「学校環境衛生の基準」の改正に伴う環境衛生検査について
愛知県学校薬剤師会理事 木全勝彦
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1.はじめに
2.飲料水・プール水等の水質検査
<オルトトリジン法の公定法からの削除について>
(1)OT法とDPD法の比較
(2)DPD法の比較
3.「水泳プールの水質管理」の改正について
<主な検討項目>
(1)水質基準
@総トリハロメタン
トリハロメタン及び検体採取方法について
A濁度
B水素イオン濃度
C遊離残留塩素の測定法
D大腸菌群の測定方法及び一般細菌数の検査について
(2)施設基準
@屋内プールにおける照度、換気及び塩素ガス
A排水口の安全設備
B「浄化消毒設備」を「浄化設備」、「消毒設備」と別項目立てとする
C「専用便所、専用の薬品保管庫」を明示する
Dろ過器出口の濁度
Eレジオネラ菌の基準
4.室内空気質について
(1)経緯と揮発性有機化合物の室内濃度指針値
(2)シックハウス症候群と化学物質過敏症
(3)検査方法と調査の実際
(4)対策等
5.参考資料等
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1.はじめに
学校の環境を衛生的に保持し、必要に応じて改善を図る学校環境衛生活動は、学校教育法等に定
められた学校教育の目標を達するため、学校保健法に基づいて行われるものであり、そのねらいは、
(1) 児童生徒の生命を守り、心身の発育発達を促し、健康の保持増進を図ること
(2) 児童生徒の学習能率の向上を図ること
(3) 児童生徒の豊かな情操の陶冶図ること
を目的に営まれるものであり、児童生徒の健康の保持増進と、学習効果を上げるためには、学校環
境衛生の維持・充実は大きな課題であるといえます。
法律的には学校保健法の第2条、第3条によって
第2条
学校においては、児童、生徒、学生又は幼児及び職員の健康診断、環境衛生検査、安全点検
その他の保健又は安全に関する事項について計画を立て、これを実施しなければならない。
第3条
学校においては、換気、採光、照明及び保温を適切に行い、清潔を保つ等環境衛生の維持に
努め、必要に応じてその改善を図らなければならない。
と定められています。
また、学校保健法施行規則第22条で定期環境衛生検査、必要がある時に行う臨時環境衛生検査、
事後措置及び日常における環境衛生管理(日常点検)が示され、こうしたことを実施する際の基準
として「学校環境衛生の基準」が平成4年6月23日付けで示されました。
この基準については、平成4年以降、平成6年に飲料水に関わる基準、平成8年に学校給食に関わ
る基準、平成10年に飲料水及び学校給食に関わる基準等につき一部改訂が行われるなど、社会状
況に応じた部分改訂による対応がなされてきました。
しかし、ここ数年、社会情勢の急激な変化と情報化等の発達から、特に厚生労働省を基点に様々
な環境に対する施策が打ち出され、しかも猶予期間等をあまりとらない事項が増えるとともに、学
校においてもそれが取り入れられるようになってきました。例えをあげれば、
(1) ダイオキシン類特別措置法 (規格以上の焼却炉の廃止)
(2) PCB使用蛍光灯安定器の回収
(3) オルトトリジン法の公定法からの削除 (平成14年3月31日まで経過処置あり)
(4) プール水の管理の改訂 (平成13年8月28日付け、学校環境衛生の基準の一部改訂)
(5) 室内空気中化学物質濃度の指針値の策定
(平成14年2月5日付け、学校環境衛生の基準の一部改訂)
といったものです。
そして、こうした問題をふまえるとともに、平成14年度からの「新学習指導要領」の実施に伴
い、例えば、国際理解、情報、環境、福祉、健康等の横断的・総合的な課題についての学習活動等
をテーマに「総合的な学習の時間」が始まることから新たな学習形態や動線が想定され、そうした
場合に新たに生じてくるであろう学校環境衛生の問題についても対応できるよう「学校環境衛生の
基準」も全面改正の見直しが図られています。
今回、これらの変更・改訂等によって、学校薬剤師として平成14年度からの環境衛生検査で特
に問題になってくるであろう「飲料水」、「プールの水質管理」、「室内空気質」の事項について、
説明を加えるとともに、実際の現場における検査等で注意すべき事柄をまとめましたので参考にし
ていただければ幸いです。
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2. 飲料水・プール水等の水質検査
<オルトトリジン法の公定法からの削除に関わる問題>
「水道水質に関する基準の制定についての一部改正について」
(平成12年12月26日付け厚生省生活衛生局)
従来、オルトトリジンの毒性については承知しているが水道水質検査には規制対象とならない
希薄な溶液を使っており、水質検査後は塩素と反応して分解するため、問題になることはないと
して、オルトトリジン法を採用していたところである。しかしながら、有害な試薬を水道水の分
析法で使用することは基本的には避けるべきと考え、また、代替法の利用が可能であることから、
オルトトリジン法を用いる検査方法を削除することとする。
この通達から、文部科学省は平成13年1月11日付けで、学校の環境衛生基準や学校給食衛
生管理の基準等での水質の残留塩素濃度の測定について検査方法の変更を求める以下の依頼文書
を発出した。
「なお、学校の環境衛生基準や学校給食衛生管理の基準においては検査方法について水道法第
4条第2項の規定に基づく水質基準に関する省令の表の下欄に掲げる検査方法及び上水試験方法
(社団法人日本水道協会)に準じて行うことになっているが、健康影響を勘案し、今回の改正に
基づいて検査方法の変更をお願いする。」
<残留塩素測定法>
< 旧 > < 新 (平成14年4月1日以降)>
1.DPD法 1.DPD法
(ジエチル-p-フェニレンジアミン法) (ジエチル-p-フェニレンジアミン法)
2.オルトトリジン法 2.電流法
3.電流法 3.吸光光度法
(DPD法を使用、511nm近辺)
(1) OT法とDPD法の比較
@OT法とDPD
A水質試験器と比色板
B測定値の比較
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(2) DPD法の比較
@試薬の剤形による違い
Aラピッドタイプの錠剤
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3.「水泳プールの水質管理」の改正について
厚生労働省における遊泳用プールに係わる衛生基準の改訂等に伴う措置として、平成13年8月28
日付けで「学校環境衛生の基準」の一部改訂が通知され、これに基づき、水泳プールに関する定期環境
検査、日常点検及びそれらに基づく事後措置の徹底を図るとともに、改訂の内容及び留意事項に留意の
上、水泳プールにおける適切な衛生管理の実施をすることとされました。
この改正によって新たに追加された項目も多いことから、主立った改正項目について以下に説明と解説
を加えます。
(1)水質基準
@総トリハロメタン
●プールの使用期間中に1回以上適切な時期に検査を行う
●濃度は0.2mg/L以下であることが望ましい(水道水質では0.1mg/L以下)
●測定法
PT-GC-MS法(パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ-質量分析法)
HS-GC-MS法(ヘッドスペース-ガスクロマトグラフ-質量分析法)
PT-GC法(パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ法)
ヘッドスペース法 パージ&トラップ法
<総トリハロメタンとは>
総トリハロメタンは発ガン性を考慮して水道水質に関する基準に初めて入れられた水質項目
で、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4つの総和
のことをいい、消毒用の塩素と水中のフミン質などの微量有機物質が反応することによって生じ、
水温が高いほど、塩素処理後の時間が長いほど生成量が大きくなります
クロロホルム ジブロモクロロメタン ブロモジクロロメタン ブロモホルム
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<検査方法について>
今回の改正で検査方法についても具体的に上記3方式が明示されたため、愛知県学校薬剤師会と
しては(社)愛知県薬剤師会 生活科学センターに総トリハロメタンの分析を依頼したいと考えて
おります。そのため分析にあたっての試料採取方法について以下に述べます。
<用意するもの>
●トリハロメタン測定用ガラス容器(センター専用容器)・・・センターで用意
●添加試薬(アスコルビン酸) ・・・・・・・・センターで用意
●採水容器(500mL又は1Lのフタ付きポリビン)・・・・自分で用意
●クーラーボックス等 ・・・・・・・・自分で用意
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※ |
トリハロメタン測定用ガラス容器 (以下、トリハロ容器) |
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容器は事前処理が施してあるため注水時まで栓を開けないでください。また、容器中には極少量の塩酸が入っているので注意してください。 |
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@ |
採水容器(ポリビン)はプール水にて2回ほど洗浄する。 |
A |
採水地点は、プール中央の水面下20pとする。 |
B
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採水容器(ポリビン)を、フタを閉めたまま水中に沈め、水面下20pのところでフタを開けプール水を採水し、満水で空気が出なくなったら水中でフタを閉め取り出す。 |
C |
トリハロ容器の栓をはずす。 |
D
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トリハロ容器を傾け、採水容器(ポリビン)中のプール水をトリハロ容器の壁面に沿わせて気泡ができないように注意して容器の7分目程度まで入れる。 |
E
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添加試薬をトリハロ容器中に加え、容器を2〜3回ゆっくりと振って溶かす。(この時、完全に試薬が溶け切らなくてもよい) |
F
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再び、採水容器(ポリビン)中のプール水を注水してトリハロ容器のすりあわせガラスの上部まで入れる。 |
G
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トリハロ容器中に気泡が入っているといけないので、気泡が浮いてこないことを確認する。 |
H |
静かに栓をする。 |
I
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人差し指と中指でトリハロ容器の首をはさみ、親指で栓の頭を押さえて反転させトリハロ容器の受けに溜まっている水を捨てる。 |
J |
移動等を含め、必ず冷蔵庫(クーラー等)に冷所保存する。 |
K
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できるだけ地区学校薬剤師会等で検体をまとめる。
(この時も必ず冷所保存) |
L |
回収・分析・分析結果の連絡等 |
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※ 注 意 (冷所保存)
検体採取後のトリハロ容器の移動あるいは保管等では、必ずクーラーボックス等を使用して冷
所保存をすること!
<トリハロメタン測定用ガラス容器>
(上)
(正面 栓) (正面) (斜め上方)
※ 人差し指と中指でトリハロ容器の首を挟み、親指で栓の頭を押さえて反転させ、トリハロ
容器の受けに溜まっている水を捨てる。
<参考: 一般細菌検査>
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A 濁 度
標準系列透視比濁法又はそれと同等以上の精度を有する検査方法により濁度は、2度以下である
こと。
B水素イオン濃度(pH)
比色法又はそれと同等以上の精度を有する検査方法により、pH値5.8以上、8.6以下であ
ること。
<日常点検>
水素イオン濃度はプール使用前1回測定しpH値が基準値程度に保たれていることを確認す
ること。
C遊離残留塩素濃度の測定
ジエチル-p-フェニレンジアミン法(DPD法)又はそれと同等以上の精度を有する検査方
法により、プールの対角線上3点以上を選び、表面及び中層の水について測定し、すべての点
で0.4mg/L以上であること。また、1.0mg/L以下であることが望ましい。
D大腸菌群の測定方法及び一般細菌数の検査について
<大腸菌群>
乳糖ブイヨン-ブリリアントグリーン乳糖胆汁ブイヨン培地(LB-BGLB)法(※1)、又
は特定酵素基質培地(MMO-MUG)法(※2)により培養を行うが、大腸菌群は、検出さ
れてはならない。
※1 LB-BGLB法
● 推定試験
検水50mlを3倍濃厚乳糖ブイヨン培地(LB)に加え、孵卵器内で35℃ない
し37℃で45ないし51時間培養し、ガスの発生を観察する。この時ガスの発生
がなければ大腸菌群陰性である。
●確定試験
上の推定試験においてガスの発生を観察したときは、直ちに当該発酵管中の菌液1
白金耳量をブリリアントグリーン乳糖胆汁ブイヨン培地(BGLB)に移植し、孵
卵器内で45ないし51時間培養しガスの発生を観察する。このときガスの発生が
なければ大腸菌群陰性である。
※2 MMO-MUG法
ネジ口試験管に(乾燥滅菌済)MMO-MUG培地を分注し検水50mlを加え、直ち
にネジ口栓を堅く締め、試験管を上下に激しく振って培地を溶かした後、孵卵器内で
24時間培養し、黄変の有無を観察する。このとき、検水の色が比色液より薄いとき
は大腸菌群陰性です。検査が短時間で実施できるのが特徴です。
比色液はO-ニトロフェノール4mg、ヘベス6.9g、ヘベスナトリウム塩5.3gを混合
し、精製水を加えて1℃とし、ネジ口試験管に分注して作る。
<一般細菌数>
標準寒天培地法により培養を行うが、一般細菌数は1ml中200コロニー以下であること。
※検水をメスピペットにより2枚以上のペトリ皿に1mlずつ採り、これにあらかじめ加熱
溶解させた45ないし50℃に保った標準寒天培地を薬15ml加えて混和し、培地が固
まるまで静置する。次にペトリ皿を逆さにして孵卵器内で35℃ないし37℃で22ない
し26時間培養する。培養後、各ペトリ皿の集落数を数え、その値を平均して菌数とする。
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(2)施設基準
@屋内プールにおける照度・換気及び塩素ガス
屋内プールにあっては照度、換気設備の使用状況及びその管理状況等について調べる。
●プール照度
屋内プール水平面照度は、200ルクス以上であることが望ましい。
●屋内プールの空気中二酸化炭素濃度
屋内プールの空気中二酸化炭素濃度は、0.15%以下であることが望ましい。
●屋内プールの空気中塩素ガス濃度
屋内プールの空気中塩素ガス濃度は、0.5ppm以下であることが望ましい。
A排水口の安全管理
排水口及び循環水の取り入れ口には、堅固な格子鉄蓋や金網を設けてネジ・ボルト等で固定
させる。(蓋の重量のみによる固定は不可)とともに、吸い込み防止金具等を設置すること。
また、蓋等の欠損、変形、ボルト等の固定部品の欠落・変形等がないか確認すること。
日常点検においても入泳前に必ずこれらの安全確認をするとともにその結果を記録すること。
B「浄化消毒設備」を「浄化設備」、「消毒設備」と別項目立てとする
C専用便所、専用の薬品保管庫を明示する
Dろ過器出口の濁度
プール水の濁度は2度以下とされたが、循環ろ過装置の処理水質は、その出口における濁度が、
0.5度以下であること(0.1度以下であることが望ましいこと)。また、循環ろ過装置の出
口に検査のための採水栓等を設けること。
循環ろ過装置の概要
Eレジオネラ菌の基準
学校プールで気泡浴槽や採暖槽が設置されているところはないと思われる。
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4.室内空気質について
(1)経緯と揮発性有機化合物の室内濃度指針値
近年、室内空気に起因するとされるいわゆる「シックハウス症候群」が問題となったことから、
厚生労働省は「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」をたちあげ、平成12年6月
30日の厚生省生活衛生局通知で室内空気中化学物質の室内濃度指針値及び総揮発性有機化合物の
室内濃度暫定目標値を定めるとともに、その標準的測定方法等についても関係機関に周知を図るこ
とになりました。文部科学省でもこうした経緯と、学校環境の中にも建材・ワックス・芳香剤・塗
料・教科書等のインキなど様々な化学物質が入り込み児童生徒の健康に障害をきたす例が増えてき
たこともあり、化学物質をできるだけ押さえた建材や塗料等を使用するなど対策を講じる必要性が
出てきました。また同時に、指針値が設定された化学物質についても「学校環境衛生の基準」に盛
り込むため、平成13年に報告が予定されている学校環境衛生の実態調査の結果をふまえ、学校環
境衛生推進委員会において基準化に向けた検討を行うこととしています。
なお、平成13年1月29日付で各都道府県教育委員会等に対し、「シックハウス症候群」、及
び厚生労働省による指針値の策定等についての周知、さらには次のような内容の事項についてお願
いすることを目的として依頼文書が発出されています。
(1) 文部科学省においては、学校環境を衛生的に維持するためのガイドラインとして「学校
環境衛生の基準」(文部相体育局長裁定)を示しているところであり、現在、指針値等
の制定を受け、財団法人日本学校保健会に委託して、学校における化学物質の室内濃度
等について、実態調査を行っている。その結果等をふまえ、同基準の改訂を行い、化学
物質についての検査項目、検査回数、検査事項、検査方法、判定基準、事後措置等につ
いて定めることとしている。
(2) 学校施設の整備に際しては、児童生徒等の健康と快適性を確保する観点から、室内空気
を汚染する化学物質の発生がない、若しくは少ない建材の採用及び換気設備の設置等に
ついて配慮されるようお願いする。なお、文部科学省においては、学校施設の計画・設
計上の留意点を示した学校施設整備指針の改訂にあたり、これらについて盛り込むこと
としている。
(小・中学校版は平成13年3月31日付で既に出されている)
(3) 厚生労働省より示された指針値を下回る微量な濃度の化学物質や、その他の化学
物質にごく微量でも反応する過敏症の児童生徒については、その原因となる物質
や量、当該児童生徒の症状などが多種多様であることから、各学校において、養
護教諭を含む教職員、学校医等が連携しつつ、個々の児童生徒の実態を把握し、
支障なく学校生活を送ることができるよう配慮して教育を行ったり、必要に応じ
て就学指定の変更を行うなど個別の配慮をされるようお願いする。
さらに、厚生労働省において、平成13年7月25日付けの通知に至るまでに、合計11種類の
化学物質の指針値を定めると同時に総揮発性有機化合物量(TVOC)の暫定目標値が決定されて
います。次のページに、その11物質の指針値及びその根拠を示します。
<学校における室内空気中化学物質に関する実態調査の結果等について>
平成13年12月21日付け文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課よりの事務連絡によ
れば、標記の調査について、平成12年6月に厚生労働省から室内濃度指針値が示された化学物質
(ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン及びパラジクロロベンゼン)について、実態調査の結果
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がまとまるとともに内容が明らかにされた。文部科学省においては、今回のこの実態調査の結果等
をふまえて、今後「学校環境衛生の基準」の改訂を行い、室内空気中化学物質についての検査項目、
検査回数、検査方法、判定基準、事後措置等について定めることとしているが、今回の実態調査の
結果でも、一部の化学物質について厚生労働省の室内濃度指針値を上回る例が見られることから、
引き続き、平成13年1月29日付けで依頼した12国ス学健第1号の内容に留意の上、換気を適
切に行うとともに、室内空気を汚染する化学物質の発生源と考えられる物の使用には注意するなど
して学校環境衛生活動の推進を図るなど、適切に対応するようお願いしますとされた。
★ 「学校環境衛生の基準」の一部改訂について ★ |
平成14年2月5日付けで「学校環境衛生の基準」のなかで「教室等の空気」に関する項目が改訂
されました。
<改定内容の概要>
(1) |
定期検査 |
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新たに、教室等の空気の検査事項として、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンの4物質の
濃度を加え、検査回数、判定基準、事後措置等について規定。
● |
毎学年1回定期に実施(著しく低濃度なら次回からは省略可) |
●
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ホルムアルデヒド(夏期が望ましい)・トルエンについて実施
キシレン・パラジクロロベンゼンについては必要な場合に実施 |
● |
判定基準は、厚生労働省の指針値と同値 |
● |
事後措置は、@換気の励行、A発生原因の究明、発生抑制措置 |
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(2) |
臨時検査 |
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新たに、コンピュータ等新たな学校用備品の購入等により発生の恐れがあるときにも実施することとする。
なお、新築・改装・改修時には基準値以下であることを確認させた上で引き渡しを受けることとする。 |
(3) |
適用期日 |
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新基準は、平成14年4月1日から適用。但し、定期検査については、学校の設置者等の判断により、地域の実情
に応じ、順次計画的に実施することができることとする。 |
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<個別VOC指針値>
(厚生労働省、平成12年6月30日・平成13年1月9日・7月25日)
揮発性有機化合物
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毒性指標
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室内濃度指針値※
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ホルムアルデヒド
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ヒト吸入暴露における鼻咽頭粘膜へ
の刺激
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100μg/m3
(0.08ppm)
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トルエン
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ヒト吸入暴露における神経行動機能
及び生殖発生への影響
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260μg/m3
(0.07ppm)
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キシレン
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妊娠ラット吸入暴露における出生児
の中枢神経系発達への影響
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870μg/m3
(0.20ppm)
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パラジクロロベンゼン
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ビーグル犬経口暴露における肝臓及
び腎臓等への影響
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240μg/m3
(0.04ppm)
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エチルベンゼン
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マウス及びラット吸入暴露における
肝臓及び腎臓等への影響
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3800μg/m3
(0.88ppm)
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スチレン
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ラット吸入暴露における脳や肝臓へ
の影響
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220μg/m3
(0.05ppm)
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クロルピリホス
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母ラット経口暴露における新生児の
神経発達への影響及び新生児脳への
形態学的影響
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1μg/m3
(0.07ppm)
但し,小児の場合は
0.1μg/m3
(0.007ppb)
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フタル酸ジ-n-ブチル
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母ラット経口暴露における新生児の
生殖器の構造異常等の影響
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220μg/m3
(0.02ppm)
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テトラデカン
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C8−C16混合物のラット経口暴
露における肝臓への影響
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330μg/m3
(0.04ppm)
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フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
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ラット経口暴露における精巣への病
理組織学的影響
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120μg/m3
(7.6ppb)※※
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ダイアジノン
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ラット吸入暴露における血漿及び赤
血球コリンエステラーゼ活性への影
響
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0.29μg/m3
(0.02ppb) |
総揮発性有機化合物量
(TVOC)
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国内の室内VOC実態調査の結果か
ら合理的に達成可能な限り低い範囲
で決定
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暫定目標値
400μg/m3
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※ 両単位の換算は,25℃ の場合による。
※※ フタル酸ジ-2-エチルヘキシルの蒸気圧については1.3×10−5Pa(25℃)〜
8.6×10−4Pa(20℃)など多数の文献値があり、これらの換算濃度はそれぞ
れ0.12〜8.5ppbが相当である。 |
(平成14年 1月22日追加)
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揮発性有機化合物 |
毒性指標 |
室内濃度指針値 |
アセトアルデヒド |
ラットの経気道暴露における鼻腔臭覚上皮への影響 |
48μg/m3
(0.03ppm) |
フェノブカルブ |
ラットの経口暴露におけるコリンエステラーゼ活性などへの影響 |
33μg/m3
(3.8ppb) |
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(2)シックハウス症候群と化学物質過敏症
1973年の第1次オイルショックを契機として、省エネルギー志向が進み、ビル内の換気量を
従来の1/3以下に引き下げたことなどにより、ビル内で働く人々の間で頭痛、めまい、吐き気、
倦怠感等の人体被害の訴えがなされるようになり、またこの症状はビルの外に出ればほとんどなく
なるか、軽減するといったこと、また、特定原因が確定できず広範囲の症状が見られたことから、
ビルが「病んでいる(Sick)」という意味でシックビルディングシンドローム(Sick Building
Syndrome,SBS)と呼ばれるようになりました。日本では、最近の住宅の気密度に関わる換気
量の不足や身近な生活製品に様々な化学物質が含まれるようになってきたことから、SBSと同様
の問題が住宅でも発生する様になったことからシックハウス症候群(Sick House Syndrome,S
HS)と呼ばれ関心が高まっています。
@ WHOによるSBSの症状に基づく定義
ア.眼、特に球結膜、鼻粘膜、咽頭の粘膜刺激症状
イ.粘膜の乾燥
ウ.皮膚の紅斑、蕁麻疹、湿疹
エ.易疲労感
オ.頭痛、頻発する気道感染
カ.息が詰まる、喘鳴
キ.非特異的な過敏症
ク.めまい、吐き気、嘔吐
A 最近のいわゆるシックハウス症候群(SHS)のとらえ方
未解明の部分が多いとされてきましたが、最近、様々な研究発表が行われSBS(SHS)に
ついての理解が進んできました。その結果SBS(SHS)は特定の人だけの問題ではなく
中毒症 |
・・・ |
室内濃度が一定以上になると健常な人々に明らかな刺激症状が出現する |
過敏症 |
・・・ |
体質や過去に中毒症を起こすなどの特質を持つ人々に、健常な人々より
微量な濃度で症状が出現する |
の2つに分けることで、一般の人々の問題としてもとらえられるようになってきました。
そして、ヒトの化学物質に対する許容量はヒトによって様々であるが、個々の化学物質の量だけ
ではなくそれらの総和(Total Body Load,TBL:身体総負荷量)によっても影響を受けると
され、TBLが限界に達している時、シックハウス症候群あるいは化学物質過敏症になりやすい
と考えることから、必ずしも建築関係だけでなく、家庭における殺虫剤の使用、花粉、黄砂(有
機物を含む)など総合的にとらえる必要があるといわれています。また、必ずしも量-反応関係が
直線的右上がりのグラフにはならない特徴があります。
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B 化学物質過敏症(Chemical Sensitivity,CS)
化学物質に暴露されて一旦過敏症を獲得すると、その後は
極めて微量の同系統の化学物質でも様々な臨床症状が発症
してくる状態のことを言います。
このことから,「シックハウス症候群」は「化学物質過敏
症」の1つで家の室内空気中の化学物質が原因となったも
のともいえます。
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C 原因となる室内空気汚染物質
これらのなかで今、特に問題となっているのは揮発
性有機化合物(Volatile OrganicCompounds,VOC)
と呼ばれるもので、塗料、接着剤(床・壁材、家具
等に使用)等の有機溶剤、建材の処理剤として使わ
れる殺虫剤・殺菌剤、床のプラスチックタイルや壁
紙等に添加されている可塑剤などが発生源と考えら
れています。また、こうした室内空気中のVOCは
、水が温度や圧力の変化で氷になったり水蒸気にな
るのと同様に様々にその姿を変えていきます。普通
0℃1気圧で水は氷(固体)になり、100℃で沸
騰して水蒸気になるのですが、条件が変われば水は
20℃や30℃でも自ら蒸発して気体になることが
あります。SBSで問題となる化学物質もまた、温
度や圧力の変化で様々にその姿を変えていきます。
(右図、物質の三態変化参照) こうしたことから
、これら揮発性の化学物質をその物質の毒性ではな
く、その揮発性・気体になりやすさ(沸点)に応じ
て下表のように分類しています。 |
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有機汚染物質の分類
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略 記
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沸点範囲
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有機化合物の例(( )内は沸点)
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超揮発性有機化合物
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VVOC
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<0℃〜
50−100℃
|
ホルムアルデヒド(−20℃)
アセトアルデヒド(20℃),クロロホルム
|
揮発性有機化合物
|
VOC
|
50−100℃〜
240−260℃
|
ベンゼン、トルエン(110℃),キシレン(140℃)
p−ジクロロベンゼン(186℃),スチレン
テトラクロロエチレン
|
半揮発性有機化合物
|
SVOC
|
240−260℃〜
380−400℃
|
フタル酸ジブチル(340℃)
DEHP(可塑剤)
|
粒子状物質
|
POM
|
>380℃
|
クロルピリホス,ベンゾ(α)ピレン
フェンチオン(有機リン系農薬)
|
|
(3)検査方法と調査の実際
@ 検査方法
<簡易分析法>
|
ア、検知管法
(ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、p-ジクロロベンゼン)
ポンプを用いて一定流量で30分吸引採気し変色した最先端の目
盛りを読む方法です。検知管は胆体にリン酸ヒドロキシルアミンと
pH指示薬を含浸させ、これをガラス管に充填した物で、ホルムア
ルデヒドを通気させるとリン酸が生じ、これがpH指示薬と反応し
て発色、この発色長から濃度を求めるものでトルエン、p-ジクロロ
ベンゼンなどもそれぞれの検知管で測定可能です。
イ、化学発光式
アルカリ溶液にホルムアルデヒドを捕集し、ガーリック酸と過酸化
水素溶液を加えて、化学発光させ、その発光強度を測定する。
|
|
|
ウ、テープ式光電光度法
多孔性のテープにリン酸ヒドロキシルアミンとpH指示薬を含浸さ
せ、このテープにホルムアルデヒドを通気させてできる着色スポット
の濃度を光電光度法で連続的に測定する。
エ、ポータブル型GC(ガスクロマトグラフィー)
検出器にPID(光イオン化検出器)あるいはSAWD(表面
弾性波検出器)を用いるポータブル型GCを用いる方法で短時間
にppbレベルの検出が可能です。写真はSAWD方式のポータ
ブル型GC(バブ日立工業(株))で、地下鉄サリン事件以後、
VOC、悪臭、地下水、土壌含有物質等、実際の現場での迅速測
定のため開発されてきました。
|
|
<機器分析法>
|
ホルムアルデヒドの分析には、AHMT吸光光度法,クロモトーブ酸吸光光度法、2,4-ジニトロ
フェニルヒドラジン(DNPH)−GC法及びDNPH−HPLC(高速液体クロマトグラフ)法
がありますが、簡便さやガイドライン以下も測定できることを考えるとDNPH−HPLC法が室
内空気検査に適しています。
可塑剤や有機リン系化合物は一般に低濃度のため、フィルターや捕集管とポンプを組み合わせて
多量の空気をサンプリングする必要があります。
フタル酸エステル等の可塑剤では加熱脱着法・溶媒抽出法がありGCやGC−MS(質量分析)
で測定します。有機リン系化合物は、アセトンで抽出した後、GCやGC−MSで測定します。 |
|
※ ガスクロマトグラフィー(GC)
クロマトグラフィーは固定相と移動相を利用して物を分離して分析する手法で、ペーパークロマトグラフィー
はろ紙が固定相、水が移動相になります。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)では、ろ紙の代わりに固定
相として充填剤を充填したカラム(分離管)を利用して毛管現象の代わりに高圧ポンプで移動相を送り、試料の
固定相との親和力に差によって成分別に分離され検出器に入ります。検出は紫外・可視吸光、屈折率、蛍光など
が利用され結果を電気信号に変換して出力し、目的成分の定性はカラムからの溶出時間、定量は検出器の出力応
答を対応する標準物質と比較することで行います。
ガスクロマトグラフィー(GC)ではHPLCと異なり移動相にヘリウムや窒素ガスなどキャリアガスと呼ば
れる気体を使用してHPLCと同様カラムで分離します。移動槽が気体のため試料も気体である必要があります
が、通常、有機化合物は室温で液体・固体であっても100℃〜300℃で気化するものが多いので測定対象に
なります。分離を支配するのは、対象成分の蒸気圧と、固定相に対する親和性で、固定相には不揮発性で熱的に
安定な液体(液相)が使われます。カラムには充填カラムとキャピラリー(毛細管)カラムがありますが、分離
がよい上、内面が比較的不活性、液相を化学的に結合できるなどの利点から最近ではキャピラリーカラムが主流
になっています。GC検出器としてはTCD(熱伝導度)、FID(水素炎イオン化)、FPD(炎光光度法)
、PID(光イオン化)、SAWD(表面弾性波、ECD(電子捕獲)などがあります。
※ GC−質量分析法(GC−MS)
GCと質量分析計(MS)を組み合わせたもので、GCで分離されるほとんどの化合物に適用できる上、すべ
ての化合物に共通の物性である「質量」により多くの定性的・定量的情報が得られます。複雑な混合物を一斉分
析する場合などに重宝されます。GC−MSによる定量分析の最大の特徴は、クロマトグラフィーで得られる保
持値に加えて質量数による同定能力を発揮しながら定量できることです。GCの検出器として使用されるMSに
は四重極型、二重収束型、イオントラップ型がありますが、ダイオキシン分析のような高分解能測定が必要とさ
れる場合を除いて安くて小型の四重極型MSが使用されています。
<質量数>
質量分析では質量(m)をイオンの電荷数(z)で割った質量電荷比(m/z)を質量数といい整数で示され
ます。小数点以下を扱う場合は「質量」になります。
A調査の実際
ア、検知管方式の測定例
|
調査日(H.13)
|
天候
|
気温
(℃)
|
湿度
(%)
|
ホルムア
ルデヒド
(ppm)
|
トルエン
(μg/m3)
|
p-ジクロロ
ベンゼン
(μg/m3)
|
T
|
5.22
|
曇
|
27.0
|
-
|
0.04
|
400
|
0
|
U
|
6.21
|
曇時
々雨
|
25.5
|
-
|
0.06
|
400
|
0
|
V
|
5. 8
|
雨
|
20.0
|
-
|
0.04
|
200
|
0
|
W
|
6.29
|
晴
|
29.0
|
78
|
0.06
|
300
|
0
|
X
|
10.10
|
雨
|
24.5
|
73
|
0.03
|
300
|
0
|
イ、ポータブル型GCの測定例
|
調査日(H.13)
|
天候
|
気温
(℃)
|
湿度
(%)
|
ホルムア
ルデヒド
(ppm)
|
トルエン
(μg/m3)
|
キシレン
(μg/m3)
|
p-ジクロロ
ベンゼン
(μg/m3)
|
T
|
10.10
|
曇
|
24.5
|
73
|
0.03(※)
|
222
|
0
|
144
|
U
|
10.11
|
晴
|
27.5
|
48
|
0.03(※)
|
149
|
0
|
44
|
(※)ホルムアルデヒドについてはトルエン等と異なり直接測定できないため検知管法で測定を行った。
ウ、GC−MS(チューブ法)による測定例
|
調査日(H.13)
|
天候
|
気温
(℃)
|
湿度
(%)
|
ホルムア
ルデヒド
(μg/m3)
|
トルエン
(μg/m3)
|
キシレン
(μg/m3)
|
p-ジクロロ
ベンゼン
(μg/m3)
|
T
|
8.30
|
晴
|
29.5
|
69
|
74 (3.0)
|
1300 (66)
|
97
(0.76)
|
43 (15)
|
U
|
8.31
|
晴
|
31.0
|
62
|
80 (3.9)
|
270 (94)
|
18 (3.6)
|
182 (25)
|
( )内はブランク値
|
エ、文部科学省が行った実態調査の結果(概略)
<ホルムアルデヒド>
ホルムアルデヒド
|
夏期
|
冬期
|
通年
|
午前
|
午後
|
午前
|
午後
|
午前
|
午後
|
最大値
|
0.220
|
0.206
|
0.073
|
0.087
|
0.220
|
0.206
|
平均値
|
0.024
|
0.023
|
0.011
|
0.012
|
0.018
|
0.017
|
中央値
|
0.014
|
0.012
|
0.009
|
0.009
|
0.011
|
0.011
|
最小値
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
(単位:ppm)
|
※
|
夏期において指針値(0.08ppm)を超えたのは、午前で281カ所中12カ所、午後で
281カ所中12カ所あった。冬期においては、午後で278カ所中1カ所で指針値を
超えた。指針値を超えた割合を教室別で見ると、コンピュータ教室、音楽室が多かった。 |
<トルエン>
トルエン
|
夏期
|
冬期
|
通年
|
午前
|
午後
|
午前
|
午後
|
午前
|
午後
|
最大値
|
0.121
|
0.073
|
0.409
|
0.285
|
0.409
|
0.285
|
平均値
|
0.008
|
0.005
|
0.010
|
0.008
|
0.009
|
0.007
|
中央値
|
0.004
|
0.003
|
0.004
|
0.003
|
0.004
|
0.003
|
最小値
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
(単位:ppm)
|
※
|
夏期において指針値(0.07ppm)を超えたのは午前で269カ所中3カ所、午後では
271カ所中1カ所で、冬期では、午前中264カ所中4カ所、午後では260カ所
中4カ所であった。 |
<キシレン>
キシレン
|
夏期
|
冬期
|
通年
|
午前
|
午後
|
午前
|
午後
|
午前
|
午後
|
最大値
|
0.096
|
0.036
|
0.187
|
0.191
|
0.187
|
0.191
|
平均値
|
0.003
|
0.002
|
0.004
|
0.005
|
0.004
|
0.004
|
中央値
|
0.002
|
0.001
|
0.001
|
0.002
|
0.002
|
0.002
|
最小値
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
(単位:ppm)
|
※ |
夏期、冬期ともに指針値(0.04ppm)を越えた部屋はなかった。 |
<p-ジクロロベンゼン>
p-ジクロロベンゼン
|
夏期
|
冬期
|
通年
|
午前
|
午後
|
午前
|
午後
|
午前
|
午後
|
最大値
|
0.009
|
0.007
|
0.024
|
0.023
|
0.024
|
0.023
|
平均値
|
0.002
|
0.001
|
0.002
|
0.002
|
0.002
|
0.002
|
中央値
|
0.001
|
0.001
|
0.001
|
0.001
|
0.001
|
0.001
|
最小値
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
≦0.001
|
(単位:ppm)
|
※
|
夏期、冬期ともに指針値(0.04ppm)を越えた部屋はなかった。が、冬期に便所13カ
所のうち消臭剤ありの4カ所で指針値を超えたところがあった。 |
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(4)対策等
@ 上手に換気をする。
A ベイクドアウトを行う。
B 建築材料等は放散量の低いものを使用する。
C 殺虫剤・農薬の使用にも気を付ける。
D 喫煙は避ける。
E 身体の防御反応を高める。
F 原因物質を環境から取り除いたり、疑わしい物質から離れるような生活指導。
G 空気清浄機等の使用
H その他
5.参考資料
<検査方法の検討について>
★
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今回、文部科学省が日本学校保健会に委託した全国調査の中で、厚生労働省が標準法として示している方法と簡便法(パッシブ法、検知管法、電気化学式燃料電池法)について相関関係も調査されている。以下は、その結果の図表であるがこれにより、パッシブサンプラーによる方法が概ね標準法と相関しているとされた。
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|