世界保健機関(WHO)の重症呼吸器症候群(SARS)の院内感染対策指針(2003年4月24日3訂)では、
外来/トリアージ時(外来受診時の誘導)
・SARSの診断検査を必要として医療機関を受診した患者には、マスクを渡し着用させること。
・外来でのトリアージの段階に関与するスタッフは、下記(N95以上の基準)のようなマスクとゴー
グル(眼を防護するもの)をつけ、全ての患者に接する前後、汚染が起こる可能性のある手技の
後、手袋を外した後に必ず手洗いをする。
入院時
SARS「可能性例」の看護
・患者の隔離ユニット外への移動は避けなければならない。移動する場合には、患者はN95マスクを
着用しなければならない。
・仮に医療機関によって面会が許された場合も、面会者は最低限に抑えなければならない。
面会者にはマスク、手袋などの個人防御用具(PPE)を渡し、医療従事者による監督下で患者と
接すること。
・PPEは隔離領域に立ち入る全てのスタッフ及び面会者が着用しなくてはならない。
・着用されるべきPPEは以下のようなものである。
適切な呼吸器の防護が行えるマスク(下記参照)
手袋(両手)
眼の防御用具(ゴーグルなど)
使い捨てガウン
エプロン
汚染除去可能な履物
・呼吸器の防御:導入可能なところでは、*P100/FFP3あるいは、P99/FFP2のフィルターレベル
(順に99.97%と99%の効果)のものを用いる。
*N95(95%のフィルター効果)も高い防御効果をもつので、それ以外の高度の防御対策がとりにくい
ところ、例えば隔離の前の段階のトリアージの場で働いているスタッフ等が着用する。
できれば使用するマスクは、適切な「装着試験キット」を用いて、業者の仕様書に沿って、装着試験
を行うべきである。
使い捨てのマスクは絶対再使用しないこと。
*N/R/P
95/99/100、またはFFP 2/3、またはこれと同等の国家工業基準(NOISH N, R, P 95, 99,
100)、あるいはEuropean CE EN149:2001(FFP 2,3)と EN143:2000 (P2)、または製造国における
これと同等の全国的/地域的基準を満たすもの。
と示されています。
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