹介します。  なくかしく思われる方も多数おられると思います。

特殊用途

3A5

 直熱タイプの双3極MT管で電池管の代表的なものであった。
 当時はこれ1球でVHF用AMトランシーバを構成することができた。
 送信回路は自励または水晶によるオーバトーン発振とし、受信回路は超再生(クエンチング)方式であった。
 フィラメント点火用のA電源として普通の乾電池を2個直列で使用し、プレート電圧用のB電源として当時販売されていた66Vぐらいの積層乾電池を使用するものであった。
EZ-6E5/6E5MT

 受信同調指示に使用された通称マジックアイで左はST管タイプ、右はMT管タイプである。
 頭頂部を上から見るとグリーンに発光し、印加されたグリッド電圧により扇型に光る面積が変化する。
 入力電圧はAGC電圧が使用されていた。

整流管

5U4GB

 直熱型の全波整流用GT管で比較的大出力の整流に使用されていた。
 大出力のオーディオパワーアンプや中出力までの送信機に使用例が多い。
 現在普通に使用されているシリコンダイオードが一般に入手困難であった時代の産物である。
 フィラメント点灯用に大電流が必要であった。  また、高圧の整流電圧が直接フィラメントにかかるために、それなりの絶縁が要求された。
5AR4

 傍熱型の全波整流用GT管で、これも同様に比較的大出力の整流に使用されていた。
 カソードとそれを加熱するためのヒーターが分離されているため、それぼどの絶縁耐力は要求されない。

電力増幅管

UY-807

 ST管タイプの電力増幅用ビーム出力管である。
 当時C級動作で10Wクラスの送信機のファイナル段によく使用された有名な球である。
 プレート接続電極が管のトップにある。
 比較的無理な使用に耐えた記憶がある。
6L6GC

 上のUY−807をGT管にしたものである。
 こちらは業務用や比較的高級な家庭用のオーディオ機器のパワーアンプとしてよく使用されたものであり特性がよく、現在もファンがいるほどである。
 AB級のプッシュプル動作で約30Wの出力が得られる。
6BQ5

 中出力のMT管タイプの電力増幅用5極管である。 (写真はプッシュプル増幅用のペアチューブ)
 中級の家庭用オーディオ機器のパワーアンプとして、また10Wクラスの送信機のAM変調器のファイナル用によく使用された。
 B級のプッシュプル動作で約15Wの出力が得られる。
6V6GT

 中出力の電力増幅用ビーム出力管である。
 A級シングルで約5Wほどの出力があり、家庭用のオーディオ機器によく使用された。

一般信号増幅用

6AC7

 おもに軍事用などに使用されたメタル管である。
 高周波増幅用の小電力低雑音5極管で、かつての通信型受信機のフロントエンドに使用されていた。
6360

 小出力の電力増幅用4極管である。
 送信機の励振段(ドライバ)としてよく使用された。
6SN7GT

 GT型の低周波増幅用双3極管である。
 オーディオアンプのドライバ段によく使用された。

ラジオ受信機に使用されていたST管

UZ-6C6

 コントロールグリッドピンを管の上部に出した高周波増幅、検波用のシャープカットオフタイプの5極管である。
 スーパーヘテロダイン方式のラジオ受信機が普及する以前の、直接検波タイプ(並3および並4型と呼ばれた)のラジオによく使用されていた。
 プレート出力の一部をL結合で入力にフィードバックして感度アップを図る再生式検波器の球として記憶されている方も多いと思う。
UZ-42

 低周波電力増幅用5極管である。  GT管の6F6GTおよびMT管の6AR5の前身にあたる球である。
 一般のラジオ受信機の低周波出力段に使用された。
 A級シングル動作で約2−3Wの出力が得られた。
KX-12F

 比較的小電流用の直熱型2極整流管である。
 MT管が普及する以前の家庭用ラジオによく使用されていた。  整流用シリコンダイオードが市販されるずっと以前のことで、真空管に代わるものとしてセレン整流器が活躍していたころのことである。

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