【学校給食の食品衛生(学校給食共同調理場を含む)】



検査項目
T 学校給食施設
U 学校給食設備及びその取り扱い状況
V 学校給食従事者の衛生管理状況及び検食、保存食の状況
W 学校給食用食材等の検収・鑑別・受取り・保管の状況
X 学校給食における衛生管理体制及び活動状況

T 学校給食施設

検査回数
検査は、毎学年1回定期に行う。
検査事項
検査は、次の事項について行う。
給食施設の位置、使用区分、構造及び調理場内の衛生状況
検査方法及び判定基準
 給食施設の構造及び附属設備の管理については、建物の位置、使用区分等、建物の構造、採光、通風、換
気、防そ、防虫、建物の周囲の状況、給水設備、厨芥容器、清掃用具及び便所等について衛生的であるか、又
は能率的であるかどうかを調べる。その際、次の点に留意するとともに第1票を参考に判定する。
(1) 施設の構造・機能
施設は、検収、保管、下処理、調理、配膳、洗浄の作業区域に区分されていること。

 
 
 
調理室内は、別紙「汚染作業区域と非汚染作業区域の区分の基準」により明確に区分され、床の色
分け、衝立の設置等により作業動線が明確になるよう工夫され、これらの区域の交流を少なくした配
置であること。
また、調理室内等への出入り口には、エアカーテン、エアシャワーを備えていること。
調理室等は、内部の温度及び湿度管理が適切に行える空調等を備えた構造であること。

 
配膳室は、外部からの異物の混入を防ぐため、廊下等と明確に区分されていること。また、その出入
り口には、原則として施錠設備を設けていること。

 
搬入された食品等の保管場所は、適切な温度及び湿度管理がなされ、かつ衛生面に配慮した構造
であること。
食品保管施設は、食品の搬入・搬出に当たって、調理室を経由しない構造・配置であること。

 
 
学校給食従事者専用手洗い施設は、衛生的であるとともに、使いやすい位置にあること。また、出入
り口、作業途中、作業区分ごとに手指の洗浄・消毒を行うための施設又は機器が適所に設けられて
いること。

 
履き物の消毒設備(履き物の交換が困難な場合に限る。)は、各作業区域の入り口手前に設置され
ていること。

 
 
学校給食従事者専用の便所(出入り口の扉は自動ドア、便器は自動洗浄装置付きが望ましい)は、
調理室から直接出入りできない構造であること。また、専用の手洗い設備及び履き物を備えている
こと。

 
学校給食従事者専用の便所、休憩室及び更衣室は、隔壁により食品を取り扱う場所と必ず区分され
ており、調理場等から3m以上離れた場所に設けられていること。

 
給水栓(蛇口)は、直接手指を触れない給水・給湯方式(レバー式、足踏み式、自動式等)であるこ
と。

 
床面に水を使用する場合にあっては、適当な勾配(100分の2程度)及び排水溝(100分の2から4
程度の勾配を有するもの)を設けるなど排水が容易に行える構造であること。

 
排水溝は、詰まりや逆流がおきにくい構造・配置であること。また、日常的に洗浄が行える構造であ
ること。
廃棄物の保管場所は、調理室外の適切な場所に設け、廃棄物専用の容器を備えていること。

 
学校食堂・ランチルームには、児童生徒等の手洗い施設が設けられ、さらに手指の洗浄・消毒を行う
ための器具が設けられていること。
(2) 施設の衛生状態
天井の水滴の有無、落下防止の状況、特に黒カビの発生に注意すること。

 
給食施設の日当たり状況及び夏の直射日光を避ける設備について調べる。給食施設は、十分な明
るさが確保されていること。

 
 
調理室等の通風及び換気設備、その位置、効率及び故障の有無などについて調べる。調理室等の
換気は十分であること。なお、調理室等は、十分な換気を行い、湿度80%以下、温度は25℃以下に
保たれていることが望ましいこと。

 
 
 
 
学校給食施設においては、ねずみ、はえ、ごきぶり等の侵入・発生を防止するため、侵入防止処置
が講じられているとともに、補修、整理、整とん、清掃、清拭、消毒等衛生保持に努めていること。
また、ねずみ、はえ、ごきぶり等の発生状況を1ヶ月に1回以上巡回点検するとともに、ねずみ、は
え、ごきぶり等の駆除を半年に1回以上(発生を確認したときにはその都度)実施し、その実施記録
が1年間保管されていること。
建物の周囲の状況、給水設備、排水設備、厨芥容器、清掃用具及び便所等が衛生的であること。
事後措置
(1)
 
施設の構造に欠陥又は故障箇所があれば、速やかに改善、修理するなどの適切な処置を講じるようにす
る。
(2) 周囲の状態が不良であれば、速やかに適切な処置を講じるようにする。

U 学校給食設備及びその取り扱い状況

検査回数
検査は、毎学年3回定期に行う。
検査事項
検査は、次の事項について行う。
(1) 学校給食従事者専用手洗い設備
(2) 使用水
(3) 流し
(4) 食器具類
(5) 食器洗浄状況
(6) 食器消毒及び保管状況
(7) 調理用機器・器具類及び保管状況
(8) 包丁及びまな板類
(9) 冷蔵庫、冷凍庫、食品保管庫及び食品保管場所
(10) 温度計及び湿度計
(11) 残菜入れの有無
(12) 日常点検の記録の有無
検査方法及び判定基準
検査は、次の点に留意するとともに第2票を参考に判定する。
(1) 学校給食従事者専用手洗い設備
学校給食従事者専用手洗い設備は、衛生的で清潔であるとともに使いやすい位置にあり、石けん、消毒
薬、ペーパータオル等が常備されていること。
なお、タオルの共用はされていないこと。
(2) 使用水
使用水については、本基準に定める飲料水が使用されていること。

 
 
使用水に関しては、始業前及び調理作業終了後に、遊離残留塩素が、0.1r/g以上であること
及び外観、臭気、味等について水質検査が実施され、記録されていること。使用に不適な場合には
、速やかに改善措置が講じられていること。
水質検査の記録については、1年間保管されていること。

 
貯水槽を設けている場合は、清潔を保持するため、専門の業者に委託して、年1回以上清掃されて
いること。なお、清掃した記録(証明書等)は1年間保管されていること。
(3) 流し
流しは、食品洗浄用と食器具洗浄用とに区別されるとともに、食品洗浄用流しは、下処理用と調理用に
区別されていること。また、給食取扱量に応じて、ゆとりのある大きさ、深さがあり、食品相互の汚染が
起きないよう、衛生的、効率的に区分して使用できる多槽式構造であること。
 なお、必要に応じて調理用器具洗浄用の深い流しを備えることが望ましいこと。
また、食器具洗浄用流し及び野菜洗浄用の流しは、3槽式であること。
 流し等の排水口は、排水が飛散しない構造であること。
(4) 食器具類
食器具、容器、調理用機械器具(特に、まな板、しゃもじ、竹ざる等の木製器具及び包丁)は、損傷の状
況について十分注意されていること。
 調理後食品の一時保管のための保温食缶・保冷食缶が整備されていること。
(5) 食器洗浄状況
食器洗浄の方法を調べ、さらに、洗浄を行った食器を任意に数個ずつ抜き取り、でんぷん性残留物及び
脂肪性残留物の検出を行う。
 食器の洗浄は適切に行われ、洗浄後の食器から残留物が検出されないこと。
(6) 食器消毒及び保管状況
食器の消毒は、煮沸消毒、熱風消毒その他の確実な方法で行われた後に、衛生的に保管されているこ
と。
(7) 調理用機器・器具類及び保管状況

 
 
食肉類、魚介類、野菜類、果実類等の食材の種類ごとに、それぞれ専用の調理用機器・機具類を
備え、調理用機器・器具類は下処理用、加工調理用、調理後食品用等処理の過程ごとに区別され
ていること。

 
調理用機器・器具類は保守、洗浄、消毒等が容易な材質、形式、構造で、常に清潔に保たれ、衛
生的に保管できるものであること。

 
すべての移動性の器具・容器は、衛生的に保管するため、外部から汚染されない構造の保管設備
が設けられていること。

 
献立や調理内容に応じて調理作業を合理化する調理用機器(焼き物機、揚げ物機、真空冷却機、
中心温度管理機能付き調理器等)を備えていること。
調理用機器・器具類は、給食人数に適した大きさと数量を備えていること。
(8) 包丁及びまな板類

 
包丁及びまな板類は用途別(下処理用及び調理用等)及び食品別(食肉類用、魚介類用、野菜類、
果実類用等)に区分されており、洗浄消毒が容易であること。
使用後は十分に洗浄し、消毒、乾燥した後、清潔な場所に保管されていること。
(9) 冷蔵庫、冷凍庫、食品保管庫及び食品保管場所
冷蔵庫、冷凍庫、食品保管庫の内部及び食品保管場所は常に清潔で整とんされており、温度が適正に
管理、確認されていること。また、食品類は、庫内及び保管場所に区別され適切に保管されていること。
(10) 温度計及び湿度計

 
給食施設内の適切な温度及び湿度の管理のために、適切な場所に正確な温度計、湿度計を備え
ていること。

 
冷蔵庫・冷凍庫の内部及び食器消毒その他のために、適切な場所に正確な温度計が使用されてい
ること。なお、冷蔵庫用には最高最低温度計が望ましいこと。
(11) 残菜入れの有無等
調理室には、ふた付きの残菜入れを備えていること。
(12) 日常点検の記録の有無
記録は毎給食日に確実に行われていること。
事後措置
(1)
 
学校給食用の設備に欠陥又は故障箇所があれば、速やかに改善、修理するなどの適切な措置を講じるよ
うにする。
(2) 学校給食用設備の取り扱いに欠陥を見いだしたときは、速やかに改善するなどの適切な措置を講じるよう
にする。

V 学校給食従事者の衛生管理状況及び検食、保存食の状況

検査回数
検査は、毎学年3回定期に行う。
検査事項
検査は、次の事項について行う。
(1) 学校給食従事者の健康管理の状況
(2) 検食及び保存食の状況
検査方法及び判定基準
検査は、次の点に留意するとともに、第3票を参考に判定する。
(1) 学校給食従事者の健康管理の状況

 
健康診断の年間回数、検便実施(第4票参考)の月間回数、化膿症、下痢症等の発見状況、被服の清潔
及び清潔に関する習慣についての検査等について記録簿等によって調べる。
健康診断は年3回実施されていることが望ましい。検便は月2回以上実施されていること。

 
学校給食従事者の健康状態を常に注意し、下痢をしている者、化膿性疾患にかかっている者、手指・顔面
等の創傷及び化膿性部位等の検査が行われており、その結果は、記録されていること。
(2) 検食及び保存食の状況
検食及び保存食の記録の有無を調べる。

 
 
当日食される給食は、児童生徒等に提供される前に責任者を定め、検食が行われていること。その際、異
常な臭気、味等が感じられたときには、食品の提供を中止するなど直ちに適切な処置が取られていること。
また、検食の結果等については、適切に記録されていること。

 
 
保存食は、原材料及び調理済み食品を食品ごとに50g程度ずつ清潔な容器(ビニール袋等)に密封して
入れ、専用冷凍庫にー20℃以下で2週間以上保存されていること。また、その記録があること。
なお、原材料は、特に洗浄・消毒等を行わず、購入した状態で保存されていること。
児童生徒の栄養指導や盛りつけの目安とする「展示食」を保存食と兼用していないこと。

 
使用水について日常点検で異常を認め、又は残留塩素濃度が基準に満たない場合は、再検査を行い、適
と判定し、水を使用した場合は、使用水1gをー20℃以下、2週間以上専用冷凍庫で保存されていること。
事後措置
(1) 健康管理において不備又は欠陥を見いだしたときは、速やかに適切な措置を講じるようにする。
(2) 清潔保持に不適当な点を見いだしたときは、速やかに適切な措置を講じるようにする。
(3) 検食及び保存食の保存方法に不備があれば、速やかに適切な措置を講じるようにする。

W 学校給食用食材等の検収・鑑別・受取り・保管の状況

検査回数
検査は、毎学年3回定期に行う。
検査事項
検査は、学校給食用食材等の検収・受取り・保管の記録について行う。
検査方法及び判定基準
検査は、次の点に留意するとともに、第5票を参考に判定する。
(1)
 
学校給食用食材等の検収・鑑別・受取り・保管の状況及び不良品が検出されたときの事後措置の記録を
調べる。
(2)
 
学校給食用食材等の日常の検収・鑑別は確実に行われ、また、受取り・保管は適切であり、その成績が
記録されていること。
(3)
 
学校給食用食材等に不良品が検出された場合は状況に応じて、保健所、学校医、学校薬剤師等と連絡
の上、適切な措置が講じられていること。
事後措置
 学校給食用食材等の日常の検収・鑑別・受取り・保管が適切に行われていないときは、日常点検の強化を図る
ようにする。

X 学校給食における衛生管理体制及び活動状況

検査回数
検査は、毎学年3回定期に行う。
検査事項、検査方法及び判定基準
検査は、給食における衛生管理体制、学校保健委員会等の活動、日常的な点検、指導、助言の実施などについ
て、第6票を参考に実施し、判定する。
事後措置
衛生管理体制の整備、学校保健委員会等の活動、日常的な点検、指導、助言などが適切に行われていないとき
は、衛生管理体制の強化、活動の充実を図るようにする。