きれいな赤色や青色のアジサイ。 京都府立植物園にて。 |
アジサイは梅雨の頃になるときれいな色の花を咲かせ、うっとうしい気分を払いのけてくれます。
昔から土が酸性だったら赤とかアルカリだったら青とか、また、その反対であったり色々と
言われていますが、土の酸度だけで決まってしまうというものではありません。同じところに
咲いているアジサイが両方の色で咲いている場合もあります。
アジサイに含まれている色素は、基本的には赤色になりやすいです。これがアルミニウムと結合すると、
青色に変化します。アルミニウムは酸性土壌で溶けやすいので、結果として青色になり、アルミニウムが
溶けにくい弱酸性・中性で赤くなります。
アルカリがきつくなってくると、肥料が吸収できにくくなり、葉色は悪くなってきます。また、
品種独自の色(赤系統、青系統、白系統など)もありますので、同じように反応するとは
限りません。
液肥をやる場合、赤系統にはリン酸の多い目のものを、青系統には反対に少ないものを使います。
肥料としては、赤系統には、アンモニア態窒素を中心にやります。これは、アルミニウムを
溶けないようにするので、リン酸肥料とで鮮明な赤色が出ます。9-10月の花芽分化期頃から、
土に混ぜておけばよいと思います。
挿し木苗などの鉢植えの場合は、秋まで液肥中心に育苗し、秋には肥料をやめ、春先の鉢上げの頃、
用土の酸度を調整したものに植えます。過リン酸石灰、苦土石灰(両方ともアルカリ)などをまきます。
植物園でも地植えのアジサイの場合、1年前から、土壌処理をしているようです。