液化塩化水素

別名:
HCl
劇物(塩化水素)
(性状) 不燃性の液化ガスで激しい刺激臭がある。そのガスは空気より重く空気中の水や湿気と作用して塩酸ミストとなり強い腐食性を示す。
アルコールに溶けやすい(0℃で水100gに82.31g溶ける)。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。必要があれば水で濡らした手ぬぐい等で口及び鼻を覆う。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。作業の際には必ず保護具を着用する。風下で作業をしない。
(少量) 漏えいガスは水を用いて十分に吸収させる。漏えい容器に散水しない。
(多量) 漏えいガスは多量の水をかけて吸収させる。多量にガスが噴出する場合は遠くから霧状の水をかけ吸収させる。
この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能の場合は、容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
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(消火剤)
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暴 露・接 触 時
人体に対する影響
(吸入した場合)
のど、気管支、肺などを刺激し粘膜が侵される。多量に吸入すると、喉(こう)頭けいれん、肺水腫を起こし呼吸困難・呼吸停止を起こす。
(皮膚に触れた場合)
ガスは皮膚を激しく侵し直接液に触れるとやけど(薬傷)やしもやけ(凍傷)を起こす。
(眼に入った場合)
粘膜などが激しく刺激される。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し速やかに医師の手当てを受ける。呼吸が停止しているときは直ちに人工呼吸を行う。呼吸困難のときは酸素吸入を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに付着又は接触部を多量の水で十分に洗い流す。汚染された衣服やくつは速やかに脱がせる。速やかに医師の手当てを受ける。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流し、速やかに医師の手当てを受ける。

注 意 事 項
1.吸湿すると、大部分の金属、コンクリート等を腐食する。
2. 塩化水素は爆発性でも引火性でもないが、吸湿すると各種の金属を腐食して水素ガスを発生し、これが空気と混合して引火爆発することがある。

保 護 具
保保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、保護眼鏡、酸性ガス用防毒マスク又は空気呼吸器