アセトンシアノヒドリン

別名:アセトンシアンヒドリン
(CHC(OH)CN
劇物:(有機シアン化合物)
(性状) 無色透明の液体でアセトン様の微臭がある。蒸気は空気より重く、120℃付近に加熱されると、分解して有毒なシアン化水素と引火性のアセトンを発生する。爆発範囲2.5〜12.0%、アセトンシアノヒドリンガスの比重2.9(空気を1とする)。比重0.93、沸点81℃(15@Hg)、引火点74℃。
水、エタノール及びエーテルに極めて溶けやすい。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。付近の着火源となるものを速やかに取り除く。作業の際には必ず保護具を着用する。風下で作業をしない。
(少量) 漏えいした液は、土砂等に吸着させて空容器に回収し、そのあとは除害する。
(多量) 漏えいした液は、土砂等で流れを止め、液及び土砂等を空容器に回収し、少量の場合と同様の措置をとる。直接水で洗い流してはならない。
除害は、次亜塩素酸塩水溶液を注ぎ完全に分解させた後、多量の水を用いて洗い流す。この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないように注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能の場合は、容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
初期の火災には、粉末、二酸化炭素等を用いる。大規模火災の際には、水噴霧を用いるか、又は泡消火剤等を用いて空気をしゃ断することが有効である。大規模火災の際には有毒ガスが発生するので付近の住民を退避させる。消火作業の際には必ず保護具を着用する。
(消火剤)
粉末、二酸化炭素、水、泡(アルコール泡)
暴 露・接 触 時
人体に対する影響
(吸入した場合)
頭痛、めまい、衰弱、悪心、おう吐、よろけ等がみられ、はなはだしい場合は、意識不明、呼吸停止を起こす。
(皮膚に触れた場合)
皮膚から吸収されやすく、多量の場合は吸入した場合と同様の中毒症状を起こす。
(眼に入った場合)
わずかに刺激があり、粘膜から吸収される。
医師の処置を受けるまでの救急方法

(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移す。
呼吸困難又は呼吸が停止しているときは直ちに人工呼吸を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつを脱がせる。直ちに付着又は接触部を石けん水又は多量の水で十分に洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。


注 意 事 項
アルカリ類と接触するとアセトンとシアン化水素に分解するので注意する。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、有機ガス用防毒マスク
(火災時:空気呼吸器又は青酸用隔離式防毒マスク)