塩化メチル

別名:クロロメチル
CHCl
劇物(クロルメチル)
(性状) 無色のエーテルよう芳香のある気体で、圧縮すると無色の液体になる。ガスは空気より重い。可燃性であるが、弱く燃える程度である。空気と混合し爆発性混合ガスとなる。
爆発範囲10.7〜17.4V/V%、沸点−24.1℃、水に可溶(20℃で水100mlに300ml溶ける)。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。必要があれば水で濡らした手ぬぐい等で口及び鼻を覆う。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。付近の着火源となるものは速やかに取除く。作業の際には必ず保護具を着用する。風下で作業をしない。
(少量) 漏えいした液は速やかに蒸発するので周辺に近づかないようにする。
(多量) 液状で漏えいしたときは、土砂等でその流れを止め、液が拡がらないようにして蒸発させる。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能の場合は、容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
漏出を止めることができる場合は漏出を止める。ガス漏れが多量で火災が発生している場合には、容器及び周囲に散水すると共に至急関係先に連絡し延焼防止に努める。なお火災時に分解し、有毒なガスが発生するので注意する。
(消火剤)
水、粉末、炭酸ガス
暴 露・接 触 時
人体に対する影響
(吸入した場合)
麻酔作用が現われる。多量吸入すると頭痛、吐気、おう吐等が起こり、はなはだしい場合は意識を失う。
(皮膚に触れた場合)
液が触れるとしもやけ(凍傷)を起こす。
(眼に入った場合)
液が入ると粘膜が侵される。
救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し速やかに医師の手当てを受ける。呼吸が停止しているときは直ちに人工呼吸を行う。呼吸困難のときは酸素吸入を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに付着又は接触部を多量の水で十分に洗い流す。汚染された衣服やくつは速やかに脱がせる。速やかに医師の手当てを受ける。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流し速やかに医師の手当てを受ける。

注 意 事 項
塩化メチルは水に溶けると徐々に分解して塩酸を生成し、これが各種の金属を腐食するので水との接触をさける。

保 護 具
保護手袋(ゴム)、保護長ぐつ(ゴム)、保護眼鏡、有機ガス用防毒マスク