塩化第二錫(無水物)

別名:塩化錫( IV )
SnCl
劇物:(無機錫塩類)
(性状) 無色液体。空気中の水分により分解し、白煙(塩化水素)を発生する。融点−33℃、沸点114.1℃。水に触れると急激に加水分解し、白煙(塩化水素)を発生する。無水エタノール、アセトン、トルエン、二硫化炭素、ヘキサンに可溶。

措  置
漏 え い 時
多量に漏えいした場合は風下の人を退避させる。
漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。
作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作業をしない。
漏えいした液は土砂等でその流れを止め、安全な場所に導き、空容器にできるだけ回収し、そのあとを消石灰、ソーダ灰等の水溶液を用いて徐々に処理を行い、多量の水を用いて洗い流す。
この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には、周囲に散水して冷却する。この場合、容器に水が入らぬよう注意する。
(着火した場合)
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(消火剤)
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暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
鼻、のど、気管支の粘膜を刺激し、炎症を起こすことがある。
(皮膚に触れた場合)
ガスは皮膚を激しく侵し、直接液に触れると薬傷を起こす。
(眼に入った場合)
粘膜を激しく刺激する。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、鼻をかみ、うがいをさせる。呼吸困難又は呼吸が停止しているときは、直ちに人工呼吸を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに付着又は接触部を石けん水で洗浄し、多量の水を用いて洗い流したのち、汚染された衣服やくつ等を脱がせる。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
空気中の水分で発煙する。更に多量の水に触れると激しく加水分解を起こし、酸化錫(「)の煙霧及び塩化水素ガスの白煙を発生する。
煙霧及びガスは有害なので注意する。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、空気呼吸器