Back still growing up

  2000年4月23日(日)13:00キックオフ
於 新潟市陸上競技場
アルビレックス新潟 対 大分トリニータ
 
 今日、何回ため息をついただろう。このまま連敗が続くようならば観戦記を書き続けることもイヤになってしまうのだろうか。負けることを予想しながらも実際負けると非常に気持ちが落ち込む。
 午前中の強風と雨が嘘のように、澄みきった青空が上空に広がる。まだ風が強く散った桜が空中を舞っている。
 スタメンは僕の希望通りのメンバー。強豪の大分とはいえ、ほんの少しだけ希望の灯がともる。簡単にいえば、すでに僕の心の中に負け癖がついてしまっている。
 連敗を続けると観客は確実に減っていく。テレビ放送があるとはいえ、快晴の日曜のデーゲームで3000人動員できないのは寂しい。特にメインはガラガラだ。
 主審のホイッスルで試合が始まる。大分は現在不調との噂を聞いていたが、噂通りチームとして機能していない。昨年の流れるような攻撃が見られない。CFのヴァルディネィがボールをキープできず、サイドに展開できない。
 アルビも相変わらず連携が悪い。パスが通らない。ボールを懸命に追いかけ、奪うとすぐに奪い返されてしまう。
 長身でスキンヘッドのシジクレイが非常に目立つ。体格もがっちりしているため、子供の中に一人大人が混じっているように見える。接触プレー、空中戦に強さを見せる。
 右サイドで式田が倒され、FKを得るがゴール前に上げたボールは簡単にラインを割ってしまう。風が強いためにロビングは風に流され、コースが変わってしまう。前半は風下でのプレーとなる。後半が勝負になるだろう。
 お互いにボールがつながらないが、大分の方が球際、空中戦に強く、大分がボールをキープしている時間帯が長い。竹村がサイドを突破しセンタリングをあげるが、木沢に当たってCKになる。
 キッカーはウイル。ウイルの蹴ったボールは非常に強い横回転がかかっていたが、GKが出ることのできない抜群のコースへ飛んでくる。DFがヘディングでクリアし、とりあえずピンチを脱出する。
 アルビは木沢がパス交換からサイドを深く切れ込み、フリーでセンタリングを上げる。強く速いボールは風に流されずにゴール中央へ向かうが詰めている選手がいない。ファーサイドの大分のDFがヘディングでCKへ逃げる。キッカーは式田。コースは悪くなかったが、高さに強さを見せる大分のDFが大きくクリアする。
 最初に決定的なチャンスを作ったのは大分。中野が1対1の場面で詰められず、中央の加治へスルーパスが出る。吉原と1対1になるが、シュートは吉原が足でセーブし、ピンチを逃れる。
 アルビはときおり神田がドリブルで攻め上がり、チャンスをうかがう。神田がドリブルで上がっていき、ここまで完全に消えていた鳴尾にパス。ダイレクトで中央へ折り返し、そこにフリーでナシメントが走り込みシュート。シュートはワクをとらえきれず、右に大きく外れる。
 前半の残り時間が短くなってきたところで、大分がカウンターを仕掛ける。木沢が追いつくが、なかなか詰めにいかない。そこを中央へ走り込んだ山根にパスがでて、シュート。左スミに決められる。
 市陸全体からため息が聞こえる。「またか。」と言わんばかりのため息である。これで今シーズン9試合すべて先制されている。
 ここまでよく守ってきたが、最後の最後で踏ん張れない。選手達もショックが大きく、なかなかキックオフを始められない。なんとか前半を無失点で切りぬけ、後半勝負にいきたかったのだろうが、耐えきれない。
 そして前半が終り、ハーフタイムに入る。サブの選手がピッチでアップをしている。連携は目に見えて向上してるとは言いがたいが、チーム全体の運動量、ボールを奪いにいく気迫は感じられる。だが点を取れる気配がしない。
 後半が始まる。後半始まってすぐにチャンスがおとずれる。パスを受けた鳴尾が粘って粘って中央へパス。またもやナシメントがフリーでシュートを放つが、大きくふかしてしまう。こういうチャンスを確実に決められないのは痛い。
 ここからは今までの試合のVTRを見ているようだった。ボールをキープしていてもシュートが打てない。苦しまぎれにサイドからあげるセンタリングは精度が低く、中央で張っている選手もいないので簡単にクリアされる。ミドルシュートを打ってDFを前に引き出そうとか、ゴール前に走り込んでシュートを打とうとか、攻めの工夫がまったくない。同じことをえんえんと繰り返す。
 式田に代わって高道が入る。だが流れはまったく変わらない。
 さらに攻めにでたところを追加点を許してしまう。前半と同じような形から和田にシュートを決められ、2ー0となる。
 さらに運動量が減り、足元でボールを回すことがおおくなる。走らないのでスペースが生まれず、スペースがないので走れないの悪循環を繰り返す。
 木沢が足を負傷し、井上と交代する。そしてナシメントに代え、服部が入る。しかし、まったく状況は改善されない。終了直前にウイルにFKを決められ、3ー0。完敗だ。
 試合終了のフエが鳴ったとき、僕はすぐに上着をとってトイレに行った。トイレに行きたかったと言うより、選手の顔を見たくなかった。悔しそうな選手の顔を見るとさらに悔しくなりそうだったし、拍手する気も全然なかった。
 天を仰いで大きくため息をつく。いつまで続くんだろう。この辛く苦しい連敗は。今はどことやっても勝てる気がしない。

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