愛知県プール条例施行規則等の一部改正について
平成14年4月19日付け 14生衛第145

主な改正内容
(1) 施設基準及び維持管理基準の新設
(改正理由) 「遊泳用プールの衛生基準」(厚生労働省健康局長通知)の改正に基づき改正する。
これまで濾過能力は量的規制としてプール水の全容量を1日あたり4回以上循環が必要であったが、今回質的規制として、ろ過出口の濁度管理を追加する。
  排水口等における遊泳者等の吸い込み防止(規則)
排水口及び循環水の取入口には、ネジ・ボルト等で固定された堅固な網、格子等を二重に設けることとし、格子鉄蓋等の設置状況を随時確認する。
  循環ろ過方式の浄化設備の能力確認(規則)
循環ろ過装置の出口に濁度検査のための採水栓又は測定装置を設けることを規定する。
循環ろ過装置の処理水質は、その出口における濁度が0.5度以下であることを新たに規定するとともに、検査の頻度について、「年1回以上行うこと。」を規定し、必要に応じて維持管理上の措置を講じる。
 
循環ろ過装置の処理水水質(要網)
循環ろ過装置の出口における処理水の濁度は0.1度以下が望ましいこと。
(2) プール水の水質基準の強化等
(改正理由) 「遊泳用プールの衛生基準」(厚生労働省健康局長通知)の改正に基づき改正する。
総トリハロメタンの項目については、健康面を考慮して規定しているが、維持管理上不適切な浄化や消毒により増加すると考えられる。したがって、維持管理の基準として位置付けることとし、検査の実施を規則に規定し、暫定目標値は要綱に規定する。
また、これまでプール原水の使用について種別による制限はないが、水の浄化と安全性を考慮し、水道法で定める原水の全項目の水質検査成績書を提出させていた。今回、ろ過出口の濁度管理やプール水の水質基準について強化しており、プール原水は検査項目を清浄度を保つプール水の水質基準項目(5項目)のみに着目し、これを把握した上、プール水の水質基準を維持することとした。なお、地下水汚染等も考えられるため、安全性の観点から原水の性状に応じてプール水の水質基準にない健康項目について把握することが望ましいとして指導する。
  プール水の水質基準の強化(規則)
衛生的かつ安全にプールで遊泳できるため、プール水の水質基準の内、濁度の基準を「3度以下」から「2度以下」に改める。
また、プール水の基準に、新たに「一般細菌は1ミリリットルにつき200個以下であること。」を設け、水質基準を強化する。
  プール水の検査の規定(規則)
新たに基準を示した一般細菌及び要綱で暫定目標値を示した総トリハロメタンの検査の実施を規定し、回数をそれぞれ「毎月1回以上」及び「毎年1回以上」実施する。
また、既存の水質基準である遊離残留塩素の検査回数については、「毎日3回以上」を「毎日午前に1回以上及び午後に2回以上」に具体化する。
総トリハロメタンの暫定目標値(要綱)
プール水において、総トリハロメタンは、0.2mg/L以下とすることが望ましいこと。
プール水の検査方法(要綱)
残留塩素の測定については、労働安全衛生上、オルト・トリジン法を削除し、大腸菌群の検査は水道法水質基準に定める検査方法とすること。
プール原水の水質検査項目の見直し(要綱)
水道水以外の水を原水として利用するプールにおいて、設置届けに添付する水質検査成績書の  検査項目(41項目)及び定期的に行うこととしている水質検査の項目を見直し、プール水と  同じ5項目とする。また、原水の性状に応じて、水道法水質基準のうち健康に関連する項目の  検査の実施が望ましいこと及び定期検査は季節使用プールは毎年1回以上、通年プールは6ヶ  月に1回以上とすることが望ましいこととする。
(3) 附帯設備の維持管理基準の強化
(改正理由)
 
 
「遊泳用プールの衛生基準」(厚生労働省健康局長通知)で、採暖槽及び気泡槽におけるレジオネラ症対策の内容が加えられたことに基づき、新たに気泡槽について基準を設ける。
  気泡槽に関する施設基準(規則)

気泡槽について定義するとともに、採暖槽と同程度の施設基準及び維持管理基準を新たに規定する。

レジオネラ症対策について(要綱)
維持管理方法について、「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアル」(平成13年9月11日健衛発第95号厚生労働省健康局生活衛生課長通知)によることを規定する。
(4) 附帯設備の施設基準の緩和
(改正理由)

「遊泳用プールの衛生基準」(厚生労働省健康局長通知)の改正に基づき改正する。

また、採暖槽が設けられた採暖室内に給水栓を設けることにより公衆浴場と混同するおそれがあるため採暖室内に給水栓を設けることを禁止していたが、現状の採暖室と公衆浴場との混同は見られないことから削除する。

 

(4)附帯設備の施設基準の緩和

   (改正理由)「遊泳用プールの衛生基準」(厚生労働省健康局長通知)の改正に基づき改正する。

         また、採暖槽が設けられた採暖室内に給水栓を設けることにより公衆浴場と混同するおそれがあるため採暖室内に給水栓を設けることを禁止していたが、現状の採暖室と公衆浴場との混同は見られないことから削除する。

 

  ア 採暖室に関する施設基準(規則)

    採暖室内に給水栓を設けることを禁止していたが、採暖室の機能に影響がないことから規定を削除する。

 

  イ 「足洗い場」の基準を削除(規則)

    温水シャワーが普及してきたため、シャワーで代用し、足洗い場について基準から削除する。引き続き、シャワー洗浄の徹底を促進する。

 

     足洗い場の記載を削除(要綱)

規則の改正に伴い、足洗い場の規定を整備したこと。

(足洗い場や腰洗い槽を使用する場合の衛生確保については従来通り。)

 

(5)その他

   (改正理由)これまで、プール水は水質基準項目について基準に適合すること及びプール原水は健康項目について水道法水質基準に適合することが望ましいこととし、事実上使用に制約があり、また、流入式のプールを認めていなかった。

         「遊泳用プールの衛生基準」(厚生労働省健康局長通知)で従前から規定している基準の適用除外の考え方に合わせ改正する。

 

 

  ア 基準の一部適用除外(規則)

    施設の多様化に伴い、衛生上支障がないものとして定める施設(海水や温泉水を利用する流入式により利用する施設)については、水質基準、施設基準及び維持管理基準の一部を適用しない。

 

     規則で定める水質基準、消毒設備及び浄化設備の施設基準及び維持管理基準におけるただし書の適用(要綱)

海水又は温泉水を原水として使用する施設であって常時清浄な用水が流入し、清浄度を保つことができる場合とする。

 

水質基準        :性状によって、大腸菌群以外の項目

       施設基準及び維持管理基準:消毒設備、浄化設備

 

イ 管理日誌(規則)

  管理日誌の記載に関する事項を本則からプールの維持管理基準の一つとして別表第二に移行する。

 

ウ 字句整理(規則)

  別表中において、一部字句の整理を行う。

 

     空気環境測定頻度の見直し(要綱)

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行通知で定める室内空気環境の測定回数が1日3回から2回に変更されたことから、測定日における適切な2時点での測定とする。

 

     附帯設備の構造及び履物に関する規定の見直し(要綱)

専用の更衣室及び採暖室における男女の区画等の構造に関する一部の規定並びに履物の使用に関する規定を削除する。

 

     様式、字句の整理(要綱)

届出内容変更届「様式1」を削除し、規則で定める変更届「様式第2」を使用すること。また、所要の字句の整理を行ったこと。

 

 

2.改正時期及び経過措置

 

   (理由)「遊泳用プールの衛生基準」(厚生労働省健康局長通知)の改正に基づき改正する。

       プールシーズン前までに措置する必要がある。また、濁度検査のための採水栓の設置及び検査の実施は1年の経過措置を設ける。

       今回気泡槽を定義し、消毒設備及び浄化設備が必要になったため、採暖槽の規定時と同様の取り扱いとする。

 

   平成14年6月1日施行とする。

 

   ただし、上記(1)イ(規則別表第一の一(7)ホ並びに別表第二の四(3)ホ及びへ)については、

平成15年5月31日までは、また、上記(3)ア(規則別表第一の二(7)ロ)の規定については、施行後最初の改築又は大規模の修繕をするときまでの間は、適用しない。