アクリルアルデヒド
別名:アクロレイン
CH2=CHCHO
劇物(アクロレイン)
(性状) 無色又は淡黄色の液体で不快な息詰まるようなにおいがある。
可燃性。
揮発性が強い。引火点−17.8℃(開放)
極めて反応性に富み、特にアルカリ性物質が混入すると激しい重合反応を起す。爆発範囲2.8〜31V/V%、沸点52.7℃、比重0.841、水に可溶(水100gに26.3g溶ける)。
措 置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。必要があれば水で濡らした手ぬぐい等で口及び鼻を覆う。
漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。作業の際には必ず保護具を着用する。風下で作業をしない。
(少量) 漏えいした液は亜硫酸水素ナトリウム水溶液(約10%)で反応させた後、多量の水を用いて十分に希釈して洗い流す。
(多量) 漏えいした液は土砂等でその流れを止め、安全な場所に穴を掘るなどしてこれをためる。これに亜硫酸水素ナトリウム水溶液(約10%)を加え、時々かくはんして反応させた後、多量の水を用いて十分に希釈して洗い流す。この際蒸発したアクロレインが大気中に拡散しないよう霧状の水をかけて吸収させる。
この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能の場合は、容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
散水等により周囲への延焼を防止し、多量の水を用いて消火しその後の処置は専門家に任せる。
(消火剤)
水噴霧、炭酸ガス
暴 露・接 触 時
人体に対する影響
(吸入した場合)
のど、気管支、肺などを激しく刺激し、気管支の炎症などを起こす。肺水腫及び全身の麻ひの可能性がある。
(皮膚に触れた場合)
皮膚を刺激し、激しい場合は水ぶくれややけど(薬傷)を起こす。
(眼に入った場合)
粘膜などを激しく刺激し炎症を起こす。催涙性である。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し速やかに医師の手当てを受ける。
(皮膚に触れた場合)
直ちに付着又は接触部を多量の水で十分に洗い流す。汚染された衣服やくつは速やかに脱がせる。速やかに医師の手当てを受ける。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流し速やかに医師の手当てを受ける。
注 意 事 項
1.極めて引火し易く、又、その蒸気は空気と混合して広範囲な爆発性混合ガスとなるので火気は絶対に近づけない。
2. アルカリ性物質及び酸化剤と接触させない。
3. 火災の場合、温度上昇により激しい重合反応を起こし、容器が破裂することがある。
4. 運搬時には少量の重合防止剤(ハイドロキノンなど)添加及び窒素シールがされている。
保 護 具
保護手袋(ゴム)、保護長ぐつ(ゴム)、保護前掛(ゴム)、保護衣、保護眼鏡、有機ガス用防毒マスク