◎地球上での各種平面直交座標系と経緯度の相互変換ソフト 内容物 ○必ず必要なもの TMconv.exe:本体 prj-list.txt:投影図法リスト ○必ず必要だけど書き換えたり書き加えたり出来るもの earth-sz.txt:地球楕円体についてのパラーメーターリスト gridlist.txt:下記の直交座標系パラメータリストのリスト utm1grid.txt:UTM直交座標系のパラメーターリスト(西半球北側) utm2grid.txt:同上(東半球北側) utm3grid.txt:同上(西半球南側) utm4grid.txt:同上(東半球南側) eur0grid.txt:ヨーロッパ各国の直交座標系パラメータリスト(フィンランド,その他) eur1grid.txt:同上(北ゲルマン系諸国) eur2grid.txt:同上(ゲルマン系諸国+スイス・ベルギー) eur3grid.txt:同上(ロマンス系諸国) grid.txt:その他の国の独自直交座標系パラメーターリスト ○参考資料 error-dt.txt:手持ちの地形図や資料等を元に、このソフトで計算した値を 地図上で実測した直交座標値または経緯度値、測地当局が計算した値 と比較して、誤差を確認したデータ ○長い前置き 日本では1万分の1以上の地形図・国土基本図・都市計画図 くらいでしかお目にかかる事がありませんが、 地図上での位置表示に経緯度ではなく平面直交座標系を用いる 場合があります。 回転楕円体面である(というか回転楕円体で近似している)地球を 平面(紙)へ射影しても、全ての点で正しく表示出来る訳ではありませんが、 その図法の中心辺りの狭い範囲であれば「ほぼ正しい」と みなすことが出来ます。そこに直交座標を入れて位置を表示するのです。 ほとんどの場合は座標原点での真北をY軸にとっていますが、 Y軸上以外では当然「真上が真北」とは限らなくなります。 欧州は比較的小さな国が多く、日本と面積があまり変わらない イギリス、フランス、スウェーデンでも、日本と違って一箇所に 集まって広がりが狭いので、1つの直交座標で全土を表示しています。 比較的東西幅があるドイツ、オーストリアでは、複数の直交座標を 使って全土をカバーしています。経緯度よりも直交座標の方が通りが よい国もあります。 日本でも、大縮尺地図用に直交座標系が設けられていますが、 19もの座標系を設けてあります。 細かい島を含めると非常に広い範囲に散らばっており、 主要部である北海道から沖縄にかけても「経緯度線に対して斜め」 に伸びているために、都合のいい射影方法がかなり特殊なものに 限られてきます。そのため 「北海道、沖縄、離島を除いた都府県は1つの座標系に収まる」 ように、19もの座標系を設けてあります。 さて、国によっては直交座標の方が通りがよく、道路地図に 直交座標が書かれていて、経緯度が書かれていない場合もあります。 そこまでいかなくても、地図全体に直交座標による方眼が引かれて いる事が多数あります。 自分の知りたい位置の経緯度を求めるには、その付近の経緯度線の間隔を 定規で測り比例配分しなければなりませんが、 直交座標であれば地図上の長さを測って縮尺を掛ければ終わりです。 さらに1km間隔等で方眼が引かれていれば、小さな定規で十分です。 その一方で、天文観測などで、あくまでも経緯度を知りたい事があります。 直交座標なら小さな定規で正確に測れるのに、経緯度を求めるには 広い机と長い定規で線をひっぱり比例配分しなければならない、 そもそも経緯度が書いてないなら求められない。 そんなアホらしい事態をスウェーデンで経験したので、 平面直交座標と経緯度を相互計算するソフトを作っちゃいました。 長い前置きは終了。 ○使い方 1.初心者用 1)横線で区切られた上の側に4つのダウンドロップリストがあります。 そのうち一番上左側の「projection」はとりあえず無視。 他の3つが上から 「直交座標系リスト地域分類」 「(上ので選ばれた地域の)直交座標系リスト」 「準拠楕円体リスト」 です。 この中に必要なデータがある時は、それぞれを選べば設定終了です。 しかしながら、手持ちの地図に対してどのデータを使うべきかが 意外と分かりにくいのです。 1a)座標系選択 大きく分けて、国際標準として決められた 「ユニバーサル横メルカトル図法直交座標系(UTM直交座標系)」 と各国が独自に定めた直交座標系とがあります。 しかしながら、オーストラリアのように 国内用座標系としてUTMを採用している国もあります。 オーストリアのように、以前使っていた独自の座標系も併記しながら、 最近の測地系変更に合わせてUTMの方に力を置いている国もあります。 フィンランドのようにUTMの横軸方向に1000km単位の数字を独自に加えて、 他のUTM座標(ゾーン)と区別している国もあります。 ヨーロッパ全体をカバーする直交座標としてED50、ETRS89-TMがありますが、 実はUTMと同じです。 注意書きの中にUTMであるとはっきり書いてあれば問題ないのですが、 名前が一見独自座標系のように見えて、実はUTM(のちょっとした変形) である事もあります。 その辺りは調べるか、数字を見て直感で気付くか、そんなもんです:-) 一番上のダウンドロップで「UTM」+「NW,NE,SW,SE」と、 地球を東西半球の南北で4区分して入っています。 その中から該当する地域のものを選ぶと、 2番目のダウンドロップで、該当地域のUTM座標ゾーン30個から選べるようになります。 ゾーン番号の横に経度が書いてありますが、これがUTM座標の中心経度で、 その±3度のエリアがそれぞれの対象エリアです。 (緯度が高い地域、国土が少しだけはみ出す場合などに一部例外あり) 各国独自の座標系の場合は、一番上のダウンドロップの「UTM」の下に 地域名が書いてあるのでそれを選ぶと、2番目のダウンドロップで 国名、座標系名称(複数座標系で全土をカバーする場合は番号)、適用楕円体名が 書かれたリストが選べるようになります。 最近発行された地形図ならば、地形図のどこかに座標系名称が書かれています。 (当然現地語で。スイスでは対象地域の言語でしか書かれてません。) なお、一部の国に「(首都名)=0」と書かれた座標系がありますが (フランス、ノルウェーなど)、これはグリニッジが国際標準子午線と 決められる前から測量をしていた時の基準子午線を、 未だになんらかの基準として使っている国の座標系で、 場合によってはグリニッジ基準よりそっちを使った方が使いやすいもの について、一応取り上げてあります。グリニッジ基準のも入れてます。 フランスの場合にはパリ基準の上に、角度の単位もgrad(直角=100grad) だったりしますが、gradを度に変換するのは0.9をかけるだけなので、 単位の変換は自分でやってください:-) 2a)楕円体選択 問題は回転楕円体の選択です。現在は新しい研究成果や技術を元にした 新しい測量体系への移行期に当たり、一枚の地図に新旧のデータが 入り混じっている状態だからです。 たとえば10年くらい前のフランスの地図には、フランス独自の座標系の他に UTM座標が表示されていますが、これは「ヨーロッパ基準1950(ED50)」に 基づくもので、Hayford1909楕円体を使って計算されています。 度分秒で表示された経緯度もED50に基づくものです。 一方でフランス独自の座標系とgrade表示の経緯度は改訂Clarke1880楕円体です。 そのため、経緯度決定の時期の違いも含めて、 緯度をgradeから度分秒に換算しても微妙にずれます。 最新のオーストリアの地形図ではWGS-84楕円体という新しいデータで 経緯度とUTM直交座標が計算され表示されています。 オーストリア独自の直交座標系が一応外枠に書かれていますが、 これはBessel1841楕円体に基づき計算されたもので、加えて 古い経緯度測定に基づき計算されたものなので、地図に書かれた 最新データによる経緯度で計算しても一致しません。 古い測定による経緯度は表示されていません。 日本の大縮尺用直交座標系の場合、測量法改正前と後とで 座標系の定義パラメータは全く変わってませんが、 適用する楕円体や基準点経緯度が変わっているため、 取り違えると400m以上の誤差が出ます。 地形図内には「○○測地系、○○座標系に基づく」とだけ書かれて、 具体的な楕円体名が書かれていない場合も少なくありません。 この場合は他の手段で測地系データを入手する必要があります。 (大抵はネットで手に入りますが、当然現地語、良くても英語です) 座標基準点がその土地に近い場合は、楕円体が違っても それほど大きなずれにはなりませんが、 Y軸に関しては「赤道からの距離」である事も非常に多く (UTMなど横メルカトル図法の場合など)、 その場合は意外と大きなズレになる事もあります。 3)計算 座標系と楕円体を選んでしまえば(座標系が元にした経緯度と地図に 載っている経緯度の決定年の違いはあるものの)、あとは簡単です。 3a)経緯度(60進数表示)を代入して、すぐ下の「By Polar Coordinate(Sexagesimal)」を押す。 3b)経緯度(10進数表示)を代入して、すぐ下の「By Polar Coordinate(Decimal)」を押す。 3c)直交座標系での座標値(km単位)を代入して、すぐ下の「By Rectangular Coordinate」を押す。 そうすれば線より下の他の欄が埋まります(だたし3a)と3b)の場合は「Error」は空白)。 3つある座標表示形式は同じ点に対する値になります。 ただし3c)の場合は漸近計算をして途中で打ち切るので、 代入した値と表示している経緯度との計算上の誤差をm単位で表示します。 一応10cm以下になるようにしています。 (あくまで計算打ち切りによる誤差だけであって、実地での誤差ではありません) その他に、Y軸上以外は真上が真北になりませんが、そのずれ角を 度分秒、度(10進数表示)、加えて作図や計算のしやすさなどを考えて その角度のtangent、以上の3種類で表示します。 また地形図に使われている図法は多くが正角図法で、角度の歪みは生じませんが、 場所によって長さ(縮尺)の変化します(多くは原点を離れると大きくなる)。 その倍率と、射影後の緯度1秒を表示します。 求めた経緯度等は、どの測地系によるものか注意して扱う必要があります。 他者への報告用ならば、明確に準拠楕円体と測地系を指定した方が良いでしょう。 自分が行う天文観測の計算に使う場合、世界測地系ではなく古い測地系の場合が 結果的に良い場合があります。古い測地系は世界測地系に対してずれがありますが、 そのずれの原因が「重力の方向が歪んでいたため」等の場合があり、 世界測地系を用いて正確に把握できない重力誤差を取り除くよりは、 重力誤差を結果的に取り込んでいる古い測地系の方が合っている事もあります。 なお国によって、座標を表す「X,Y」の扱い(どちらが東西方向でどちらが南北方向か) が違う事もあります。おまけにX座標より先にY座標を書く国もあります。 よく確認しましょう:-) 2.非初心者向け 見れば分かるでしょ。といいたいところですが。 1)対応図法は TM:横メルカトル図法 OM:斜メルカトル図法(スイス用) LC:ランバート正角円錐図法(2基準緯度) L1:ランバート正角円錐図法(1基準緯度) SC:準拠楕円体を球に正角射影して、その球を平射図法で投影する(オランダ用) CS:カッシーニ・ソルドナー図法 座標中心となる経緯度を入れて、Scaleファクターを入れて、 擬似原点へ動かすためのシフト量を入れて、ランバート正角円錐図法ならば 二つの基準緯度を入れて、終了です。 2)準拠楕円体に対しては4つの枠がありますが、 そのうちの2つ(少なくともひとつは赤道半径か極半径)を指定すれば、 後は勝手に計算します。他のパラメータをすぐに知りたい場合は、 「Calculate」ボタンを押せば出ます。 4)精度 計算自体の精度は、いわゆる「倍精度計算」で行ってますが、 式がかなり入り組んでいるために、誤差の蓄積に関しては正確には把握しておりません。 各国測地当局のドキュメントにある計算例などと比較すると(error-dt.txtの前半)、 スイスのように計算する上での原点が近くにある図法であればかなり高精度です。 横メルカトル図法とカッシーニ・ソルドナー図法の場合は、 原点がどこにあっても、まず赤道上を原点とする値を計算して、 赤道から原点分までの距離を後から差し引いて、擬似原点シフトを加えるという計算を 行っているために、Y座標(南北方向)は一旦数千キロ(最大1万キロ)の値を取ります。 そのためにX座標(東西方向)に比べて1〜3桁精度が悪いようです。 計算誤差がメートル単位に及ぶ例はないようですが。 手持ちの地図から経緯度と直交座標値を読み取り、計算値と比較したデータ (error-dt.txtの後半)を見ると、 横メルカトル図法(ガウス・クリューゲル図法)ではほぼ読取誤差程度です。 ランベルト正角円錐図法は、フランスの地図が比較的良い割に ベルギーの地図でずれが目立ちますが、パラメータ設定が悪いのか、 地図に問題があるのか、北極に原点があるため誤差が増えているのか、 現在調査中。どうも座標計算に使った経緯度と表示している経緯度の 計測時期が違うような感じですが。 ちなみに、最初は日本の国土地理院の資料を使ってプログラム書きましたが、 どうしても計算が合わないので不審に思い、ベルギー国土地理院のサイトから オランダ語の資料を持ってきて比較したら、括弧の使い方がずれてましたよ。 スイスは斜メルカトル図法という特殊な図法を使っており、 スイス連邦地理局のサイトから計算式を持ってきて計算してますが、 2万5千分の1で緯度方向に1秒程度の誤差が出ています。 図法自体が特殊で他との比較のしようがないので、原因は現在不明。 オランダも、楕円体を一旦球に変換して平射する特殊な図法で、 地図が手元にないので評価不能。 ========================================================= Reference 赤道から各緯度への子午線長,緯度1秒の長さ:理科年表平成16年版(国立天文台編,丸善,2003) 横メルカトル図法:数値地図ユーザーズガイド(建設省国土地理院監修,財団法人日本地図センター,1992) ランベルト正角円錐図法(2標準緯線):ベルギー国土地理院のサイト(http://www.ngi.be/)より,Transformation_Geographic_Lambert_NL.pdf ランベルト正角円錐図法(1標準緯線):http://remotesensing.org/geotiff/proj_list/ 斜メルカトル図法:スイス連邦地理局のサイト(http://www.swisstopo.ch)より,swiss_projection_de.pdf カッシーニ・ソルドナー図法:http://www.posc.org/Epicentre.2_2/DataModel/ExamplesofUsage/eu_cs34g.html オランダ用平射図法:www.ncg.knaw.nl/Publicaties/Groen/pdf/43Referentie.pdf 準拠回転楕円体のパラメータ:理科年表平成16年版(国立天文台編,丸善,2003),他各国測地当局のサイト 各国平面直交座標系のパラメータ:各国測地当局のサイト 及びhttp://www.ncc.up.pt/gpsman/gpsmanhtml/manual/html/GPSMandoc_27.html ========================================================= 2007/10/27:公開 2007/11/09:平面直交座標>経緯度の漸近計算打ち切り基準を10cm以下に変更, 真北とグリッド縦線との角度のradian表示をtangent表示に変更, 「地図上の1分の長さ」を「地図上の1秒の長さ」に変更, カッシーニ・ソルンドナー図法とオランダ用平射図法とランベルト正角円錐図法(1標準緯線)を追加, 楕円体とグリッドデータを数カ国追加,座標と図法が増えすぎたのでインターフェースを変更 2008/03/03:フォントをMS UI Gothic 14point から Arial 12pointに変更。 それに伴いレイアウトを変更 2008/04/25:レイアウト微調整 ========================================================= Apr-25th,2008 ftcenter@mth.biglobe.ne.jp http://www2s.biglobe.ne.jp/~ftcenter