画像が多いので開くのに若干時間がかかります。




傷病鳥獣保護ボランティア


   短期里親の記録

    =「ドラ(ムクドリ)」編=
 


    おいらがムクドリのドラ


10 月
 



10月 1日(木) 今日も雨

 秋雨前線の影響で雨空である。時より激しく降る。
 延期。


10月 2日(金) 放野    雲一つない晴天

 余りにもあっけない別れでした。

 朝、水浴びをさせ、おめかし。その後好物のミルワームや果物をたっぷり食べさせ、昼頃裏山に連れていきました。昨夜の雨で足元はグチャグチャ。滑りながらもやっこらさとと登って行くと雑木林の入り口に到着します。しかしこの季節は草がボウボウと生い茂り林の中には入れません。やむを得ず林の入り口で放鳥することに。

 きっと鳥かごから出たら地面の上か、またはすぐ近くの木の枝に止まっておずおずとあたりを見回すのではないか。その時に記念の写真を1枚……なんて考えていた私の思惑はものの見事に外れました。扉を開けたとたん、ピューッと一直線に一番遠くの杉木立のてっぺんめがけて飛んで行ってしまいました。余りの素早さにカメラを向ける暇なんか全くありませんでした。

ドラにとってよほど嬉しかったのでしょう。しばらくオナガの声に混じって、ドラが高らかに歌う声が聞こえていましたが、やがてそれも静かに。「ドラちゃん」と数度呼んでみましたが全く反応なし。10分ほど待っていると杉木立の間を飛び回っている姿が見えましたが、それも一瞬のこと。やはり写真は撮れませんでした。

 でもこれでよいのでしょう。こんなにも力強く飛び立ってくれたことを嬉しく思います。もう10月に入ってしまいましたが、足元からはまだまだコオロギやバッタが飛び出します。蝶々もトンボも飛んでいました。それに今日は小鳥の声がとてもよく聞こえます。オナガとヒヨドリ、山鳩の姿も見かけました。ムクドリは見かけませんでしたが、きっといることでしょう。
 早く新しい環境に慣れて、強くたくましく元気にやっておくれ!!


裏山はこんな雰囲気です


この杉木立の中に飛んで行きました。
裏山の林のはずれに小さな神社があります。神社といってもほこらだけの小さな神社です。その御神木なのです。



ドラを今日放野しました。

昨日の夜、いつものように部屋を飛び回り、パソコンをたたく私の手を嘴で突つき、肩に乗り、耳たぶを噛み、そして、こう言いました。

 おいらさ、もうすぐ仲間のところに行くけどさ、
 おいらのことを応援してくれたみんなに言ってほしいんだ。
 たぶんおいらはみんなのこと忘れちゃうかもしれない。ごめんよ。
 でも、みんなにはおいらのこと覚えていてほしいんだ。
 だから、おいらたちが空飛んでいるところをみかたけら、手を振ってくれって。
 一番元気に飛んでいるのがおいらだよ。


ムクドリのドラは、私たちに貴重なメッセージをたくさん残して、
今日無事に帰っていったのです。彼のいるべき場所に……。


長い間の応援ありがとうございました。


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