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14ス学健第8号
平成14年 5月21日 |
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文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課長
中 岡
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(印影印刷) |
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文部科学省大臣官房文教施設部施設企画課長
高 久
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(印影印刷) |
「学校環境衛生の基準」の留意事項について(通知)
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標記について、平成14年2月5日付け13文科ス第411号で「学校環境衛生の基準」(以下「基準」という。)の一部改訂について通知したところですが、本改訂内容を一層明確にするため、下記のとおり、基準の内容についての留意事項をとりまとめましたので、基準に基づいた学校環境衛生活動の実施に当たっては、これらの事項に留意願います。
また、各都道府県教育委員会及び各都道府県私立学校主管課におかれては、域内の市区町村教育委員会、所轄の学校及び学校法人等に対しても周知されるよう併せてお願いします。
記
〔基準の留意事項〕
T 定期環境衛生検査について
【基準の内容】
第1章 定期環境衛生検査
3 検査事項
(2)ホルムアルデヒド及び拝発性有機化合物検査は、ア、イの事項について行い、特に必要と認める場合は、
ウ、エの事項についても行う。
ア ホルムアルデヒド(夏期に行うことが望ましい。)
イ トルエン
ウ キシレン
エ パラジクロロベンゼン |
(留意事項)
キシレンについては、学校における室内空気の実態調査においては検出されていないが、トルエンと同様、接着
剤や塗料の溶剤及び希釈剤等として用いられることから、このような資材等が使用された場合や新築・改築等
の際には、ホルムアルデヒド及びトルエンとあわせて検査することとする。
パラジクロロベンゼンについては、その用途がトイレ等での防虫剤や消臭剤等であることから、トイレ等で使用さ
れている場合に測定することとする。なお、新築・改築等の際には特段の事情がない限り検査は省略できるも
のと考える。 |
【基準の内容】
第1章 定期環境衛生検査
4 検査方法
(2)ホルムアルデヒド及び挿発性有機化合物
検査は、普通教室、音楽室、図工室、コンピュータ教室こ体育館等必要と認める教室において、原則として次
の方法によって行う。
ア 採取は、授業を行う時間帯に行い、当該教室で授業が行われている場合は通常の授業時と同様の状態で
、当該教室に児童生徒等がいない場合は窓等を閉めた状態で、机上の高さで行う。
イ 採取時間は、吸引方式では30分間で2回以上、拡散方式では8時間以上とする。
ウ 測定は、厚生労働省が室内空気中化学物質の濃度を測定するための標準的方法として示した、次の(ア)
、(イ)によって行う。
または(ア)及び(イ)と相関の高い方法によって行うこともできる。
(ア)ホルムアルデヒドは、ジニトロフェニルヒドラジン誘導体固相吸着/溶媒抽出法によって採取し、高速
液体クロマトグラフ法によって行う。
(イ)挿発性有機化合物は、固相吸着/溶媒抽出法、固相吸着/加熱脱着法、容器採取法の3種の方法
のいずれかを用いて採取しガスクロマトグラフィーー質量分析法によって行う。
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(留意事項)
○ 採取場所については、それぞれの教室の種別に応じ、日照が多いことやその他の理由から測定の対象とな
る化学物質の濃度が相対的に高いと見込まれる場所において、少なくとも1カ所以上を選定する。
○ また、部屋の中央で採取することとする。
○ なお、採取の際の換気条件については、窓等を閉めて授業を行っている場合には窓等を閉めて行うなど通
常の授業時の状態で行うこととする。
○ 採取時間については、厚生労働省の「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」で採用された標
準的方法として吸引方式及び拡散方式を示している。なお、拡散方式については、学校における室内空気
の実態調査の結果、吸引方式と相関の高い方法であることが確認されたことから、基準に盛り込んだとこ
ろである。
なお、拡散方式については、国土交通省をはじめとする関係省庁や研究機関で構成される「室内空気対策
研究会測定技術分科会」において、信頼性があると評価された次の方法のいずれを用いてもよいこととし、
採取回数は1回(複数回の採取は不要)とする。
(1)測定バッジ
(2)パッシブサンプラー
(3)パッシブガスチューブ |
上記の採取器具のメーカー、購入価格、分析機関については、国土交通省が作成した一覧表(別添1及び別
添2)を参考にされたい。
(参考資料)
室内空気対策研究会 測定技術分科会 ホルムアルデヒド、VOC等パッシブ採取機器の評価試験 報告書
(2002年2月8日)(室内空気対策研究会ホームページhttp://www.iaq-research.com/)
○ 検査方法の流れの概要を以下に示す。
(注)トルエン、キシレンを分析する際には、ガスクロマトグラフだけで分析
してもかまわないこととし、質量分析を省略することができる。
○ 測定方法については、今後の測定技術の進展に伴い、基準に示している標準的方法と相関が高く、且つ、信
頼性が確保できる簡便な測定方法が開発された際には、文部科学省から情報提供を行う。
○ 外気については、学校周辺に検査対象となる化学物質を取り扱う工場等があれば、外気についても検査する
こととし、それ以外の場合には文部科学省が実施した実態調査の結果を踏まえ、検査を省略できるものと考
える。
U 臨時環境衛生検査について
【基準の内容】
第2章 臨時環境衛生検査
1 学校においては、次のような場合、必要があるときは、必要な検査項目を行う。
(1)(2)略
(3)机、いす、コンピュータ等新たな学校用備品の搬入等によりホルムアルデヒド及び揮発性
有機化合物の発生のおそれがあるとき。なお、新築・改築・改修等を行った際にはホルム
アルデヒド及び揮発性有機化合物の濃度が基準値以下であることを確認させた上で引き
渡しを受けるものとする。
(4)その他必要なとき。
2 臨時環境衛生検査は、その目的に即して必要な検査項目を設定し、その検査項目の実施に
当たっては、定期環境衛生検査に準じて行うこと。
3 臨時環境衛生検査の結果に基づく事後措置については、定期環境衛生検査の結果に基づく
事後措置に準じて特に迅速に行うようにする。 |
(留意事項)
○ 基準では、臨時環境衛生検査の実施に当たっては、定期環境衛生検査に準じて行うことと、しており(第2
章の2)、検査方法については、前述の定期環境衛生検査の検査方法に関する留意事項について留意す
るとともに、次の点に留意願いたい。
(1)採取状態
○ 厚生労働省が新築住宅での測定について示した方法に準ずる。すなわち、新築、改築時等においては、
30分換気後に対象室内を5時間以上密閉し、その後、吸引方式では、概ね30分間、拡散方式では8時
間以上採取すること。また、部屋の中央付近の少なくとも壁から1m以上離した高さl.2〜1.5mの位置を
試料採取位置として設定すること。
○ 換気は常時換気システムを有している場合は稼働させてよい。なお、拡散方式の空気採取法及び外気の
検査については定期環境衛生検査と同様の取り扱いとする。
(2)判定基準
定期環境衛生検査と同様、厚生労働省が示した指針値(第1章の5(2))に準ずる。
(3)新たな学校用備品の搬入等に係る留意事項
机、いす、コンピュータ等新たな学校用備品の導入に当たっては、当該化学物質の放散の少ないものを選
定するよう配慮するとともに、学校用備品の搬入により、教室内の当該化学物質の濃度が基準値を超える
おそれがあると判断される場合には、当該学校用備品が搬入された教室において、当該化学物質の室内
濃度について検査を行うものとする。
(4)新築・改築・改修等に係る留意事項
学校施設の新築・改築・改修等に当たっては、学校施設整備指針や対策上の主なポイントを示したパンフ
レット「健康的な学習環境を確保するために」(平成14年2月)等を参考にして、施設の計画・設計や施工等
に十分配慮するとともに、事前に、検査実施機関・検査費用等について調査し、かつ、引き渡しの際の検査
において、基準値を超えた場合の措置等についても取り決めておき、濃度測定は乾燥期間を十分確保した
上で行うなど、適切な対応に配慮願いたい。
なお、第2章の1(3)なお書きにあるように、ホルムアルデヒド等の濃度が基準値以下であることを確認させ
た上で引き渡しを受けるものとする場合には、契約段階で、その旨工事契約上明記する必要があることに御
留意願いたい。
また、平成14年2月5日付け13文科ス第411号の「学校環境衛生の基準」の改訂が適用される平成14年
4月1日以前に工事契約が締結された物件の引渡しについては、第2章1(3)なお書きは適用されないこと
にもご留意願いたい。 |
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