ヒドラジン

別名:
NNH
毒物:(ヒドラジン)
(性状) 無色透明でアンモニアに似た臭いの液体。比重1.00。沸点113.5℃ 融点1.4℃。蒸気圧1.92kPa(25℃)。水に極めて溶けやすい。ア ルコールに可溶。空気中で発煙する。蒸気は空気より重く、引火しやすい。引 火点37.8℃爆発範囲4.7〜100%(空気中)。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。退避する際は、水に濡らした手ぬぐい等で口及び鼻を覆う漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。付近の着火源となるものを速やかに取り除く。作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作 業をしない。漏えいした液は土砂等でその流れを止め、安全な場所に導き、密閉可能なステンレス製空容器にできるだけ回収し、そのあとを多量の水を用いて洗い流 す。この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出 火 時
消火作業の際には、必ず空気呼吸器その他の保護具を着用し、風下で作業をしない
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には、しゃへい物の活用等容器の破損に対する防護措置を講じ、容器及び周囲に散水して冷却する。容器が火炎に包まれた場合には、爆発・破裂の危険があるので近寄らない。
(着火した場合)
多量の水又は消火剤を用いて消火する。
(消火剤)
水、粉末、泡、二酸化炭素、強化液
暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
鼻、のど、気管支等の粘膜を激しく刺激し、腐食する。はなはだしい場合には肺水腫、呼吸困難を起こすことがある。頭痛、悪心、嘔吐、チアノーゼを起 こすことがある。
(皮膚に触れた場合)
皮膚を激しく刺激し、腐食する。皮膚からも吸収され、吸入した場合と同様の中毒症状を起こす。
(眼に入った場合)
粘膜を激しく刺激し、腐食する。はなはだしい場合には失明することがある
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、鼻をかませる。呼吸が困難な場合又は呼吸が停止している場合には直ちに人工呼吸を行い、心臓が停止している場合には直ちに心臓マッサージを行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに付着部又は接触部を多量の水を用いて洗い流した後、汚染された衣服 やくつ等を脱がせる。更に付着部を石けん水で洗浄し、多量の水を用いて洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.空容器の鉄サビ等との接触により爆発することがあるので、回収容器はステンレス製が望ましい。ステンレス製容器がない場合は、水を張った容器に少量ずつ加 えて希釈し、回収する。
2.加熱、火花等により爆発することがある。
3.空気中の酸素と徐々に反応してアンモニアを発生する。アンモニアは有害なので注意する。
4.酸化剤と混合すると常温で放置した場合であっても爆発することがある。
5.液体を吸収させた布、紙等は常温に放置した場合であっても発火することがある
6.水と接触すると強アルカリ性を示す。
7.火災等で燃焼して窒素酸化物のガスが発生する。ガスは有害なので注意する。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、アルカリガス用防毒マスク、
(火災時:空気呼吸器)