百鬼夜翔 イン スペース
年表
2125.2.10 火星にて未知の物質発見される。いかなる分析も出来ないことから、モンスターからとって「モンストリウ ム」と名づけられる。モンストリウムは灰色で粘土状の物質である。容易に加工、分割ができる。
2126.9.10 日本の敷島俊郎博士によってモンストリウムが電気的刺激を受けることで周囲の重力場に影響を与えることが発見される。
2128.6.1 モンストリウム実用化製品の第一弾、0Gカーが発売される。以降次々と重力制御による新たな交通手段が開発される。
2141.5.10 ドイツのモンストリウム研究所が消失する事件起こる。
2145.3.9 アメリカのジョージ・ベクター博士が、膨大な電流を莫大な質量のモンストリウムに瞬間的に流すことでワームホールを作り出すことを発見する。2141年の事件は研究所がワームホールに落ち込んだものと推測された。
2158.9.20 ワープ航法の実用化。他の恒星へ探検船が派遣されるようになる。他の恒星系への移民の可能性が現実のものとなり、地球をひとつの国家とする統一政府設立の機運が高まる。
2170.7.30 地球連邦政府の誕生。
2180.11.16 最初の移民船団が派遣されるも失敗に終わる。移民船同士が衝突してしまったことが原因であった。
2181.3.20 最初の移民船団の失敗の原因が判明する。モンストリウム間には引力のようなものがあり、それはモンストリウムの質量が増大すると加速度的に強くなる。そのため移民船同士が衝突してしまったのだ。
2167.5.1 第2次移民船団は各船の間に十分な安全距離をとって派遣され、無事成功した。
2178.1.22 ゲートの技術が開発される。ゲートとは、自身でワームホールを作ることができない小型の宇宙船のために、代わって目的地へのワームホールを作る施設である。小規模の輸送は主にゲートが使われる。ただし、行った先にもゲートがなければ当然帰ってこれなくなる。また、ゲートは超小型のワームホールを定期的に作り、それを通して恒星間通信を行っている。
以降順調に移民が進み2300年代が百鬼夜翔 イン スペースの舞台となる。
百鬼夜翔 イン スペースの世界
上の年表は人類の宇宙進出について一般常識として知られていることです。ただ、妖怪及び妖怪の存在を知る人間にはもう少し真実を知っている可能性があります。
「モンストリウム」という名称は命名した人間の想像以上に真実に近いものでした。モンストリウムとは、実は妖怪に他ならないのです。21世紀が終わると人類はかなり欲求不満になっていました。ほとんどの技術が発展し、生活は便利になりました。しかし、宇宙旅行については21世紀初頭からほとんど進歩がありません。進歩がないからこそ最後のフロンティア、宇宙への憧れはますます強くなっていきました。そんな人々の想いがモンストリウムを生み出したのです。
モンストリウムの誕生は発見された直前です。発見されたというより、発見者の目の前に現れたというのが正解だったかもしれません。モンストリウムの大部分は一応鉱脈から掘り出されます。しかしそれは、昔から埋まっていたのではなく、そのあたりの土や岩が突然モンストリウムになるのです。土などが妖怪化してしまうのかもしれませんし、もとからあった土などはどこかに消えてしまうのかもしれません。
妖怪といえど、モンストリウムに意志はありません。ただ妖力としてオーラ隠蔽と重力を制御する力と非常に長距離の「門」を持っています。それが電気的な刺激を受けると発動するのです。人間が「ワームホール」という言葉を使っているものは実は妖力の「門」なのです。今のところ具体的なデータは作っていませんが、必要があれば妖具のルールで作ることができるでしょう。モンストリウムは大きいほど多くのCPで作ることができます。
最初の移民船団を失敗させたモンストリウムの引力のようなものとは、「妖怪は妖怪を呼ぶ」という現象の規模が大きくなったものです。
ですから、モンストリウムを二つ並べておけば磁石のようにくっつくというわけではありません。ワープ航法用に巨大なモンストリウムを積んだ船が2隻以上同じ方向に向かうと、人間がどんなに操縦に努力してもなぜか進路が交差していってしまうのです。ワープ航法に使えないくらい小さいモンストリウムや、電気的刺激を与えていないモンストリウムにはこういった現象はおきません。
百鬼夜翔 イン スペースの世界にも恒星間戦争(通常は地球人の子孫同士の戦争です)が起こりえますが、この現象のせいで艦隊戦は起こりません。艦隊で敵の惑星に攻め込めば、目的地に着く前に自滅してしまいます。そこで使用されるのが宇宙空母です。要するに、ワープ能力のある空母で多数の戦闘機を送り込んで勝敗を決めようというのです。場合によっては、ワープ能力のない小型の艦船を数隻空母にドッキングさせて、ワープ先で切り離し空母の護衛をさせることもあります。(こういう設定にしたのは、この方がPCが戦局を左右することのできるシナリオを作りやすいと思ったからです)
ゲートは戦争には使われません。ゲートは「キーパー」という組織が管理しています。キーパーは各惑星国家からは独立しています。すべての国家がゲート及びキーパーへの不可侵条約を締結しています。キーパーは戦争の際は中立を保ちます。戦争状態になっている惑星のゲートは封鎖され、他のゲートがその惑星にゲートを開くこともありません。
百鬼夜翔 イン スペースの世界では人類以外の知的生物は発見されていません。チンパンジー程度まで発達した生物ならばある程度は発見されています。とりあえず他の知的生物は設定しませんが、ファーストコンタクトのシナリオも作れるかもしれません。
どんな妖怪が存在するかは基本的にマスターとプレイヤーで決めてもらえばいいことですが(宇宙服の付喪神とか、小惑星上を走り回るターボじぃさんとか)ちょっと設定しておきたい妖怪がいます。グレイやスペースブラザーなどの宇宙人系の妖怪です。実際にこちらから宇宙人に会いに行ける状況になったとき、彼らの存在意義は失われてしまいました。けれど彼らが滅びてしまったわけではありません。スペースブラザーは人間の中にとけこむことを選びました。彼らは普通にPCとして使えるでしょう。グレイはある意味、本当の宇宙人になりました。彼らはまとまってとある惑星に行き、そこで生活を始めたのです。今では普通に生殖能力を持っています。人間の宇宙人への恐怖が薄らいでいった結果、彼らの性格もだいぶ穏やかになってきました。今のところ彼らの住む惑星を人類は発見していませんが、いずれはファーストコンタクト(?)が起こるかもしれません。
あとがき
思い付きから設定を考え始めたら、結構発展してしまいました。ゲームとしてはテストしていないので、実際に使えるかは未知数です。ちょっとゲームがワンパターンになってきたかなと思ったときにでも使ってみてください。