アクリルニトリル

別名:
CH=CHCN
劇物(アクリルニトリル)
(性状) 無色透明の液体で弱い刺激臭がある。極めて引火し易い(引火点0℃)。
蒸気は空気よりも重く、空気と混合して爆発性混合ガスとなる。爆発範囲3〜17V/V%、沸点77.7℃、比重0.806、水に可溶(20℃で水100gに7.3g溶ける)。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。
付近の着火源となるものを速やかに取除く。作業の際には必ず保護具を着用する
風下で作業をしない。
(少量) 漏えいした液は乾燥した土砂に吸収させて空容器に回収し、その後を多量の水を用いて十分に希釈して洗い流す。
(多量) 漏えいした液は土砂等でその流れを止め安全な場所に導き、遠くからホース等で多量の水をかけて、濃厚な蒸気が発生しなくなるまで十分に希釈=して洗い流す。
この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。漏えい場所、使用した保護具、器材等は多量の水を用いて洗い流す。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能の場合は、容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
初期の火災には粉末、炭酸ガス、乾燥した砂などを用いる。タンクなどに引火するような大規模火災の際には爆発の恐れがあるので付近の住民を退避させる。この際消火剤等を散布し空気をしゃ断することが有効である。消火作業には必ず保護具を着用する。
(消火剤)
泡、粉末、炭酸ガス
暴 露・接 触 時
人体に対する影響
(吸入した場合)
衰弱感、頭痛、悪心、くしゃみ、腹痛、おう吐がみられ、多量に吸入すると意識不明、呼吸停止を起し死に至ることがある。
(皮膚に触れた場合)
皮膚を刺激し数時間後に発赤又は水ぶくれを生じ、多量の場合は吸入と同様の中毒症状を呈することがある。
(眼に入った場合)
粘膜を刺激し、又粘膜からも吸収されて中毒症状を呈することがある。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、速やかに医師の手当てを受ける。呼吸が停止しているときは直ちに人工呼吸を行う。呼吸困難のときは酸素吸入を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに付着又は接触部を多量の水で十分に洗い流す。汚染された衣服やくつを速やかに脱がせる。速やかに医師の手当てを受ける。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流し速やかに医師の手当てを受ける。

注 意 事 項
1.アクリロニトリルは空気、光にさらされると容易に重合する性質がある。
2. 運搬時には、重合防止剤が添加されている。
3. 酸化性物質、アルカリ類、強酸類と接触させない。

保 護 具
保護手袋(ゴム)、保護長ぐつ(ゴム)、保護前掛(ゴム)、保護衣、保護眼鏡、有機ガス用又は青酸用防毒マスク