第49回 全国学校保健研究大会

生涯を通じて、心豊かにたくましく生きる力をはぐくむ健康教育の推進
─21世紀を担う子供たちの心とからだの健康のために─


第49回 全国学校保健研究大会が、

 近年における都市化、情報化、環境破壊等の急激な社会環境の変化や自然環境の著しい変化は、いじめ、不登校、性の逸脱行動、生活習慣病の兆候、アレルギー疾患、薬物乱用等の問題となって子供たちの心やからだに様々な影響を及ぼしており、それらの解決が今日の重要な教育課題となっている。
 21世紀を間近に控えた現在、一層深刻となってきているこれらの課題に対して、学校関係者のみならず社会全体が真剣に考え、一丸となって取り組まなければならない。
 このため、学校においては、家庭や地域との連携を深め、子供が自ら健康課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に行動できるようなたくましく「生きる力」をはぐくむ教育を推進する必要がある。そして、多年にわたる研究の成果をふまえ、生涯にわたり心豊かにたくましく生きる子供の育成をめざして、健康に関する諸課題について研究協議し、学校保健の充実発展に資する。

といった趣旨で去る11月18日・19日の2日間、岐阜市の”で愛ドーム”開催されました。

 全体会では、学校保健・学校安全の功労者に対する文部大臣表彰が行われた後、”「生きる力」をはぐくむ健康教育の在り方”をテーマに東京大学教授 衛藤 隆 先生をコーディネーターに迎え、4名のシンポジストによるそれぞれの立場からの実戦経験を踏まえた発表の中から、これからの日本の子供たちに健やかな「生きる力」がはぐくまれる方向性を見いだそうと、シンポジウムが開かれました。”学校保健委員会を要とした健康教育の推進”、”心の問題ネットワーク構築”等の発表の後で衛藤先生が話された─子供の心を育てるべき大人社会が、「次世代を育てる心を失う危機」に直面している このことが問題を根が深いものにしているのではないのか─の言葉が非常に強く印象に残った大会でした。
 また、2日目には課題別研究協議会が開かれその中で、第10課題では、「快適な学習環境つくりをめざす学校環境衛生活動の進め方」を議題に
  1. 学校環境衛生活動の効果的な実施計画と事後措置
  2. 食中毒、感染症の予防対策、二次感染防止対策
  3. 学校における環境教育の進め方
 について、岐阜薬科大学教授 永瀬久光教授をコーディネーターに3つの研究発表がありとても参考になる内容でした。

 なお、本大会には小牧市学校薬剤師会から2名が参加しました。 



表彰式


文部大臣表彰
 11月18日、第49回全国学校保健研究大会にて、学校保健関係で16名の学校薬剤師の先生方が文部大臣表彰を受けられ、愛知県からは小川尚彦先生(名古屋市立山田小)が受賞されました。おめでとうございます!
 なお、愛知県学校保健会関係では学校医で高田秀夫先生(幅下小)、伊藤俊三先生(五条高)、飯田幸雄先生(東栄小)が同様に文部大臣表彰を受賞されています。



課題別研究協議会
11月19日

課 題 議   題 内     容     
第 1課題  豊かな人間性とたくましく生きる力をはぐくむ学校経営保健主事の役割
  1. たくましく生きる力をはぐくむ学校経営
  2. 学校保健活動の推進と保健主事の役割
  3. 完全学校週5日制における家庭・地域との連携による学校保健活動の進め方
第 2課題  たくましく生きる力をはぐくみ、課題解決のための実践力を育てる保健学習の進め方
  1. 各教科、特別活動との関連を図った指導計画の作成・実施・改善
  2. 実践力を育てる課題解決的な学習の進め方
  3. 子供の良さを伸ばし、可能性を生かす支援、評価
第 3課題  たくましく生きる力をはぐくみ、自ら健康なライフスタイルを確立する保健指導の進め方
  1. 発達段階や健康課題に即した保健指導計画の作成・実施・改善
  2. 協力授業などによる指導方法の工夫
  3. 食中毒、感染症、生活習慣病、薬物乱用などを予防する健康な生活習慣つくり
第 4課題  豊かな人間性をはぐくみ心の保持増進をめざす教育活動の進め方
  <幼・小学校>
  1. 幼稚園における心の健康つくりをめざす教育活動
  2. 小学校における心の健康つくりをめざす教育活動
  3. 災害時、問題行動等における心の健康保持のための対応や健康相談活動の在り方
第 5課題  豊かな人間性をはぐくみ心の健康の保持増進をめざす教育活動の進め方
  <中・高等学校>
  1. 中学校における心の健康つくりをめざす教育活動
  2. 高等学校における心の健康つくりをめざす教育活動
  3. 災害時、問題行動等における心の健康の保持のための対応や健康相談活動の在り方
第 6課題  豊かな人間性をはぐくむ性教育・エイズ教育の進め方

  <幼・小学校>
  1. 幼稚園における性教育の進め方
  2. 小学校における性教育・エイズ教育の進め方
  3. 校種間の連携、家庭及び地域と連携して進める性教育・エイズ教育の進め方
第 7課題  豊かな人間性をはぐくむ性教育・エイズ教育の進め方

  <中・高等学校>
  1. 中学校における性教育、エイズ教育の進め方
  2. 高等学校における性教育・エイズ教育の進め方
  3. 校種間の連携、家庭及び地域と連携して進める性教育・エイズ教育の進め方
第 8課題  生涯にわたり健康の保持増進をめざす疾病予防と保健管理の進め方
  1. 適切な健康診断の実施及び健康相談等、事後措置の在り方
  2. 指導や管理の効率を上げる健康相談、個別指導及び健康相談活動の進め方
  3. 食中毒、感染症等の予防管理及び発生時の対策等
第 9課題  歯・口の健康つくりをめざす学校歯科保健活動の進め方
  1. 適切な歯及び口腔の健康診断の実施及び健康相談等、事後処置の在り方
  2. 学校歯科保健の指導計画の作成と指導方法の工夫
  3. 指導や管理の効率をあげる健康相談、個別指導及び健康相談活動の進め方
第10課題  快適な学習環境つくりをめざす学校環境衛生活動の進め方
  1. 学校環境衛生活動の効果的な実施計画と事後措置
  2. 食中毒、感染症の予防対策、二次感染防止対策
  3. 学校における環境教育の進め方
第11課題  自ら考え、実践する能力や態度を育てる安全教育の進め方
  1. 学校安全計画及び防災に関する計画の作成・実施・改善
  2. 学校における安全教育の進め方
  3. 家庭及び地域社会との連携
第12課題  安全で豊かな社会と健康を守り育てる薬物乱用防止教育の進め方 
  1. 小学校における薬物乱用防止教育の進め方及び学校・家庭・地域・関係機関との連携
  2. 中学校における薬物乱用防止教育の進め方及び学校・家庭・地域・関係機関との連携
  3. 高等学校における薬物乱用防止教育の進め方及び学校・家庭・地域・関係機関との連携