Back still growing up

  2000年8月12日(土)18:00キックオフ
於 山形県総合運動公園陸上競技場
モンテディオ山形 対 アルビレックス新潟
 
 昼間のうだるような暑さから一転して夕方は気温がぐっと下がり、スタンドには強風が吹き付ける。同じ日本海側の県とはいえ、夕方はおろか夜になってもなかなか気温の下がらない新潟とは明らかに違う気候だ。特に風は相当強くTシャツ1枚ではかなり寒い。ふと視線を上にうつすとバックスタンド上段に掲げられているフラッグがかなりの勢いではためいているのが見える。
 あまりの寒さと強風にメイン裏の通路のベンチで食事かたわらキックオフを待つ。プレーンドッグを食べながら、かすかに聞こえる場内アナウンスで両チームのスタメンを把握する。
 キックオフ10分前くらいになってメインスタンドへ戻る。相変わらず風が強く、コーナーフラッグがやぶれんばかりの勢いではためいている。ピッチ上もかなりの強風のようだ。山形のサポーターはゴール裏ではなく、バックスタンドの一角に密集しての応援のようだ。だが、密集したものの数が少なすぎて逆効果のような気がする。メインスタンドも山形側は空席が目立つ。
 新潟は前節とスタメンは変わらず。山形はなかなか成績が芳しくないせいだろうか。試合毎にスタメンがコロコロと変わる。今日はベテランの岩元に代え、新人の依田を抜擢、永井をトップ下におき、昨年のエース真下はベンチにも入っていない。
 審判団を先頭に選手が入場してくる。山形のホームのユニが青白なので、新潟はアウエーだが白ではなく、オレンジのホーム用のユニを着ている。写真撮影の後、選手がピッチに散らばる。
 山形のキックオフで試合が始まる。序盤から山形の選手の出足が良い。堀井が中央をドリブル突破しようとしたところへ高橋がもつれあうように倒してしまう。主審に呼ばれ、注意を受ける高橋。まだ始まって1分もたっていない。FKは西山が直接狙うがシュートは大きくワクをそれる。
 山形は堀井を中心に前線から激しいプレッシャーをかけてくる。新潟は本間、シンゴが上がり過ぎてパスコースが少なく、なかなか前線までボールを運べない。神田がワシントンに切り返しでかわされ、ミドルシュートを打たれるがボールはGKのはるか上空を越え、ピンチを脱する。
 続いて山形は右サイドからの攻撃が多い。エドウィンを起点に永井がからんでサイドを突破してくる。なんとか中野がクリアするが、CKとなる。キッカーは永井。ボールは簡単に木寺がキャッチする。
 新潟はナシメントがくさびになって神田から寺川につなぎ、ミドルシュート。だがボールはバーを越える。
 ピッチ上空でも相当強い風が吹いているらしく、山形のGKの蹴ったボールは空中でおしもどされてしまう。選手も落下地点が読めずにかなりやりにくそうだ。
 最初に決定的なチャンスをつかんだのは山形。永井のパスから右サイドを抜け出した堀井が中央へ低いセンタリング。中央でセルジオが戻りながら足を伸ばしてクリアにいくが、ジャストミートせずにボールはゴールに飛んでいく。木寺が素早く反応し、ギリギリでボールをかきだし、なんとかCKに逃げる。うなだれるセルジオの背中を木寺が笑いながら叩く。
 キッカーは永井。低く速いボールをニアへ送り込むと、体を寄せるセルジオより一瞬速く前に出た丸山がヘディングシュート。叩きつけられたボールはポストのわずか外側を抜けていき、なんとかピンチを逃れる。
 新潟は神田のオーバーラップからチャンスを作る。シンゴとのワンツーで上がってきた神田が前線へスルーパス。ナシメントがフリーで走り込むが、痛恨のトラップミス。トラップミスでこぼれたボールは山形のGKがなんなくキャッチする。腰に手を当て、うつむくナシメント。
 今度は神田からシンゴへパス。シンゴは一瞬タメを作ってから右サイドのスペースにボールを出し、ゴール前にダッシュ。ボールを受けた寺川は顔を上げ、敵味方の位置を確かめてから右足でクロスを上げる。ファーで待つナシメントの手前でDFと競り合いながら、シンゴがダイビングヘッド。山形のGKが必死で手を伸ばすも届かずボールはネットを揺らす。ここまでどちらかというと山形の方が押していただけに、山形の選手の表情は暗い。ひとしきり喜んだ後、ボールをセットしてキックオフのホイッスルを待つ山形の選手を横目にゆっくりと自陣に戻る。
 右サイドのエドウィンを起点に山形が押し込んでいるが、なかなかシュートがワクにいかない。焦ってミドルシュートを放つが、ことごとくボールはワクの外。
 逆に新潟がカウンターでチャンスをつかむ。DFの裏へ抜け出した鳴尾がGKの位置をよく見て右アウトサイドでループシュートを狙うも、ミスキックでシュートはワクをそれる。
 このあと、お互いにチャンスらしいチャンスもなく前半終了。1ー0で新潟のリードで後半を迎える。
 後半は新潟のキックオフで始まる。エドウィンに代え、吉田を入れてきた山形に対し、新潟の交代はない。キックオフと同時に山形が激しくプレッシャーをかけてくる。後半は風上だったのだが、前半以上に山形に押し込まれる。
 新潟は2トップに良いボールが入らず、攻撃の糸口をつかむことさえできない。ボールキープする永井にチェックしにいった寺川がユニをつかんでしまい、警告を受ける。FKをまたもやニアサイドで丸山に頭で合わされてしまうが、ボールはバーを越える。山形のシュートミスに助けれる場面が目立つ。
 新潟の攻撃。右サイド深く切り込んだ本間から木沢へパス。木沢はスピードを活かしてゴール近くまで切り込み、マイナスのパス。ここでフリーの神田が思い切りよくシュートを放つが、DFが体を投げ出してブロック、頭を抱える神田。
 新潟はリズムを変えるために神田に代えて、堂森を投入。だが流れは変わらず。むしろ悪くなっているようだ。あきらかにワシントンの頭に当たってからラインを割っにもかかわらず主審はCKを指示。副審はゴールキックを指していたのだが、CKにしてしまう。このあたりから主審の不可解なジャッジが増えてきた。1度アドバンテージを取ってから、ボールを奪われると遡ってアドバンテージを取ったファールをあらためて取るので選手の混乱はもちろん、観客からも不満がでる。
 新潟はカウンターから中野のミドルシュートや木沢のドリブル突破からのセンタリングを見せるがどうしても単発で攻撃に厚みがでない。
 山形は相変わらずシュートがワクにいかない。春先の新潟を見ているようだ。当時の新潟も打てども打てども入らなかった。そしてカウンターで失点し負けるというパターンに今は山形がはまっている。
 ナシメントに代わって深沢投入。早速ドリブル突破から左サイドを突破し、クロスを上げるがファーで合わせる人がいない。
 山形は依田の縦パスに反応した西山が一気に前線へとびだし、木寺と1対1となる。だが木寺が思い切りの良い飛びだしを見せ、西山と交錯。こぼれ球を木沢が拾ってクリア、ピンチを逃れる。
 新潟は右サイドの本間、寺川とつないで鳴尾へパス。寄せてくるDFに体を張ってブロックするとアウトサイドで深沢へダイレクトスルーパスを出す。深沢が角度のないところからシュート。だがここは山形のGKがファインセーブ、惜しくも止められてしまう。
 タイムアップまで山形は攻め続けるが結局、1点どころか1度もワクをとらえることができず、唯一のチャンスがセルジオのオウンゴールになりかけたクリアミスということになった。新潟も、特に後半、良いサッカーをやったとはいえないが、決定機を何回か作り、そのうちのひとつを決めることができた。この差が勝ち点3という大きな差となってしまう。
 水戸、鳥栖の敗戦でようやく9位から脱出するメドがたってきた。次の水戸戦に勝利することができれば確実に順位は上がる。前回日立との対決では痛い敗戦を喫しているだけにここは絶対負けられない。
 それにしても寒いスタジアム、寒いジャッジ、寒い内容。勝ち点3だけが唯一の救いである。この考えはすこしぜいたくだろうか?

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