Back still growing up

  2000年5月27日(土)13:00キックオフ
於 新潟市陸上競技場
アルビレックス新潟 対 コンサドーレ札幌
 
 5月とはいえ太陽の日射しはとても強く、立っているだけで軽く汗ばんでくる。半袖の観客も増え、季節は春から夏へ移り変わりつつある。凍えるような寒さだったホーム開幕戦から2ヵ月がたつ。だが、まだホームで1勝しかできてない。現在ホーム4連敗中・・・。
 前節にダブルボランチを組んだ神田、寺川が警告累積のために出場停止。今日はケガから復帰した秋葉と井上がボランチに入る。左SBは中野ではなく、柴。3バックの左ではなく、純粋な4バックでの左SBだ。
 アルビのキックオフで試合が始まる。大きく右に蹴り出したボールは走り込んだ本間の頭上を越え、ラインを割る。
 札幌の注目選手はここまで15ゴールをあげているエメルソン。これはアルビの総得点よりも多い。そのエメルソンにさっそくボールが渡る。中盤でこぼれたボールをエメルソンが拾ってドリブル。しかし秋葉が後ろから追い付き、チェックにいく。だが捕えたのはボールではなく、エメルソンの左足。ファールとなり、秋葉に警告がでる。
 最初にチャンスをつかんだのはアルビ、中盤でドリブルするシンゴからスペースに走り込む服部へスルーパス。トラップし、1度右に切り返しDFをかわしてミドルシュート。だがシュートはポスト右に外れる。
 札幌の最初のチャンスはやはりエメルソンから生まれた。左サイドからペナルティエリアの中にドリブルで切り込んでくるエメルソンに高橋がチェックにいく。エメルソンが左足でボールをまたいだ瞬間、ガンという鈍い音がしてボールは逆サイドに転がっていた。
 何が起こったのか、理解するのに多少時間がかかった。エメルソンはボールをまたいでからすぐに右足でシュートを打ち、ボールはバーに当たってから逆サイドにこぼれた。とにかくシュートのときの足の振りが速い。大分のウイルがシュートの足の振りが速いと思っていたが、エメルソンはさらに速い。J2レベルではない。吉原がシュートにまったく反応できず、一歩もうごけなかったのは初めてではないだろうか。
 さらにエメルソンはドリブルの際、ボールがほとんど足から離れない。足を出すとことごとくファールになってしまう。
 札幌のCK。左サイドからアウミールの蹴ったボールは密集していたニアサイドの上を越えて、ファーサイドに流れる。ファーサイドで名塚がフリーでヘディングし、中央へ折り返す。そこへ播戸が頭で押し込む。ゴールライン上で木沢が体でブロック。手を上げてゴールをアピールする札幌の選手。木沢が左サイドにボールを蹴り出すと、左サイドにいた副審はフラッグを掲げながら、センターラインに向かって走り、ゴールのジェスチャーをしていた。
 副審のジェスチャーで主審はゴールの判定をする。当然、主審を囲んでアルビの選手達が抗議している。木沢は副審へ抗議。主審は副審に確認し、あらためてゴールの判定を下す。
 しぶしぶキックオフで試合を再開するが、選手達は明らかにジャッジに不満を抱いている。特に木沢は完全にやる気を失って、ほとんど走らなくなっている。自分の後ろのスペースを突かれても、歩いている木沢にスタンドから罵声が飛ぶ。
 あきらかに足が止まったアルビだが、札幌も追加点を奪うほどの攻撃ができない。アウミール、ビジュ、エメルソン以外の選手はほとんど攻撃にからめていない。
 左サイドでシンゴが再三ドリブル突破をみせるが、かわした後に削られる場面が目立つ。足を削られるというより、体全体を吹き飛ばされてるような削られ方だ。悪質なタックルに主審が警告を出す。
 1本の縦パスでDFの裏へ抜け出たアウミールが左足でシュートを狙うが、完全にミスキックとなり、ボールは大きくワクをそれる。
 前半が終わる。雲がでてきて太陽が多少隠れ、すこしだけ涼しくなってきた。
 後半はアルビがフォーメーションを変えてきた。柴、高橋、セルジオの3バックに木沢、シンゴがWBに入る3ー5ー2だ。木沢はWBというより右の攻撃的MFといった方がいいのかもしれない。右サイドにはりついているだけではなく、中央でボールを受けるという意識が高い。
 アルビは木沢を中心にチャンスを作る。右サイドから木沢が中へドリブル、さらに空いた右サイドに柴がオーバラップし、センタリングを上げるが、ここはDFにクリアされる。
 さらに木沢が右サイドを再三切り込み、センタリングを上げるが、なかなかシュートまでもっていけない。
 木沢が右サイドへ切り込むとみせかけて、早めにクロスを上げる。ニアサイドで本間がスルーし、中央の鳴尾がシュートを放つが、DFにブロックされる。
 右の木沢に対し、左サイドのシンゴは前半に比べるとドリブル突破を仕掛けにいかない。攻撃が右過重になりつつあったが、井上に代えナシメントを投入することで左からの攻撃も増え始める。
 右からのCK。本間の蹴ったボールに中央でフリーの鳴尾がヘディングシュート。しかしシュートの瞬間、セルジオと交錯してしまい、シュートは大きくワクを外れてしまう。
 ボールを持ったGKに鳴尾がプレッシャーをかけにいくが、GKはボールを大きく前線に蹴り出す。ヘディングでボールを押しもどすが、鳴尾はオフサイドポジションにいるため、あえてボールを追わない。オフサイドと勘違いし、一瞬プレーの止まった札幌の選手をシンゴが追い抜き、左コーナー付近まで切り込む。それを見て鳴尾もプレーに参加。完全にフリーの鳴尾にパスが出る。ペナルティエリアの中から逆サイドにループ気味のシュートを放つが、わずかにポストの外。スタンドから大きなため息がもれる。
 今度は右サイドから木沢が同じようなシュートを放つが、これもワクを外れる。
 終盤、マルコ、堂森を投入するが状況は変わらず。札幌に退場者がでて、エメルソンが交代しても結局ゴールネットを揺らせないまま試合終了。
 これで引き分けをはさんでホーム5連敗。チャンスがあっても点が取れない。原因ははっきりしている。シュートがワクにいってない。
 次はアウエー仙台戦。「得意」のアウエー、さらに去年2勝の仙台スタジアムだが、まったく楽観できる状態ではない。

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