亜塩素酸ナトリウム

別名:亜塩素酸ソーダ
NaClO
劇物:(亜塩素酸ナトリウム及びこれを含有する製剤。25%を超えるもの。ただし、爆発薬を除く。)
(性状) 白色の粉末。水に溶けやすい。(20℃で水100mlに34.3g溶ける)。強力な酸化剤である。加熱すると分解して酸素を放出する。酸と接触すると爆発性で有害な二酸化塩素を放出する。市販品は86%以上と76%以上の2種類があり、140〜150℃で分解する。

措  置
漏 え い 時
飛散した場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作業をしない。
飛散したものは空容器にできるだけ回収し、そのあとを還元剤(硫酸第一鉄等)の水溶液を散布し、水酸化カルシウム、無水炭酸ナトリウム等の水溶液で処理し、多量の水を用いて洗い流す。この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には、しゃへい物の活用等容器の破損に対する防護措置を講じ、容器及び周囲に散水して冷却する。容器が火炎に包まれた場合には、爆発・破裂の危険があるので近寄らない。
(着火した場合)
消火剤又は多量の水を用いて消火する。
(消火剤)
暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
鼻、のど、気管支等の粘膜を刺激し、悪心、嘔吐、下痢、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青黒くなる)を起こす。はなはだしい場合には肺水腫を起こし、呼吸困難を起こす。
(皮膚に触れた場合)
皮膚を刺激し、炎症を起こす。
(眼に入った場合)
粘膜を刺激し、炎症を起こす。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、鼻をかませ、うがいをさせる。呼吸が困難な場合又は呼吸が停止している場合には直ちに人工呼吸を行い、心臓が停止している場合には直ちに心臓マッサージを行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつ等を脱がせ、付着部又は接触部を多量の水を用いて洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.強酸と混合すると発火又は爆発することがある。
2.加熱、摩擦、衝撃、火花等により発火又は爆発することがある。
3.還元剤と混合すると加熱、摩擦、衝撃、火花等で発火又は爆発することがある。
4.可燃性の衣服等に付着した場合は、着火することがある。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、防じんマスク
(火災時:空気呼吸器)