パラコート

別名:パラコートジクロリド、1,1’−ジメチル−4,4’−ジピリジニウムジクロリド
毒物:(1,1’−ジメチル−4,4’−ジピリジニウムヒドロキシド、その塩類及びこれらのいずれかを含有する製剤)
(性状) 無色の吸湿性結晶。約300℃で分解する。比重1.24〜1.26。中性、酸性下で安定。アルカリ性で不安定。水溶液中紫外線で分解。水に溶けやすい(20℃で水100mlに70g溶ける)。工業品は、暗褐色又は暗青色の特異臭のある水溶液。

措  置
漏 え い 時
漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作業をしない。
漏えいした液は土壌等でその流れを止め、安全な場所に導き、空容器にできるだけ回収し、そのあとを土壌で覆って十分接触させた後、土壌を取り除き、多量の水を用いて洗い流す。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
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(消火剤)
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暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
鼻やのど等の粘膜に炎症を起こし、はなはだしい場合には、嘔気、嘔吐、下痢等を起こすことがある。
(皮膚に触れた場合)
皮膚を刺激し、紅斑、浮腫等を起こすことがある。放置すると皮膚より吸収され中毒を起こすことがある。
(眼に入った場合)
粘膜を刺激し、結膜発赤・浮腫、角膜混濁、虹彩炎等を起こすことがある。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移す。
(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつ等を脱がせ、付着部又は接触部を石けん水で洗浄し、多量の水を用いて洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.土壌等に強く吸着されて不活性化する性質がある。
2.パラコートを誤って嚥下した場合には、消化器障害、ショックのほか、数日遅れて肝臓、腎臓、肺等の機能障害を起こすことがあるので、特に症状がない場合にも至急医師による手当てを受けること。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、有機ガス用防毒マスク(火災時:空気呼吸器)