安全重視のパソコン自作 

 以前にも、ハードディスクがクラッシュしてパソコンが使えなくなったという話をたまに聞いていましたが、つい最近小牧のある薬局で調剤ソフトを入れて半年にもならないうちにクラッシュしてしまいデータの復旧が大変だったという例がありました。いつもバックアップをとられている几帳面な方はともかく、私のようにいいかげんな性格のものにとっては毎日のあの小さなF・Dでのバックアップはとても長続きませんし、ましてやクラッシュしてしまえばH・Dそのものを交換、ウィンドウズから入れ直さなければなりません。高い契約料でメンテナンス契約をされていれば代換えを持ってきてもらえるのでしょうがなかなかすぐにとはいかないのがパソコンの世界です。今春私の外付けH・Dがあちこち持ち歩いてる間にだめになったこともあり真剣にその対策を考え始めました。そして、
   1、H・Dクラッシュに対するより簡単な防御法が何かないか
   2、バックアップもついでに簡素化できないか
   3、ウィンドウズ98は95にくらべ比較的安定しているがアプリケーションを同時に使用した時
     などたまにフリーズする事があるのでもっと安定したシステムにしたい
   4、他のメディアに比較して保存・保管性がよいCD−RWを使用する
   5,ついでにDVDも見えれば
 
ということで考えた結果
   1.ウインドウズ2000を使用する
   2.最近流行始めたIDE RAIDボードを利用する
   3.CPUを2つ使用したデュアルマシンにする
   4.CD−R/RWにDVD−ROM機能も併せ持った機器を使用する

という方針で作ってみることにしました。(こうしたマシンは市販では特殊用途の業務用かサーバー以外ありませんし非常に高価になってしまいます。)

< RAID(レイド)とは >
 サーバーなどで使われるハードディスクの運用方法のことを言います。多くのコンピュータのデータを
集中的に管理しているサーバーでは、ディスクやファイルの破損は出来るだけ避けたい事態です。RA
ID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)はそうした事態に備えるための規格です。
RAID 0 ストライピングと呼ばれ2台以上のHDDにデータを分散して書き込む方法で
ディスクI/Oの高速化を実現するものです。読み書きのスピードを重視する
時に用います。
RAID 1 ミラーリングと呼ばれデータの安全性に重点を置いた方法です。常に同じデ
ータを2台のHDDに書き込んでいくことでデータの冗長性を高め、1台のH
DDが故障した場合でも残りの1台で運用を続けることが出来るため信頼性
が増します。また故障したHDDは交換すれば大丈夫です。
今回はこれを選択することにしました。
RAID 0+1 上の2つを組み合わせたものです

 少し前までSCSIのRAIDカードしかなく非常に高価で一般ユーザーには手がでなかったのですが
FastTrak100の1つ前のFastTrak66が出た頃から専門雑誌で取り上げられるようになりました。
ただ、FastTrak66は専門的知識を持っていないと難しい点もありました。FastTrak100はその点
かなり改善されていて比較的低価格で簡単にRAIDが組めるようになっています。

使用部品・機材一覧

マザーボード SUPERMICRO社製のSUPER P3DME 
CPUを2個使用するということで選んだのはi840チップセット
を搭載するこのマザーボードです。サーバー、ワークステーシ
ョン用で少し高いのですがUSB、Ethernet、GamePortがオ
ンボードされていて信頼性も十分です。ただ名古屋でこのボ
ードを取り扱っているところが見つからなかったのでネットショ
ップを利用しました。
価格は4万円程度です。
CPU Pentium3 800MHz(SECC2、FSB 100MHz) × 2個
FSB100MHzのPentium3 800MHz、SECC2パッケ
ージ(Slot1)を2個使用しました。マザーボードがSlot1の
ためですが価格も1個3万円くらいとかなりこなれてきまし
た。大須でゲット。
HDD (IDE) IBM製 DTLA307045A(45GB) × 2個
大きいことはいいことだを実践しているのがIDEハードディスク
です。75GBなどというとんでもないものも出ていますが今回は
2万円ちょっとで買えるIBM DTLA307045(7200回転、
UltraATA/100)を2個使用しました。
それでも45GBもあります。大須でゲット。
FDD 2ドライブ用
最近は専門のパーツ店でも隅っこでほこりをかぶっています。
2〜3000円。千円台もあります。昔はよく使ったのですが今はあまり使わな
いので動けば何でもよい。
メモリー PC100SDRAM 256MB × 2枚
最近少々値上がり気味なのですが、P3DMEは2枚組で使用するのと2MB
までメモリーが載せられるのですが、高いのでノーブランドSDRAM256MBメモ
リー1枚を29,800円で2枚大須でゲット。
IDE RAIDボード PROMISE社製 FASTTRAK100
RAIDシステムは少し前までとても高価で一般のユーザーの
手に負えるものではなかったのですがIDE RAIDボードが出
たことによって安くて簡単にRAIDシステムが組めるようにな
りました。今回2台のHDDをRAID1(ミラーリング)で使用し
ました。
大須で14,000円でゲット。(今はもう少し安くなっているか
も)
ビデオカード Millennium G400
現在でも画質の良さでは最高峰です。ゲーマー以外はこれ以上の
3D速度は不要です。なんといっても安いのが一番です。
買ったときは大須で18,000円でした。
CD−R/RW・
DVD−ROM
リコー社製 MP9120A(内蔵型)
リコー製のCD−R/RWでDVD−ROM内蔵の新製品
です。速度も問題なしDVDが楽しめるのも魅力です。
大須をさまよい歩いていて偶然他より3000円安く出て
いたのでつい買ってしまいました。
書き込みエラー防止のJustLink搭載品です。
ケース Windy JAZZLV
アルミ製のケースです。マザーボードが大きく少し心配だったのですが何とか
収まりました。
ディスプレイ Panasonic AV&PC液晶モニター TX−D5L31TN−J
パソコン入力、テレビチューナー、ビデオ入力端子搭載のマル
チメディア液晶モニターです。今出ている15型の液晶モニター
の中でも最高のレベルにある一品と思われます。コントラスト
比、視野角とも問題なし。他と比べると違いがよく分かります。
AVユニットが分かれているのがよい、また、眼が疲れにくいの
がうれしい。
山田電気で税込み14万円でゲット。(少し高いのですがちょう
ど14型テレビが壊れたのでその買い換えもかねて・・・言い訳
が出来ました)
キーボード Microsoft インターネットキーボード
自分が気に入れば何でもよい
マウス オプトインターネットマウス(光学式)
ボールを使わないオプティカル方式(光学式)のマウスです。チリやほこりで動きが
スムーズでなくなることがなく微細なマウス操作が可能です。
OS Windows2000Professional


 組み立て 

  CPUとメモリーをマザーボードに取り付ける。
 
 
マザーボードをケースに取り付ける。しっかり固定するためには6カ所以上にスペーサーを取り付ける必要
があります。
  パネルのスイッチ類を接続する。+ーがあるので注意すること。
  ビデオカードをAGPスロットルに取り付ける。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ここで実際にディスプレイを接続し動作するかどうか確認してみる。
電源を入れてBIOS画面でCPU、メモリが正しく装着されているかを確認。
こまめに確認をしておくとどこでトラブルがあるのかが特定しやすい。
起動時のチェック項目
電源LED
ビープ音
CPUのクロック表示
メモリ容量の表示
ファンの回転
 
 
3.5インチドライブベイにフロッピードライブを取り付ける。
あらかじめコネクタの1番ピンを確認しておく。
 
 
 
CD−R/RW・DVD−ROMを5インチベイに取り付ける。本来であればハードディスクをプライマリーの
マスターにCD−Rをセカンダリーのマスターに接続するのですが今回はHDDはRAIDボードに接続する
ため、CD−RをIDEポートのプライマリーのマスターに接続しました。
 8 FastTrak100に図のようにHDDを取り付けるとともにFastTrak100カードをPCIスロットに差し込む。
 9
 
電源をいれPromiseBIOS画面からメッセージ通りにRAID情報を設定します.
ここではAutoSetup(1)でSecurity(ミラーリング)を選択して設定します。
10 Windows2000Professionalのインスツールに取りかかります。
まずマザーボードのBIOS画面でCD−ROMから起動するように設定変更します。
実は、ここで1度引っかかりました。Win.2000のCDを入れてもセットアップが起動しないのです。
非常に焦ったのですが日本語マニュアルの不備かと思い英語版のマニュアルを見たのが幸いフロッ
ピー(FastTrakの)をいれてF6キーを押して起動、Win.2000のCDを入れると無事CD−ROMか
らセットアップが出来ました。
なお、ドライブのパーティションはこの時にやらなくても後からパーティーションマジック等を使って好き
なように切り直せば済みます。

 現在の様子 

 多少制作時にトラブルもありましたが、現在調剤ソフト(MEDI−ECHO)も
無事インスツール、問題なく快適に動作しています。フォトショップなどメモリ
を食うアプリケーションも快適です。
なによりも安心感があり、これで月1度(半年1度)のバックアップで済みそう
だと無精なことを考えています。当然データはデータだけの領域に保存それ
を一定期間ごとにCD−R/RWでCDに書き込み保存しようと思っています。