アンチノック剤

別名:
Pb
毒物(四アルキル鉛を含有する製剤)
(性状) 無色透明の油状液体で芳香性の甘味あるにおいがある。
水より重い。水にほとんど溶けない。引火点40℃以上。一般に、二臭化エチレンが加えてある。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。
付近の着火源となるものは速やかに取り除く。作業の際には必ず保護具を着用する。風下で作業をしない。
(少量) 漏えいした液は過マンガン酸カリウム水溶液(5%)、さらし粉水溶液又は次亜塩素酸ナトリウム水溶液で処理すると共に、至急関係先に連絡し専門家*に任せる。
(多量) 漏えいした液は、活性白土、砂、おがくず等でその流れを止め、過マンガン酸カリウム水溶液(5%)又はさらし粉で十分に処理すると共に、至急関係先に連絡し専門家*に任せる。
この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能の場合は、容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
消火剤で覆って消火する。その後は漏えい時の措置を採る。
消火作業の際には必ず保護具を着用し風上で行う。
(消火剤)
水成フイルム消火剤、たん白系泡消火剤、霧状の水
暴 露・接 触 時
人体に対する影響
(吸入した場合)
軽度の場合血圧降下、貧血を呈し吐気、おう吐、めまい、頭痛、食欲不振、幻覚、悪夢、不眠等の症状を呈する。重篤の場合中枢神経が侵される。
(皮膚に触れた場合)
吸入した場合と同様の中毒症状を呈する。(皮膚からも吸収される)
(眼に入った場合)
吸入した場合と同様の中毒症状を呈する。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、速やかに医師の手当てを受ける。
呼吸が停止しているときは直ちに人工呼吸を行い、呼吸困難のときは酸素吸入を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに付着又は接触部を灯油、軽油又は鉱油を浸した布でふき取り、その後石けん水で十分に洗い流す。
汚染された衣服やくつは速やかに脱がせる。速やかに医師の手当てを受ける。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流し速やかに医師の手当てを受ける。

注 意 事 項
1.汚染した衣服等は過マンガン酸カリウム水溶液(5%)、さらし粉水溶液又は次亜塩素酸ナトリウム水溶液で処理後全て焼却する。
2. *:「四アルキル鉛中毒予防規則」(昭和47年労働省令第38号)に、四アルキル鉛等作業主任者が定められている。
3. 芳香性の甘味あるにおいがあるが、猛毒であるので注意する。

保 護 具
不浸透性保護衣・保護手袋・保護長ぐつ(以上白色のものに限る)、有機ガス用防毒マスク