Python for Delphi について
  1. それって、なに?

    まずPython for Delphi以前に、PythonとDelphiが何であるか説明しないといけないですね。

    1. Pythonって、なに?
      Pythonとは、オブジェクト指向のプログラム言語(スクリプト言語)です。 日本Pythonユーザ会のページのプログラミング言語 Pythonの紹介あたりを見ていただくと詳しく書いてあります。
      あー、やっぱPythonという名称はモンティパイソンから取っているんだね。どうりで例題のモジュール名がspamばっかりなわけだね。
      フリーソフトですから、誰でも自由にダウンロードして使うことができます。またマルチプラットフォームで使えるので、UNIX, Windows, Macintosh等で同じスクリプトを使い回すことも可能です。 もちろん各プラットフォーム特有の機能を使った場合には、そうはいきませんが。
      ちなみにWindows版ではwin32拡張モジュールを使ってCOMなんか使えます。 つまり、実行すると自動的にMicrosoft WORDを起動して、とある文書のテンプレートのしかるべき場所に適切な文字を自動的に挿入して保存や印刷を行うようなPythonスクリプトを書くことも可能です。

    2. Delphiって、なに?
      Delphiとは、ボーランドが開発した、いわゆるRAD(Rapid Application Development)ツールで、プログラム言語としては伝統ある同社のTurbo Pascalに源流を持つObject Pascalが採用されています。 Object Pascalと同時にVCL(Visual Component Library)を使うことによって、Visual C++なんかだとたいそうめんどくさいウィンドウアプリを結構お手軽に作成できてしまいます。
      元々これは売り物なんだけど、Delphi 6からPersonal版は無料でダウンロードして使うこともできるようになりました。(4800円でパッケージとしても販売しています。) Personal版の他にはProfessional版とEnterprize版もあって、こちらは(当然)販売のみです。Professional版で6万数千円くらいかな。

    3. で、やっとPython for Delphiに話が戻るけど...
      Python for Delphiは、その名の通りDelphiでPythonを使えるようにするソフトウェアです。 Python自体がフリーですから、当然Python for Delphiもフリーでダウンロードして使えます。
      これを使うと、Delphiで作るプログラム内にPythonスクリプトを埋め込むことができます。Pythonは元々、他のプログラム言語で機能追加モジュールを記述することが可能ですから、Python for Delphiを使うことによって、Delphiで作成するPascal言語からPythonの機能を呼び出して使うことも、Pascal言語で記述されたDelphi内の機能をPythonから呼び出して使うことも、どちらもできます。
      もともとDelphiにはHyperTerpというPascal風のスクリプト言語があったのだけれど、どうもHyperTerpはもう新しくならないようで(私、新参者なので正確なところわかりません。ご存じの方教えてください。)、さる会社のとある製品を設計・開発しているプロジェクトはHyperTerpからPython for Delphiに乗り換えた模様。


      続く