Back still growing up

  2000年5月13日(土)14:00キックオフ
於 新潟市陸上競技場
アルビレックス新潟 対 大宮アルディージャ
 
 全チームとの対戦を終え、3勝7敗。順位も11チーム中10位とあまりかんばしくない。前節、アウエーで湘南をVゴールで下したアルビレックスだが、今日の相手大宮アルディージャは昨年1勝3敗と負け越しており、さらに今年の開幕戦でも1ー2で敗れている。決して相性の良い相手ではない。
 負傷の秋葉は今日も欠場、サブにも入っていない。スタメンは湘南戦と同じ、ボランチには式田と寺川が入る。
 主審のホイッスルで試合が始まる。開始早々に大宮がチャンスをつかむ。左サイドからのパス交換から吉原と1対1になるが、シュートはわずかに左にそれる。
 さらに同じく左サイドから崩され、またもや1対1の場面を作られるが、中央で折り返したボールは誰も詰めておらず、なんとかピンチをしのぐ。
 開始5分で2度の決定的なピンチを作られ、DFラインは下がってより深くなってしまう。対照的に積極的にDFラインを押し上げてくる大宮。どうしても中盤で数的不利になり、簡単にボールを奪われてしまう場面が多くなる。
 中盤がほとんど機能しないので、最終ラインから直接前線の鳴尾へロビングが放り込まれるが、ヤンにことごとく競り負ける。DFの裏へ走り抜けようとしてもオフサイドに引っかかってしまう。
 だが思いもよらぬ先制のチャンスがアルビに巡ってくる。
 ペナルティエリアの近くで最終ラインでボールを回しているDFに鳴尾が素早い出足からチェックにいく。こぼれたボールをすぐに鳴尾が拾い、GKが出てきたところを見計らって中央の神田にパス。神田は右足でゴールの左スミを狙うが、ボールはワクを外れる。頭を抱える神田。
 さらに今度は柴のロングパスに鳴尾が大宮のオフサイドトラップをかいくぐってボールを受け、一気にGKと1対1になる。鳴尾のシュートはGKに当たり、こぼれたボールを鳴尾がスライディングで押し込もうとするが、GKの方が一瞬早くボールをつかむ。結果的にレイトタックルとなってしまい、鳴尾に警告がだされる。
 大宮も決定的なチャンスを迎える。FKからゴール前に飛び込んできた選手が足で合わせるが、ボールはわずかにワクをそれる。
 前半の30分過ぎに式田が相手のファールで倒され、タンカでピッチの外へ運び出される。一旦ピッチに戻ったが結局井上と交代。ここで貴重な中盤でこぼれ球を拾える選手を欠いたことで、さらに大宮がボールキープしている時間が長くなる。
 前半にもう1度鳴尾が裏へ抜け出し、シュートを放とうとするが、間一髪のところでDFがブロックする。
 ここで前半終了。お互いにチャンスはあったが、無得点で前半を終える。中盤は完全に大宮が制しており、アルビの攻め手はDFラインからの放り込みからしかない。だがヤンに競り負けることが多く、こぼれ球もほとんど拾われてしまう。
 後半が始まる。後半始まってすぐにアルビがチャンスをつかむ。木沢からのサイドチェンジを受けた中野がそのまま加速し、チェックにきたDFをぶっちぎる。ほぼ独走状態でペナルティエリアに進入し、中央のシンゴへ折り返す。
 シンゴは丁寧に近い方のサイドを狙うが、シュートは右にそれてしまう。信じられないというような表情を浮かべるシンゴ。
 その直後、またもや右サイドから大宮に崩されてしまう。
 ドリブルでライン際まで突破され、センタリングをフリーのマークが頭で合わせるが、吉原がファインセーブ。だがこぼれたボールをすぐにジョルジーニョに頭で押し込まれ、大宮に先制を許してしまう。
 いつもは失点されると目に見えて動きが悪くなっていたが、今日は違った。残り時間が30分以上あることも大きいのだろうか。積極的にサイドをつかって攻めようとするアルビ。
 寺川から木沢へパスが出て、そのままドリブルで攻め上がる木沢。ライン際で大きく切り返すと大宮DFが転倒。中央にドリブルし、マイナスぎみにセンタリングをあげるが、そこには選手がおらず、大宮のDFに大きくクリアされてしまう。
 だが中盤のこぼれ球が拾えないので、攻撃に厚みがでない。逆にカウンターを恐れ、ますます最終ラインは深くなり、中盤は大きく間延びする。鳴尾は大宮のGKにまで下げたボールにまでプレスにいくので、FWからDFまでの距離はおそろしいくらいに広がってしまう。
 逆に大宮は先制しても積極的に最終ラインを押し上げて守りに入る気配がない。アルビは大宮のDFラインの裏のスペースを突こうとするが、オフサイドにかかってしまう。
 中野を下げ、服部を投入し、より攻撃の比重を高める。
 柴、高橋、井上の3バックに、シンゴ、木沢がWBに入る3ー5ー2のフォーメーションに変え、よりサイドからの攻めを強化する。
 だがシンゴの調子が悪く、果敢にドリブル突破を試みるが簡単にボールを奪われてしまう場面が多い。
 中盤のこぼれ球を神田が拾い、そのまま左サイドをドリブルで攻め上がってくる。そして中央へセンタリング。近いサイドはシンゴが、中央では鳴尾が、ファーサイドでは服部が詰めている。だが浮気が鳴尾に振り切られそうになりユニを引っ張っているのが見える。PKになってもおかしくないプレーだ。ボールは浮気ともつれあって倒れた鳴尾の上を抜け、服部がトラップする。ここでホイッスルが吹かれる。判定は鳴尾のファール。不可解なジャッジにゴール裏から怒号と罵声が飛ぶ。両手を広げ、異議を唱える鳴尾。浮気が鳴尾をなだめるように肩をポンポンと叩く。
 シンゴに代え、堂森を投入し、4ー3ー3のフォーメーションになる。前線には鳴尾、神田、服部がならぶが、服部は消えている時間が多い。神田が積極的にボールを奪いにいっても、服部はほとんどボールを奪いにいかない。
 大宮は中盤でボールを回せるが、なかなかシュートまでもっていけない。後半の終盤にようやくシュートを放つが、吉原がファインセーブでシュートをキャッチする。
 オーバーラップした木沢がファーサイドへクロスを上げる。ファーサイドにいた服部は左足を大きく振り抜くが、ボールはほぼ真上に飛んでしまう。
 ロスタイムの表示が出始めた頃、時間稼ぎのためにコーナー付近でボールをキープしようとする大宮の選手から寺川がうまく体をいれてボールを奪う。そして中盤の選手へつなごうとするが、ここで痛恨のミスパス。ペナルティエリアの中で斎藤にボールをカットされ、そのままシュート。0ー2。ここで勝負あった。
 もうアルビの選手はボールを追いかけることもできない。完全に集中が切れてしまった。ここで試合終了のホイッスル。
 後半の始めに先制され、終了直後にパスミスから追加点を取られるという最悪の負け方。これでリーグ、カップ合わせて今シーズン10敗目となる。13試合で3勝10敗では監督解任、および新たに選手補強をおこなうなどのショック療法を行う必要があることは間違いない。この不調から立ち直れる「きっかけ」はそう簡単には手に入るとは思えない。

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