最近のダイオキシン問題 |
1.はじめに 最近、我が国においてもダイオキシンに関する話題が大きく取り上げられ、社会問題ともなっている。特に都市ゴミ焼却炉から放出されるダイオキシンは、これにより近隣住民の健康が今にも侵されるかのような不安を与えかねない報道がなされている。 はたして、ダイオキシンが環境中にそれほど危険な物として存在しているのであろうか。 また、我々人類は昔からダイオキシンを摂取してきたであろうことは科学者の間ではかなり以前から分かっていたのに、最近特に問題視されるようになったのは何故であろうか。 ここでは、ダイオキシン問題に日本で最も早くから関与してきたかがくしゃの一人として、この問題を科学的視点に立って論じてみたい。 <ダイオキシン問題の歴史>
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2.化学物質の毒性 急性毒性と慢性毒性 天然化学物質でも合成化学物質でもすべての物質は有毒である。人体に影響があるかどうかはその毒性と摂取量によってきまる。 人体への影響 = 物質の毒性 * 摂取量(暴露量) ダイオキシンは急性毒性も慢性毒性(特に発ガン性)も極めて大きいが、環境中の存在量や人体の摂取量は極めて小さい。 |
分析機器の農薬に対する感度と試料中の濃度 (原図は住友化学工業(株)より提供) |
1 | % | ppm | ppb | ppt | |
百分の1 | 百万分の1 | 10億分の1 | 1兆分の1 | ||
1g | 1μg | 1ng | 1pg | 1fg | |
1kg(L) | 10g | 1mg | 1μg | 1ng | |
1000km | 10km | 1m | 1mm | 1μ |